http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20121126-1051964.html
オルフェ痛恨の不利を受け鼻差2着/JC
- 直線でジェンティルドンナ(奥)と激しく競り合い、鼻差で2着に敗れたオルフェーヴル
<ジャパンC>◇25日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳上◇出走17頭
後味の悪い結末だ。3冠馬オルフェーヴル(牡4、池江)がラスト200メートル手前で不利を受け、鼻差の2着に敗れた。遠征帰りの状態で地力を見せたが、勝ち馬に外へはじき飛ばされて失速するロス。ゴール前で詰め寄っただけに痛恨だった。池添謙一騎手(33)と池江泰寿調教師(43)は、ともに無念を口にした。
口を真一文字に結んだ池添が、無言のまま右手でオルフェーヴルの首筋を2度たたいた。レース直後の検量室前。激闘を終えた相棒をねぎらいつつも、血の気の引いた顔に無念と憤りがにじむ。発走から23分後の午後4時3分、審議の末に3着以上の着順が確定する。そこからさらに20分以上時が過ぎ、できる限り気持ちの整理をつけてから、ようやく重い口を開いた。感情を押し殺そうとはしたが、心中の思いは隠せない。
池添騎手 見てもらった通り。だいぶバランスを崩し手前も替えている。着差が着差だけにという気はします。遠征帰りで力を出してくれたけど…。あの判定はどうかと思います。あれがなければと思っちゃう。ちょっと納得がいかない。
痛恨の不利だった。後方から4コーナーで大外をまくり、直線入り口で2番手へ。アクシデントが起きたのは、6冠目が見えた残り200メートル手前だ。内から斜行したジェンティルドンナにぶつけられ、2頭分ほど外へはじき飛ばされた。458キロと決して大きくない馬体は空中に浮き、傾いた。衝撃を受け速度は鈍る。立て直して追いすがるも、わずかに鼻差及ばなかった。もしスムーズだったら-。池江師も静かな口調に悔しさをにじませた。
池江師 3回はぶつけられている。1回はバランスを崩して宙に浮いた。あれだけはじき飛ばされたら、どんな馬でも失速する。(ジェンティルドンナは)内ががら空きだったし、オルフェと謙一の進路に入る必要はなかったのでは…。フランスから帰ってきて8割ぐらいまで戻ってたけど、この状態でよく走っている。
時間は戻らない。レースはやり直せない。あと5メートルで栄冠を逃した凱旋門賞でも痛いほどに味わった。騎乗することさえかなわず京都競馬場の調整ルームで見届けた池添も、テレビカメラを通じて日本のファンへ謝罪した池江師も、異口同音に「一生悔いが残る」と漏らした。だからこそ勝ちたかった。それなのに…。
来年の去就を含め、現時点で今後は未定だ。サンデーレーシングの吉田俊介代表は「まったく相談してないけど、有馬記念は使うんじゃないですかね」とグランプリ参戦へ前向きな見解を示し、来年の凱旋門賞再挑戦についても「可能性はある」と含みを持たせた。後味の悪い結末を迎えた牡牝3冠馬対決。池江師は「次はお互いにいい状態で対戦したい。次があればですけど」と完全決着を希望。このままでは終わりたくない。いや、終われない。【太田尚樹】
[2012年11月26日9時4分 紙面から]
ルーラーまたも出遅れ後方から3着/JC
<ジャパンC>◇25日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳上◇出走17頭
3着ルーラーシップ(牡5、角居)はまたしてもゲートに泣いた。先入れの奇数枠から発走の瞬間を待ったがこらえきれず、立ち上がりかけた瞬間にゲートが開いた。やむを得ず後方集団から追走する形に。それでも上がり最速32秒7の末脚で追い込んだが、4着ダークシャドウを頭差かわすのが精いっぱいだった。ウィリアムズ騎手は「ゲートで座り込んでしまったことがすべて。直線で外に出してからはいい脚を使ってくれた。後入れの偶数枠なら違っていたはず」と苦い表情。天皇賞・秋の悪夢を払拭(ふっしょく)できなかった。
前走の敗戦を受け、角居師は中間にゲート練習を敢行。しかし「1回レースを使ったことで落ち着きが出ていたが、ゲート練習では出さなかった癖を出した」と唇をかみしめる。次走は有馬記念を予定。鞍上は「ゲートさえまともなら有馬では巻き返せる」と雪辱を誓う。【松本岳志】
[2012年11月26日9時4分 紙面から]
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