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ジェンティルドンナ三冠も序章、夢は“世界”へ＝秋華賞
ジェンティルドンナが秋華賞を制し三冠達成、夢は世界へと続く【スポーツナビ】
３歳牝馬三冠レースの最後を締めくくる第１７回ＧI秋華賞が１４日、京都競馬場２０００メートル芝で開催され、単勝１．３倍の断然１番人気に支持された岩田康誠騎乗の二冠馬ジェンティルドンナ（牝３＝栗東・石坂厩舎、父ディープインパクト）が優勝。直線大外から一気に伸びてくると、すぐ内で粘るヴィルシーナをハナ差競り落とし、見事史上４頭目となる牝馬三冠制覇の快挙を達成した。良馬場の勝ちタイムは２分００秒４。
ジェンティルドンナは今回の勝利でＪＲＡ通算８戦６勝。重賞勝利はＧIIIシンザン記念、ＧI桜花賞、ＧIオークス、ＧIIローズステークスに続き５勝目。騎乗した岩田は０８年ブラックエンブレム、昨年のアヴェンチュラに続く同レース３勝目。ジェンティルドンナを管理する石坂正調教師は秋華賞初勝利となった。
一方、ハナ差で敗れた内田博幸騎乗の２番人気ヴィルシーナ（牝３＝栗東・友道厩舎）は、桜花賞・オークスに続き三冠レースすべてで２着という悔しい結果に。また、さらに１馬身１／２差の３着には佐藤哲三騎乗の６番人気アロマティコ（牝３＝栗東・佐々木晶厩舎）が入った。
× × × × ×
三冠馬になるべくして生まれてきた馬、三冠にふさわしい馬――岩田、石坂調教師がそう振り返るほどに、絶対能力値が違っていた。着差は「ハナ」。いったんは外から鋭く差しこみ、完全に頭１つ抜け出したと思われたが、ここからヴィルシーナが驚異の二枚腰を発揮。岩田も「差し返された」と思ったほどだったが、ジェンティルドンナは先着を許さなかった。
このわずかな着差は、もちろんヴィルシーナの粘りが素晴らしいのだが、抜け出してから遊んでいた、と岩田。また、前半１０００メートルの通過が１分２秒２というＧIとしては遅すぎるペースの中を、「まだまだ全能力を発揮しきれていない状態」で大外から差し切るのだから恐れ入る。馬場入場の際の“落馬”も含めて、ハラハラ・ヒヤヒヤさせる場面を何度か作りながらも、最後は勝ってしまうのだから、そこが“三冠馬になるべくして生まれてきた馬”たる所以、そして能力の違いなのだろう。
いったいどこまで強くなる可能性を秘めているのだろうか？ まずは岩田が語った。
「馬場入場のことですが、馬が大観衆に見とれて止まってしまい、落ちてしまいました。御しきれなかった自分が恥ずかしいですが、このようにまだまだ子供。全部の能力を出し切っていません」
石坂調教師も「牝馬ということもあり、目一杯の調教はやっていない。馬もまだ若いですから、もっと走れる余地は十分にありますね」と、さらなる成長を確信している。
となれば、牡馬との戦いにも期待が持てそうだが、現時点で陣営には２つのレースプランがあるという。有限会社サンデーレーシングの吉田俊介代表が次のように明かした。
「今後は馬の様子を見てからになるので、まだ決定ではありませんが、次走はエリザベス女王杯か、ジャパンカップのどちらかになると思います」
さらに、これだけにはとどまらない。石坂調教師の胸の内には将来的に“世界”へと打って出る考えもあるようだ。
「必ず近いうちに男馬と競馬するのは間違いありません。そして、世界に行かなければならない馬だと思っています」
ジェンティルドンナの夢はどこまでも広がる。落馬の影響で負傷した右足首の痛みも忘れるくらいの熱い口調で、岩田が語った。
「エリザベス女王杯でもジャパンカップでもチャンスがある馬、通用する馬だと思う。海外に関しても、オルフェーヴルのレースを見て、自分もいつか挑戦したいと思いましたし、オルフェーヴルは負けてしまいましたが、夢は来年に向けて……とも思いました。やっぱり日本馬で、日本人ジョッキーでビッグレースを勝てればと思います。この馬の気持ちがもっと女の子から女性になって、もっとドシッとしてくれば、世界に通用する名牝になると思いますね。ずっとジェンティルドンナの背中を味わっていたいです」
