2012年5月22日火曜日

代打

http://www.s-shimizu.jp/pc/muryou03.html?id2=5986&PHPSESSID=191b268523ee56a57946665a92b22cf9
代打川田、5馬身差の場外ホーマー

 オークスは想像をはるかに超える強さで桜花賞馬ジェンティルドンナが弾けた。3強対決も終わってみれば1強。2着ヴィルシーナに5馬身差をつける圧勝劇であった。これでグレード制導入以降、86年メジロラモ―ヌ→87年マックスビューティ→93年ベガ→03年スティルインラヴ→09年ブエナビスタ→10年アパパネに続く7頭目の2冠馬が誕生した。

 ジェンティルドンナの勝ちタイムは2分23秒6のオークス・レコード。07年ローブデコルテの記録を1.7秒更新した。6F通過でマイルの桜花より0.4秒速い流れ、目一杯刈り込んだガラスのような高速馬場を思えば、この記録も特に驚けない。むしろ今週のダービーの時計が気になる。仮に牡馬であれば2分22秒台のダービー・レコードが飛び出した計算。このままであれば馬場適性の差が大一番の明暗を分けるはず。同時に狙いもぐっと絞り込めそう。

 ジェンティルドンナの勝因は馬の強さもさることながら、代打川田の好騎乗がもっとも光った。降って湧いた大チャンスを一発で仕留めた。確かな技術とメンタル面の強さがなければ簡単にできることじゃない。

 結果的に4角15番手は理想のポジション。テン乗りの川田が、行かせようと思えば行ける馬を、よくここまで冷静に抑え込めたもの。おそらく行ってしまえば弾けなかった。若い、若いと思っていたが早や26歳、確かな戦略と落ち着いた手綱捌きは、すでに脂の乗り切ったトップジョッキーの域。思えば無我夢中で勝たせたビッグウィーク(10年菊花賞)からわずか1年半。今度は人気を背負ってクラシックを勝ち切った。それがどれくらい難しく、大きな糧になることか。どうやらジョッキーの世界も次の時代を迎えたよう。

 2着ヴィルシーナの敗因は単に能力差ばかりとはいえない。第一に馬場適性の差であり、これまでにタイトな流れを経験してこなかったことも響いた。桜花賞(2着)でもそこが懸念された。が、桜にしては緩い流れ、そこらの懸念を簡単に払拭してしまったのが逆に良くなかったような気がする。もちろん、初めて経験するタイトな流れの中、思ったポジションを取れず2着に頑張ったのだから強い。惜しむらくはあまりの高速決着が痛かった。

 インから脚を伸ばしたアイスフォーリスが、アイムユアーズをハナ差セリ落として3着。3連単は同じ的中ならコチラの方がずっとよかった。ただ、3・4着馬は上位2頭と明確な力差がある分ここまでが精一杯。が、両馬ともよく走っている。ことに前肢を投げだす走法のアイスフォーリスは、昨日の軽い高速馬場にピッタリ。夏の新潟が楽しみ。また、アイムユアーズも前に厳しい展開と距離を考えれば立派な4着であった。

 反対にミッドサマーフェアは揉まれ弱さを露呈した。単に時計が速かったからではなく経験の差だろう。経験とは数ではない。どれだけ厳しい局面を乗り切ってきたかどうかである。

0 件のコメント: