今日行われたローズSを早速振り返ろう。

それにしてもジェンティルドンナは強かったね。ただ、調教では重く見えたのに、今日のパドックでは逆に細く見えたくらい。プラス12キロっていう数字とは裏腹に、体が仕上がり過ぎているように見えたんだ。今週の追い切りで一気に気合が乗ってしまったんだろう。それでいて勝つんだから、もう“強い”としか言いようがないよ。

競馬はというと、前半多少ハミを噛んではいたけど許容範囲。我慢は利いていた方じゃないかな。ペースもそれほど速くなく、落ち着いた流れをスムーズに先行していたから、この馬とすれば最高の展開だったと思う。ただ、直線で先頭に立ってからの走りがぎこちなかった。内ラチにくっつけてからは良かったんだけどね。…と、細かいところを指摘したけど、それでも今回の競馬は、ヴィルシーナ以下に能力の違いをまざまざと見せつけたと言っていいだろう。恐らくどうやって乗ってもこの馬には敵わなかったはず。さっきも書いたように、もう十分仕上がり切っているような体つきだったから、本番に向けていかにキープできるかどうかだけだと思うよ。

ヴィルシーナのウチパク(内田博騎手)はジェンティルドンナを徹底的にマークしていた。折り合いも付いたし、ジェンティルに離されまいと一緒になって動いて行って、終いもよく粘っていたからね。この馬とすれば最高の競馬ができたと思う。それでいて突き放されてしまったあたりは力の差。それでも早め早めに動いて勝負に行って、最後までバテなかったのは褒めてあげていいんじゃないかな。プラス18キロはちょっと太いように見えたから、一度使った上積みはジェンティルドンナよりもあると思うよ。

ラスヴェンチュラスは上位の2頭の後ろで我慢していた分、終いは良く伸びていたね。逆にあの2頭と一緒になって動いていたら最後は止まっていたはずだから、一発を狙うとすればあの乗り方しかない。川田はうまい競馬をしたと思うよ。ただでさえ体のない馬が10キロ減らしていたけど、まだ向こう(栗東)の環境に馴染めていないんだろう。それでも慣れてくれば問題ないはずだし、それほど気にする必要はないんじゃないかな。

キャトルフィーユは先行して自分の競馬はできていたんだけど、上位の2頭に早めに来られていたから、展開的には苦しかった。それでも最後まで粘っていたし、この馬の力は出し切れたと思うよ。

トーセンベニザクラはゲートの出が悪かったし、テンにハミをくわえていたからね。それでも道中はジッと我慢して終い勝負の競馬をさせたんだけど、直線はチョロチョロ伸びた程度。物足りないね。

サトノジョリーはテンからハミをくわえ込んで、折り合いが全く付かなかったからね。芝ダート以前の問題だと思う。それでもスピードのあるところを見せていたから、短いところだったら変わってくるんじゃないかな。