2012年5月22日火曜日

大舞台

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【坂井千明】この大舞台でもじっくり乗れた

【坂井千明】この大舞台でもじっくり乗れた
ジェンティルドンナの川田はテン乗りだったけど、この大舞台であれだけじっくり乗れれば大したもの。 写真一覧(2件)
オークスは1頭無理矢理ハナに行ったことで、流れが平均的に速くなった。ただ、そのことで折り合いのついていない馬がいなくて、どの馬も自分の力は発揮した競馬だったと思う。

 ジェンティルドンナはそのペースの中、後方でじっくり。スタートも良く、最初から折り合いに専念するような乗り方だった。その折り合いもぴったりだったし、最高の競馬ができたと思う。川田もテン乗りながら、この大舞台であれだけじっくり乗れれば大したもの。直線は余裕を持って外に出し、結果的にはワンテンポ早かったとも思えるくらいの抜け出し方だった。今回はこの馬にとって自分の競馬ができたことが一番だったと思うし、初めての長距離輸送を克服できたのが良かった。力のあることはすでに桜花賞で証明しているからね。輸送してもプラス体重だったし、なおかつ追い切りもしっかりできていた。パドックではカリカリしていたけど、馬場に入ってからは良かったし、これぐらいの落ち着きでレースができれば、秋も楽しみになる。

 ヴィルシーナはテンの速い中、先行。長くいい脚を使う馬だけに勝負にいく競馬をしていた。前半である程度速いペースになったのを見て、やや下げ気味で運んだ判断も良かった。3、4コーナーでは嫌がって気の悪いところ見せたのに、2着まで来るんだから、能力は見せた、あの感じなら着もなくなる雰囲気だったからね。ここまでのキャリアでこれだけ揉まれる競馬が初めてだったのが嫌だったのかもしれない。ただ、今回それを克服したし、秋にはまた良くなってくると思う。

 アイスフォーリスはインでジッと我慢。中団より前で、前半にハミを噛むところもあったけど、ペースが速かったことですぐに折り合えていた。折り合えたことで道中のロスがなかったね。欲を言えば、直線に入ったところで早めに内へ行く判断をしていれば良かったんじゃないか。あそこで内か外か迷ったようなところがあったし、早めにスムーズに内へ行っていたら、2着はあったかもしれない。ただ、この馬は競馬が上手いし、スタートセンスもいい。長い距離もいいし、持ち味を存分に活かしたと思う。大崩れはないが、勝つためにはやはりもっと決め手が欲しいかな。

 アイムユアーズは終始、早め早めで勝ちに行く競馬だったのは良かった。こういうレースができたことで、単なる短距離の馬ではないことを示したと思う。このペースをついていって粘ったんだから大したものだよ。この馬は器用な競馬ができるね。短いところでも一瞬の脚を使ったり、長いところでも我慢の利く競馬ができる。引っ掛かるようなところもないし、自在の競馬ができるよね。だから距離も克服できるんだろう。ウィリアムズが強気に乗ったこともあるけど、勝ちに行く競馬ができるということが一番いいことだね。

 サンキューアスクはずっとインでロスなく脚をためていた。インが開いたところをスムーズに入っていけたし、不利なはずの外枠も克服した。人気はなかったけど、この着に来たんだから評価していいんじゃないかな。

 ミッドサマーフェアは引っ掛かるようなところがなかったのに、何かおかしかったね。1回チョロっと伸びてはいたけど、そこからが伸びず。もしかすると微妙に距離が長かったのかもしれない。パドックもそんなに悪くはなかったからね。あとは精神面で何かあったのかだろう。この馬はハナズゴールとも走りが似ているんだけど、上っ面の軽い走りをするタイプ。スピードとしてはいいものの、一歩一歩を踏みしめてグッとくるような感じはない。力強さが加わってくれば、秋にはいい競馬ができるんじゃないかな。
(坂井千明)

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