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【オークス】ジェンティル2冠確信追い(1/2ページ)
牝馬クラシック2冠制覇を、グッとその手に引き寄せた。オークス(20日、東京競馬場、GI、芝2400メートル)の追い切りが16日、滋賀県・栗東トレーニングセンターで行われ、桜花賞馬ジェンティルドンナ(栗東・石坂正厩舎、牝3歳)が、坂路でラスト1ハロン12秒3と極上の伸びを披露。本紙調教採点の最高評価「S」を、ただ1頭獲得だ。桜の女王が万全の態勢を整えて、2冠奪取に向かう。オークスは17日に枠順確定。なお、金曜発売は実施されない。
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父ディープインパクト譲りの“飛ぶ”末脚で、急坂を一気に駆け上がった。桜花賞馬のジェンティルドンナが、ウッドチップを豪快に蹴り上げて絶好調をアピール。牝馬2冠達成の確かな手応えをつかむ走りを披露した。
「すごく順調。先週、しっかりと併せ馬をやっているので、(指示は)弱くなり過ぎず、強くなり過ぎず。その通りのいい調教ができた」。最終追い切りを見届けた石坂正調教師(61)が、満足そうにうなずく。前日に雨が降ったが「それほど馬場状態が悪くなかったので、思ったような走りをしてくれたね」。理想通りの総仕上げを施して、思わず笑みを浮かべた。
栗東トレーニングセンターの坂路で、荻野要騎手(レースは川田騎手)が騎乗。前半はゆっくりと進み、力強いフットワークで少しずつ加速する。ラスト1ハロンで鞍上が軽くゴーサインを出すと、それに反応して一気にペースアップ。ラスト1ハロンは12秒3と抜群の切れ味を発揮した。後方から突き抜けた桜花賞で見せた瞬発力に、さらに磨きがかかった印象だ。
今回は桜花賞で騎乗した岩田康誠騎手が騎乗停止期間中のため、全国リーディング4位(41勝、16日現在)の川田将雅(ゆうが)騎手(26)=栗東・フリー=が初めて手綱を取る。9日の1週前追い切りで騎乗して坂路で4ハロン51秒4をマークし、「さすが桜花賞馬。本当にいい動きだった。いい結果を出せるようにがんばりたい」とすでに能力の高さは確認済みだ。桜花賞と異なる騎手での牝馬2冠制覇は、1952年のスウヰイスー(桜花賞・保田隆芳、オークス・八木沢勝美)のみ。「桜花賞馬に乗る重圧も楽しみたい」と川田はプレッシャーも力に変えて、60年ぶりの偉業達成に挑む。
過去5走は全て芝1600メートル。今回は800メートルの距離延長が課題も「気性が大人だし、距離が延びても折り合って競馬ができると思う」と石坂師は自信満々だ。初の長距離輸送にも「こなしてくれると思う」とキッパリ。最終調整を文句なしの形でクリアして、トーンは高まるばかりだ。
同じディープを父に持つ姉のドナウブルーは、先週のヴィクトリアマイルで7番人気ながら2着に健闘。今度は妹が女王の貫禄を示す番だ。「一番勝ちたかった桜花賞を勝てたし、今度もサラッと走って、いい競馬ができればいい」。石坂師のリラックスムードが、揺るぎのない自信を漂わせる。史上13頭目となる牝馬2冠達成へ。準備は今、しっかりと整った。 (板津雄志)
(紙面から)
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