2012年10月13日土曜日

限の

http://www.tokyo-sports.co.jp/race/47373/

【牝馬3冠目前 無限の豪脚ジェンティルドンナ(3)】

 ジェンティルドンナは全姉ドナウブルー(土曜東京・府中牝馬S出走)より精神的成熟度が高いと言われるが、それでも難しい気性を内封した母系だけに、ふとした拍子で平常心を乱す面を持ち合わせている。

 今春の栗東トレセン。

 桜花賞を勝って注目が集まりだすと、それに伴って報道陣も増える。当然、カメラマンもこの馬を狙うことが多くなる。大きなレンズをぶら下げたカメラマンの列、そしてシャッター音に驚き、テンションを上げることが度々あった。

 そのせいか、馬の平穏を維持するため時に敷地内には入らないでくれという厩舎サイドからの依頼もあったとか。オークスでもパドックでジョッキーがまたがってからテンションが上がり、ゲート裏で暴れる事件もあった。

 それが、この秋はどうだ。「厩舎周りの運動の時でも春は我々カメラから遠ざかるように、他馬の陰に隠れる形で歩いていたことが多かったが、この秋は堂々と真ん中を歩くことが多い。春とは違って馬が明らかに落ち着いて、どっしりしている」。こう語るのは大阪スポーツのカメラマンだ。馬体のつくり、見栄え、雰囲気…カメラマン特有の鋭い視線で半年間のジェンティルドンナの変身を感じ取っている。

「オークスを含めて、春はレンズ越しに一度もよく映ったことがなかった。それがローズSでは、毛ヅヤ、馬体の張り…初めて馬がよく見えた」(北川カメラマン)

 桜花賞(4月8日)を勝った後でもまだ冬毛が残っていたという2冠馬。春はまだ全能力を発揮できる状態ではなかった? 心身ともに明らかな成長を見せるこの馬に、やはり死角はない。


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