三冠すらも序章に過ぎない。それほどまでの大きな期待と夢を抱かせてくれる牝馬が、秋の淀に誕生した。
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[ スポーツナビ 2012年10月14日 18:31 ]
ジェンティルドンナは今回の勝利でＪＲＡ通算８戦６勝。重賞勝利はＧIIIシンザン記念、ＧI桜花賞、ＧIオークス、ＧIIローズステークスに続き５勝目。騎乗した岩田は０８年ブラックエンブレム、昨年のアヴェンチュラに続く同レース３勝目。ジェンティルドンナを管理する石坂正調教師は秋華賞初勝利となった。
一方、ハナ差で敗れた内田博幸騎乗の２番人気ヴィルシーナ（牝３＝栗東・友道厩舎）は、桜花賞・オークスに続き三冠レースすべてで２着という悔しい結果に。また、さらに１馬身１／２差の３着には佐藤哲三騎乗の６番人気アロマティコ（牝３＝栗東・佐々木晶厩舎）が入った。
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三冠馬になるべくして生まれてきた馬、三冠にふさわしい馬――岩田、石坂調教師がそう振り返るほどに、絶対能力値が違っていた。着差は「ハナ」。いったんは外から鋭く差しこみ、完全に頭１つ抜け出したと思われたが、ここからヴィルシーナが驚異の二枚腰を発揮。岩田も「差し返された」と思ったほどだったが、ジェンティルドンナは先着を許さなかった。
このわずかな着差は、もちろんヴィルシーナの粘りが素晴らしいのだが、抜け出してから遊んでいた、と岩田。また、前半１０００メートルの通過が１分２秒２というＧIとしては遅すぎるペースの中を、「まだまだ全能力を発揮しきれていない状態」で大外から差し切るのだから恐れ入る。馬場入場の際の“落馬”も含めて、ハラハラ・ヒヤヒヤさせる場面を何度か作りながらも、最後は勝ってしまうのだから、そこが“三冠馬になるべくして生まれてきた馬”たる所以、そして能力の違いなのだろう。
いったいどこまで強くなる可能性を秘めているのだろうか？ まずは岩田が語った。
「馬場入場のことですが、馬が大観衆に見とれて止まってしまい、落ちてしまいました。御しきれなかった自分が恥ずかしいですが、このようにまだまだ子供。全部の能力を出し切っていません」
石坂調教師も「牝馬ということもあり、目一杯の調教はやっていない。馬もまだ若いですから、もっと走れる余地は十分にありますね」と、さらなる成長を確信している。
となれば、牡馬との戦いにも期待が持てそうだが、現時点で陣営には２つのレースプランがあるという。有限会社サンデーレーシングの吉田俊介代表が次のように明かした。
「今後は馬の様子を見てからになるので、まだ決定ではありませんが、次走はエリザベス女王杯か、ジャパンカップのどちらかになると思います」
さらに、これだけにはとどまらない。石坂調教師の胸の内には将来的に“世界”へと打って出る考えもあるようだ。
「必ず近いうちに男馬と競馬するのは間違いありません。そして、世界に行かなければならない馬だと思っています」
ジェンティルドンナの夢はどこまでも広がる。落馬の影響で負傷した右足首の痛みも忘れるくらいの熱い口調で、岩田が語った。
「エリザベス女王杯でもジャパンカップでもチャンスがある馬、通用する馬だと思う。海外に関しても、オルフェーヴルのレースを見て、自分もいつか挑戦したいと思いましたし、オルフェーヴルは負けてしまいましたが、夢は来年に向けて……とも思いました。やっぱり日本馬で、日本人ジョッキーでビッグレースを勝てればと思います。この馬の気持ちがもっと女の子から女性になって、もっとドシッとしてくれば、世界に通用する名牝になると思いますね。ずっとジェンティルドンナの背中を味わっていたいです」
三冠すらも序章に過ぎない。それほどまでの大きな期待と夢を抱かせてくれる牝馬が、秋の淀に誕生した。
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[ スポーツナビ 2012年10月14日 18:31 ]
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