５馬身差

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ジェンティルドンナ圧巻！５馬身差で２冠…オークス

最後の直線で豪快に伸びたジェンティルドンナ（中央）。史上１３頭目の牝馬クラシック２冠に輝いた

　ジェンティルドンナが２冠達成―。第７３回オークス・Ｇ１（２０日、東京・芝２４００メートル）は、桜花賞馬のジェンティルドンナ（川田）が後方から目の覚めるような伸び脚で１４頭をごぼう抜き。２分２３秒６のレースレコードで、史上１３頭目となる牝馬クラシック２冠に輝いた。２着は５馬身差でヴィルシーナが入り、桜花賞と同じ決着となった。１番人気に推されたミッドサマーフェアは、１３着に敗れた。

　格の違いを見せつけた。直線で外に持ち出したジェンティルドンナは、鞍上のＧＯサインで一気に加速。あっと言う間に他馬を飲み込むと、あとは突き放す一方だった。２分２３秒６のレースレコードで、同レースでは３２年ぶりとなる５馬身差の圧勝劇。３番人気だった“低評価”をあざ笑うかのように、桜花賞馬の強さを存分に示した。

　騎乗停止だった岩田の代役で見事、大仕事を成し遂げた川田。「もっと緊張するかと思っていたけど、割と楽しめました」と振り返ったように、冷静な騎乗が光った。スタート後は、すぐにヴィルシーナとミッドサマーフェアの位置取りを確認。「この２頭だけを意識していました。すごくリズム良く走ってくれて、あとは仕掛けどころだけでした」。事前に岩田から細かいところまで助言をもらっていたことで、自信を持ってレースに臨めていた。

　先週は姉のドナウブルーがヴィクトリアマイルで２着と頑張り、今週は妹が２冠を達成。「能力を信頼していたので、ジョッキーが替わっても折り合って回ってくれば勝てると思っていました」と石坂調教師は胸を張った。

　比較的大人しい姉に対し、ジェンティルは「ヤンチャな次女」とトレーナー。この日も初めての東京競馬場で、パドックではテンションがいつもより高かった。それでも返し馬、輪乗り、ゲートとスタートが近づくにつれ、落ち着いていった。競走能力だけではなく、オンとオフの切り替えができる賢さが、２冠馬の強さの秘密だ。

　「責任を果たせて、本当にホッとしました。あとは岩田さんに３冠を取ってほしい。もし秋華賞で僕が他の馬に乗っていたら、全力で負かしに行きますけど、乗っていなかったら全力で応援します」。完ぺきなエスコートで２冠に導いた川田は、笑顔で先輩にバトンを返した。

　今後は休養を挟んで、秋は前哨戦を使ったあと、秋華賞（１０月１４日、京都）に臨むローテーションが有力だ。史上１３頭目のクラシック２冠牝馬が、１０年のアパパネ以来となる、史上４頭目の牝馬３冠へ突き進む。

　［優勝馬メモ］
  ◆性齢　牝３歳の鹿毛。
  ◆血統　父ディープインパクト、母ドナブリーニ（父ベルトリーニ）。ディープインパクト産駒のオークス制覇は初。Ｇ１は、桜花賞（ジェンティルドンナ）に続いて通算５勝目。
  ◆戦績・６戦４勝　重賞は、シンザン記念、桜花賞に続いて３勝目。
  ◆総収得賞金　優勝賞金９７００万円を加えて２億９２３７万６０００円。
  ◆桜花賞の再現　１着ジェンティルドンナ、２着ヴィルシーナは桜花賞と同じ決着。桜花賞とオークスが同じ２頭で１、２着となったのは０９年（１着ブエナビスタ、２着レッドディザイア）以来３年ぶり。
  ◆マイルまでしか経験がない馬の制覇　過去１０年で、０３年のスティルインラブと０４年のダイワエルシエーロのみ。
  ◆同一種牡馬産駒の決着　０３年のサンデーサイレンス産駒（スティルインラブ、チューニー）以来９年ぶり５回目。同一年で桜花賞に続くワンツーとなると史上初。
  ◆川田将雅騎手（２６）　２度目の挑戦で初制覇。０８年の皐月賞（キャプテントゥーレ）、１０年の菊花賞（ビッグウィーク）に続くＧ１・３勝目。異なる騎手での２冠達成は、５２年のスウヰイスー（桜花賞・保田隆芳→オークス・八木沢勝美）以来２例目。
  ◆石坂正調教師（６１）　オークスは初挑戦で初制覇。Ｇ１は桜花賞に続いて８勝目。１９日に東海Ｓ（ソリタリーキング）を制しており、２日連続で重賞制覇となった。
  ◆生産者　北海道安平町のノーザンファーム。
  ◆馬主　（有）サンデーレーシング。