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【ジャパンC】ジェンティル3冠馬対決制す(1/3ページ)
24日の東京11R第32回ジャパンC(GI、芝2400メートル、17頭立て、1着賞金=2億5000万円)は、岩田康誠騎手騎乗の3番人気ジェンティルドンナ(牝3、栗東・石坂正)がオルフェーヴルとの壮絶な叩き合いを制して優勝。牝馬3冠に続くGI4勝目を飾るとともに、日本の3歳牝馬として初めてジャパンC優勝という偉業を成し遂げた。タイムは2分23秒1(良)。
同じ勝負服の3冠馬同士による叩き合いは、年下の牝馬に軍配が上がった。内に岩田康誠のジェンティルドンナ、外に池添謙一のオルフェーヴル。2頭だけが違う世界を走るように、ラチ沿いでつばぜり合いを繰り広げる。だが、いったん抜け出したジェンティルドンナは最後まで相手に抜かせることはなかった。
写真判定に持ち込まれ、審議にもなったが、岩田は勝利を疑わずガッツポーズを掲げ、ファンの前にウイニングランで帰ってきた。年上の古馬相手に立ち向かう、無謀な挑戦でも何でもない堂々の勝利。しかも、国内で、いや、世界でさえ最強と信じられていた年上の3冠馬を競り負かしての価値ある戴冠だった。
レースはビートブラックが逃げ、2番手をトーセンジョーダンが追走。ジェンティルドンナは3番手につけた。ライバルのオルフェーヴルは、後方待機から4コーナーで一気に押し上げて3番手の外まで上がってくる。そして直線へ。逃げたビートブラックを目標にオルフェーヴルが襲いかかると、内でじっと我慢していた岩田とジェンティルドンナのコンビが、ひと呼吸置いてから追い出す。激しく馬体を接触させるシーンもあったが、3冠馬同士のマッチレースがゴールまで続いた。わずかに先に出たのは内のジェンティル。そして、最後まで抜かせず、ハナ差退けたところがゴールだった。3着には出遅れながらも追い上げたルーラーシップが入っている。
レースはジェンティルドンナの進路の取り方と、レッドカドーのG・モッセ騎手からの異議申し立てによって審議が行われ、到達順位の通り確定したが、ジェンティルドンナの岩田康誠騎手は最後の直線で外に斜行した進路の取り方が強引なものであったため、12月1、2日の2日間騎乗停止という制裁が決まった。このため、ジャパンCダート(12月2日、阪神、GI、ダート1800メートル)の有力馬ローマンレジェンドには騎乗できない。
ジェンティルドンナは、父ディープインパクト、母ドナブリーニ、母の父Bertoliniという血統。通算成績は9戦7勝。重賞はGIIIシンザン記念、GI桜花賞、GI優駿牝馬(オークス)、GIIローズS、GI秋華賞に次いで6勝目。石坂正調教師はジャパンC初優勝、岩田康誠騎手は07年アドマイヤムーン、11年ブエナビスタに次いで3勝目。ジェンティルドンナは今回の優勝で、ブエナビスタが持つ牝馬のJRA年間最多獲得賞金記録も更新した。
◆岩田康誠騎手「逃げ馬をかわす時に微妙な進路をついてしまい接触して申し訳ないことをしました。あれさえなければ完璧だったので悔いが残るレースになってしまいました。レースは53キロを生かすこと、昨日きょうのレースや馬場状態を見て、インを取りたい一心で臨みました。1コーナー、2コーナー、3コーナーとも完璧な位置取りだったし、普通にすべてを出し尽くした結果、オルフェーヴルに勝てたということだと思います。オルフェーヴルという化け物の存在はなしにしたレースをしようと考えて、それで負けたら仕方ないと思っていました。初めて彼女の本気を見せてもらった気がします。本当に心の中にすごいファイトを持った女の子です。今はお疲れさまです、と言いたいです」
◆石坂正調教師「ジェンティルドンナならこの強い相手でも通用するという確信めいたものがあり挑戦を決めた。並べば抜かせないのがこの馬の一番の長所なので大丈夫だと思った。ジャパンカップを勝てて、海外挑戦への思いを強くした」
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