2012年11月30日金曜日

ガジ


SUPER SELECTION メールマガジン「清水成駿の競馬春秋(12/11/29)」

【遅ればせながら重賞リフレクション】

 ジャパンCはラスト200、オルフェーヴルとの壮絶な叩き合いをハナ差制した3歳牝馬のジェンティルドンナに勝利の女神が微笑んだ。

 予想通り流れは落ち着いた。前後半5Fが60秒2-58秒6の典型的な決め手比べ。実質、ラスト800の競馬。4コーナーで射程内に入れられなければ、まったく勝負にならない流れ。

 ジェンティルドンナはこの流れを3番手の内々でじっと我慢。大外枠からスタートを決め、3番手を取ったこと自体がファインプレイだろう。対してオルフェーヴルは後方外目。が、3コーナー過ぎの反応が抜群。アッという間に4コーナーでは2番手グループの外に並びかけていた。

 直線入り口。手応えでは圧倒的にオルフェーヴル。ジェンティルドンナの手綱が動いてもオルフェーヴルはまだ持ったまま。あと400。追い出されたオルフェーヴルは例によって徐々に内々にもたれ始める。いつも程ではない。既にこの時点で岩田のジェンティルドンナは左鞭6本。

 そしてあと200。逃げるビートブラックと外から内によったオルフェーヴルとの狭い間をジェンティルドンナがこじ開ける。この時にオルフェーヴルが弾きとばされた。ここが長い審議の対象。裁定は着順に変更なく、ジェンティルドンナの岩田は実効2日間の騎乗停止となった。

 まともなら走行妨害で岩田は降着。何しろ一か八かの確信犯だ。ただ、オルフェーヴルも内へ内へとよっている。岩田が勝つ為にはビートブラックのさらに内を割るか、両馬の真ん中を割るかの2つに1つ。どちらも狭い。といって外に出したら優勝2億5000万のかかった勝負じゃない。これはあくまでも流れと両騎手の必死さから生まれたアクシデント。これを降着にしたら勝負の醍醐味が損なわれる可能性がある。裁定は苦渋の中の好判断であったと思う。

 結局は岩田の必死さが池添のそれを上回った。岩田の左鞭は間を割るまでに6本。オルフェーヴルと馬体を並べてからさらに8本。動物の愛護精神に富んだ欧州競馬なら間違いなくこれだけで処分の対象になる。ただ、左鞭を連打しなければ、オルフェーヴルから一完歩毎にラチ沿いに詰められる恐怖もあったのではないか。

 因みにオルフェーヴルは一度も鞭を使わなかった。左鞭を使うスペースがなかったのか、それとも馬をよせれば競り勝てると思ったのか。もちろん、右鞭を使えばたぶん勝てただろう。が、今度は内にもたれるオルフェーヴルが被害馬から加害馬に替ってしまう可能性がある。やはり使えなかったのだろう。

 いずれにしてもオルフェーヴルがあの手応えで突き抜け切れなかったのは、結果からみてやはり仕掛け早。ラスト100ではジェンティルドンナと同じ脚色。3~4コーナーの爆発力からみて、もうワンテンポ遅らせていれば、完全に抜け切り2馬身の差はつけていたような気がする。いずれにせよ、その瞬発力たるや同じ競走馬とは思えぬほど。次の有馬はコーナー6回。使えば勝つだろう。が、使わずにそのまま種牡馬入りということもなきにしもあらず。

 3着ルーラーシップは出遅れがすべて。ウイリアムズなら前に行けるだろうと思っていたのが痛かった。とはいえ出遅れたウイリアムズもタダでは転ばない。すぐに進路を最内、博打を打った。隙があれば内を縫って出遅れを挽回しようという作戦。が、馬群はスローで密集した。仕方なく大外。いかに最速32秒7を使おうと前2頭が32秒台の上がりでは手も足も出なかった。

 かくしてサンデーRのワンツースリー。社台F系のダークシャドウを挟んで5着にもサンデーRのフェノーメノが食い込んでいる。 

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