2012年5月21日月曜日

強すぎ

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/other/horse/headlines/20120520-00000023-spnavi-horse.html

ジェンティル強すぎ! 5馬身差レコードVで二冠=オークス

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ジェンティルドンナが5馬身差レコードVで圧勝、桜花賞&オークスの二冠を達成【写真:中原義史】
 3歳牝馬クラシックの第二冠目、第73回GIオークスが20日、東京競馬場2400メートル芝を舞台に争われ、3番人気だった川田将雅騎乗の桜花賞馬ジェンティルドンナ(牝3=栗東・石坂厩舎、父ディープインパクト)が優勝。2着馬に5馬身差をつける圧勝で、史上13頭目となる牝馬クラシック二冠を達成した。さらに良馬場の勝ちタイム2分23秒6は、2007年ローブデコルテの2分25秒3を1秒7も更新するレースレコード。

 今回の勝利でジェンティルドンナはJRA通算6戦4勝。重賞はGI桜花賞、GIIIシンザン記念に続く3勝目。騎乗した川田は同レース初勝利でJRA・GIは通算3勝目、同馬を管理する石坂正調教師もオークス初勝利となった。

 一方、5馬身差の2着には内田博幸騎乗の2番人気ヴィルシーナ(牝3=栗東・友道厩舎)が入り、桜花賞に続いての銀メダル。さらに3/4馬身差の3着には松岡正海騎乗の9番人気アイスフォーリス(牝3=美浦・相沢厩舎)が入線した。
 なお、1番人気に支持されていた蛯名正義騎乗のミッドサマーフェア(牝3=美浦・小島太厩舎)は直線伸びず、13着に大敗した。

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 力が違いすぎた。終わってみれば、桜花賞馬の独り舞台だった。
「ホッとしています。ゴール前ではもう勝ったと思ったんですが、責任を果たせて良かった。本当に強い馬ですね」
“代打騎乗”の大役を満点解答で応えた川田が笑顔を見せた。主戦の岩田が騎乗停止になったことにより、思いがけず巡ってきたビッグチャンス。
「一番最初に話を聞いたときは“ウソだ”と思いました(笑)。でも、自分を選んでもらって、本当にうれしかったです」
 1週前追い切りに騎乗してその能力を直に確かめると、岩田からはジェンティルドンナの特徴やアドバイスを事細かにもらった。
「岩田さんからはこの馬のことを全部教えてもらって、そのアドバイスが今日のレースに生きましたね」

 そして迎えた大一番。「プレッシャーは大いにあったんですが、思ったほど緊張はしなかった」と振り返ったように、川田は冷静だった。スタート直後、すぐ内に別路線のトライアルから豪快に勝ち上がってきた1番人気の新星ミッドサマーフェアを確認すると、スッとその直後へつけてがっちりとマーク。
「ゲートを出てすぐ、ヴィルシーナとミッドサマーフェアの位置を見ながら進めました。レース前から強いのはこの2頭だなと思っていたので」
 ライバルを直前に見ながら、一番の課題だった折り合いもピタリとつく理想どおりの競馬。パドックではうるささを見せており、「落とされないかな?ってドキドキでした」というくらいだったが、レースに入れば別馬のように一変するのがジェンティルドンナの強みでもある。
「すごくリズムよくリラックスして走ってくれて、安心しました。あとは仕掛けどころだけでしたね。ミッドサマーフェアが動いていくのを見ながら、自分は後ろについていっただけです」
 最後の直線、モタつくミッドサマーフェアを横目に、川田&ジェンティルドンナは大外から1頭だけ桁違いの伸び。「早く抜け出し過ぎた」と鞍上の想像も遥かに超える切れ味でアッと言う間に先頭に立つと、直線半ばではもう勝負はついていた。その差は破格の5馬身――。
「競馬に行ってすごく乗りやすいし、こんなにいい脚が使える。本当に強いです。この馬のいいところは、乗りやすさと、切れ味ですね。ぜひ三冠へ、このまま無事に行ってほしい。まあ、僕は代打なので、もし秋華賞で他の馬に乗っていれば全力で負かしにいきたいですが、もし乗っていなければ全力で応援したいです」

 1986年メジロラモーヌ、2003年スティルインラブ、2010年アパパネに続く史上4頭目の牝馬三冠へ、早くも当確ランプがともったとも言えるオークスでの圧巻パフォーマンス。見届けた石坂調教師も「桜花賞以上の競馬をしてくれましたね。私自身もきょうの圧勝は驚いています」と大満足だ。そして、距離延長を不安視されたことなどから3番人気に甘んじていた同馬だったが、トレーナーは今回の完勝劇でこう断じてみせた。
「3歳のまだ若い牝馬の中、現時点でジェンティルドンナの力が抜けていたということでしょう」
 今後は放牧に入って夏休みをとった後、「常識的にはトライアルから」と石坂師。桜、樫の舞台と華麗に舞った貴婦人ジェンティルドンナの第3幕が今から待ち遠しい。父ディープインパクトに続く父娘2代の“三冠”へ、秋もこのままヒロインの座を独占だ。

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