【牝馬3冠目前 無限の豪脚ジェンティルドンナ(4)】
「ジェンティルドンナはブエナビスタより強いんじゃないか」
アロマティコの佐々木調教師がこうつぶやいた。
05年、ディープインパクトが勝ったダービーでインティライミ(2着)を出走させたトレーナー。当時「最高にうまく乗ってもその5馬身前をディープが走っている」と予言し、その通りの結果になった逸話を持つが、今回も当時と同じ気持ちを抱いているという。
「ジェンティルドンナが大外で、こっちが内で(佐藤)哲っちゃんが最高に乗ってどこまで食い下がれるか。それでも向こうは本番で大外になってもいいように、前哨戦でトライアルらしい競馬をしっかりしている。それであっさり勝ったんだから手に負えないよ」
展開、枠のまぎれを許さない圧倒的な能力差。ライバル陣営は戦う前から2冠女王にひれ伏しているようだ。「牝馬は気で走る馬が多い。これまで名牝と言われてきた馬も、ブエナビスタとか、見栄えはそうでもないけど競馬に行けば走るというケースが多かった。それがジェンティルドンナは馬っぷりも男馬みたいだし、競馬に行けばあれだけ走る。隙がないよね」。こう語るのはヴィルシーナの友道調教師だ。
「春にいろいろなプレッシャーを経験したことで、精神的にどっしりして動じることがなくなった」(井上助手)というジェンティルドンナ。オークスと同じスタンド前発走となる秋華賞のために前哨戦のローズSではあえてメンコを1枚だけにして、ここでオークス同様メンコ2枚に戻す策を用意してきたが、不動心を手に入れた今ならその必要もないかもしれない。
前記のライバル陣営の言葉はあくまで評価であって、実戦では逆転のための様々なトライをしてくる。しかし現実的には…史上4頭目の牝馬3冠馬が誕生する瞬間は、刻一刻近づいている。
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