日本の3歳牝馬のジャパンC最高着順は、1996年ファビラスラフインの2着。だが、今年の3冠牝馬ジェンティルドンナなら、初のジャパンC制覇という偉業をなし遂げても不思議はない。
「そうですね。日本の3歳牝馬でもジャパンCで通用した例がある。このジェンティルなら、と思っています」
石坂調教師が力を込める。桜花賞、オークス、秋華賞の牝馬3冠すべてを制したあとは、ジャパンCに照準を向けて調整してきた。
栗東坂路での追い切りは、牝馬らしからぬ力感あふれるフットワークを見せた。雨の影響で重く、時計のかかる馬場ながらラスト1ハロンから追い出されると、反応鋭くシャープな伸び。4ハロン53秒0、ラスト1ハロン12秒8なら時計も上々だ。
GI3勝を含む重賞4連勝中の破竹の勢いはとどまるところを知らない。今回と同舞台のオークスでは、翌週の日本ダービーより0秒2速い2分23秒6のレースレコード勝ち。流れや馬場差の違いがあるにしても、春の時点で昨秋のジャパンCの勝ちタイム(ブエナビスタ2分24秒2)を上回っていたのだから、数字的には勝算も成り立つ。
コンビを組む岩田康誠騎手も「3歳牝馬だから53キロの斤量で戦えるのは大きいし、挑戦者の立場で立ち向かっていける。勝つだけの力はあるから、ボクには勝つことしか思い浮かばない」と、キッパリ言い放った。オルフェーヴルや世界の強豪を相手に回しても、このジェンティルドンナと岩田のコンビなら府中の杜を大きく揺らす激走も難しくはない。 (正木茂)
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