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20センチ差の激戦 3歳牝馬、ジャパンカップ初制覇
20センチ差の激戦 3歳牝馬、ジャパンカップ初制覇
- 2012/11/25 23:37
同じ勝負服の2頭が、残り約200メートル地点からびっしり競り合った。昨年の三冠馬オルフェーヴルと今年の三冠牝馬ジェンティルドンナ。勝つときは常に楽勝だった国内最強馬が、死力を尽くして迫る。だが、競った場面から前にいた三冠牝馬が抜かせず、ゴールに躍り込んだ。秋華賞の約7センチ差に続き、今度は約20センチ差。3歳牝馬初のジャパンカップ制覇である。
戻ってきた岩田は勝者の表情ではなかった。2頭が抜け出す際に、激しく馬体が接触。オルフェーヴルがバランスを崩した。「危険な騎乗」を理由に2日間の騎乗停止処分も下った。「後味の悪いレースになって申し訳ない」と神妙だった。
接触の不利に加え、敗者は仏遠征帰りで完調一歩手前。4キロの斤量差もあり、「越えた」とまではいえないが、少なくとも、「怪物」(岩田)オルフェーヴルと並ぶ位置に立ったのは確かだ。
「競って抜かせない」(石坂正調教師)根性に加え、今秋はレース運びも上達した。不利な15番枠から抜群のスタートで3番手に収まり、緩めの流れに乗った。気性難から、前半は馬群の後方で折り合いに専念するしかない相手とは対照的で、この違いが歴史を塗り替える原動力となった。
秋華賞後、海外遠征を打ち出した石坂調教師は「馬の体調を見極めてから」と、来年の目標は明かさなかった。だが、ウオッカ、ブエナビスタと続いた系譜を継ぐ立場になった新女王に、海外でのビッグタイトルの期待がかかる。(野元賢一)
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