規格

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石坂師「規格外証明できた」ジェンティルドンナ、年度代表馬も視野に…ジャパンＣ

　◆第３２回ジャパンＣ・Ｇ１（２５日、東京競馬場、芝２４００メートル、良）　今年の３冠牝馬ジェンティルドンナと、昨年の３冠馬オルフェーヴルが、直線のラスト２００メートル地点から歴史に残る激しい叩き合いを展開。最後は鼻差でジェンティルドンナが勝利を手にし、３歳牝馬として初めてのＪＣ制覇を果たした。なお、騎乗した岩田は、最後の直線で外に斜行し、オルフェーヴルと接触したため、開催日２日間の騎乗停止処分を受けた。

　周囲のざわめきが次第に大きくなるなか、石坂調教師の表情が緩んだ。長い、長い審議のあと、確定したジェンティルドンナの勝利。レース終了から２０分が経過していた。「激しい競馬の結果で、私としては大丈夫だと思っていた」。史上初の３歳牝馬による勝利。オルフェーヴルとの牡牝３冠対決を制し、笑顔がはじけた。

　１１万７０００人を超える観衆の視線が、くぎ付けとなった、壮絶なオルフェとの叩き合い。歴戦の最強馬と何度も馬体が接触してもひるまない。３歳牝馬らしからぬ根性で、ひたすらゴールを目指した。「並んだら絶対に抜かせない、一番いいところを見せてくれた。あの馬の強さ、素晴らしさを再認識した。規格外であることを証明できた」とトレーナーは最大限の賛辞を送った。

　エリザベス女王杯を見送り、あえて強豪牡馬相手へ挑戦する道を選んだ。牝馬３冠を達成した秋華賞は鼻差の勝利だったが、「能力は通用すると、確信めいたものがあった」とレース後に心は決まっていた。歴史を動かし、年度代表馬の座も現実味を帯びる。「この相手を負かしたんだからね。今まで携わった中で、ワンランク、ツーランク上の馬だと思う」

　世界最高峰の凱旋門賞で２着に入った“王者”を下し、夢は膨らむ。「世界に出なければならないという気持ちが、きょう一層強くなった」。

　年内は休養に充て、まずは来春のドバイ・シーマクラシック（３月３０日、メイダン競馬場・芝２４００メートル）をターゲットに定めた。そして、視線は凱旋門賞にも向く。「日本のホースマンの憧れのレース。挑戦は、十分あり得る。まだまだ若いし、もっと成長する余地がある」。底知れぬ能力を秘めた牝馬は、“世界の女王”を目指し、挑戦を続けていく。