http://race.sanspo.com/keiba/news/20121015/etc12101516050004-n1.html
【甘辛戦記】菊も岩田康、内田博が主役!
スローペースの中団の外。ジェンティルドンナを3冠へエスコートする岩田騎手にすれば想定内のことだろう。1、2、3角とも外を回るロスはあったが、スムーズに折り合っている以上、慌てる必要はない。
ただ、「前日の夜はむしろプレッシャーを楽しんでいた」と言う強心臓の男も、4角手前だけは血相が変わっていたように見えた。
激しく放たれるステッキ。ジェンティルのハートに火がともろうとしないのだ。「落ち着きすぎていたし、正直、焦りはあった。でも、エンジンに火がつきトップギアに入ってからは、いつものジェンティルだった」
抜群の破壊力に変わりはなかった。にもかかわらず、かわしたはずのヴィルシーナがゴール寸前で内から迫ってきた。内田博騎手の執念が乗り移ったような粘りに対し、岩田騎手が全身全霊で対抗する。
わずか7センチ。内田博騎手が、「あの馬を負かすにはあの競馬しかなかった。中途半端に控えて外を回るより、前へ。うまくスローに落としたんだけど…。負けたのは相手が強いから。また2着だったけど、褒めてあげてください」と言う。
自信度100%。ジェンティルドンナの独壇場だとみていたが、ヴィルシーナの、そして鞍上の執念が記憶に残る名勝負を演出し、すごい一戦になった。
「ハラハラさせてすみません。勝ったのは馬の潜在能力のおかげ。自分のレベルを上げて、余裕を持って勝てるようにならないと」と言う岩田騎手だが、返し馬で落馬して右足首を痛めながらも「放馬したら歴史が変わる」とばかり、手綱を離さなかった執念もさすがといえるだろう。
今週の菊花賞もこの両雄が主役。岩田ディープブリランテ、内田博ゴールドシップの激突が、今から楽しみだ。(南庄司)
(夕刊フジ)
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