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日曜京都11R
秋華賞(G1)
芝2000m
勝ちタイム 2.00.4
ジェンティルドンナ(牝3、ディープインパクト・栗東、石坂厩舎)
大きなハナ差、苦しみながらもジェンティルドンナが3冠達成!!
一番最後に一番苦しんでの勝ちとなったジェンティルドンナのクラシック最終章。ヴィルシーナが逃げる積極策から始まった3冠目の秋華賞。向こう正面ではチェリーメドゥーサが一気にまくって先頭に立ち離して行く。その動きを無視する後続。そのまま直線へと来て場内はドッと湧く、が、残り100から一気に差が縮まった。最終コーナーに入る前に、他のどの馬よりもいち早く手が動いたのがジェンティルドンナ。直線でも岩田Jのステッキが数多く入るが、ヴィルシーナとの追い合いを何とかゴールでは優勢に持ち込んだ。3冠目がハナ差の3冠馬は今までにもいなかったが、苦しみながらも4頭めの牝馬3冠の偉業を達成したのであった・・。
時間が経つほどに空模様が怪しい。まるで雨でも降りそうな黒い雲が淀の上を覆いだす。場内は3冠馬達成のシーンを一目見ようと人が多い。いつも見ているパドックの場所も、人の後ろからしか見えない。ジェンティルドンナが少しテンションが高く感じる。馬場入りしたのも最後の方だったが、キャンターに移ろうとしたゴール付近で《ワーッ》と歓声があがった。見ると岩田Jが手綱を引いていた。どうやらこぼれた様だ。再び跨って何もなかったように4コーナーの方へと進んでいった。そして大観衆が見守るスタンド前でのゲート入り。
オープンした!ややチェリーメドゥーサがアオった様だが、後はほぼ一斉。トーセンベニザクラが一番の出。外のメイショウスザンナも早かった。最内のヴィルシーナが出て行く。《オオっ、そう来るか!》と内田Jの思惑に驚く。後でビデオを見ると、相当しごいて出て行っている。最初から枠順を引いた時からの考えの様だ。相手をどうやったら負かせるのかを・・。
ジェンティルドンナはどこらにいるのか探す。真ん中の当然に外目だ。最初のカーヴ、そして二つめも廻っていく。ヴィルシーナが先手を取り、メイショウスザンナが2番手。その後が芦毛のアイスフォーリスがいて、キャトルフィーユが内で続いている。ジェンティルドンナはちょうど真ん中の位置。内にトーセンベニザクラをつれてアイムユアーズの真後ろだ。ハワイアンウインドが続き、内にアロマティコがいる。かなり遅い流れとなっている。内田Jの思惑どおりに進んでいる。
向こう正面に入ったあたりで最後方にいたチェリーメドゥーサが一気に上がって行く。ヴィルシーナを抜いて先頭に立つが、さらに進めていく。しかしヴィルシーナは手綱をビクとも動かさない。そのままチェリーメドゥーサは離していく。3コーナーの緩やかな坂を下って行く。先ほどよりもまた後ろを離した様子だ。場内が少し騒がしくなる。1000メートル通過が1.02.2とやはり速くない。
4コーナーを後続に8馬身ぐらい差をつけて入るチェリーメドゥーサに、過去に何度かこんなシーンで勝った馬があったと思い出される。しかしヴィルシーナはまだ仕掛けない。後続組がドっと追い上げて来ている。ジェンティルドンナはやや鞍上の岩田Jが動いている様子。むしろ内にいるトーセンベニザクラが何もしないで持ったままいる。4コーナーを廻った時でも先頭チェリーメドゥーサと2番手ヴィルシーナの間は6馬身はあったか。
最内のラチ沿いを進む。ヴィルシーナも手綱をしごき出した。やや外目へ出てきている。ジェンティルドンナが一気に前との差を詰めてきた。残り200を通過してもまだチェリーメドゥーサのリードは3馬身以上ある。これはセーフティリードかと思えた程。
ヴィルシーナの位置にジェンティルドンナが届いてきた時に、一気に前との差がなくなった。内ヴィルシーナ、外ジェンティルドンナの2頭がまったく馬体を並べてゴールに入った。そこから1馬身以上離れてアロマティコが3番手。チェリーメドゥサーは際どく粘ったがブリッジクライムにも差されて5着だった。
オーロラビジョンにゴールシーンがアップされる。体勢はジェンティルドンナが優勢である。数分後にジェンティルドンナの3冠が確定した。
PVを何度も見る。ジェンティルドンナは4コーナーに入る前から岩田Jのステッキが2,3発入っている。そして直線で数えてみると、16発ものステッキが入れられた。ヴィルシーナとの最後数完歩は、むしろ手綱を操作するだけでここでは入っていない。反対に内田Jはゴールに近づく処でステッキを入れた。ゴール前でもう一度伸びて、微妙な体勢になったものであった。勢いは外ジェンティルドンナだったが、もう一度伸びていたヴィルシーナであった。
ジェンティルドンナがこれ程に苦しんだのには、ヴィルシーナの頑張りと自身のテンションの高さもあったのかも知れない。内田Jのスタートから出て行った考え、道中動いた小牧J。もう少しで大金星かと思えたもの。しかし動じない内田J。残り50メートルからの死闘。観ていても実に見応えのある競馬だった。
3冠で1番人気になったのはこの秋華賞だけと、ジェンティルドンナは先輩スティンルインラブに良く似た3冠の人気だ。今までヴィルシーナとの決着はついたものと思えていたが、とんでもない。まだまだライバル達はあきらめてはいないのである・・。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
大きなハナ差、苦しみながらもジェンティルドンナが3冠達成!!
2012-10-16 15:44 更新
日曜京都11R
秋華賞(G1)
芝2000m
勝ちタイム 2.00.4
ジェンティルドンナ(牝3、ディープインパクト・栗東、石坂厩舎)
大きなハナ差、苦しみながらもジェンティルドンナが3冠達成!!
一番最後に一番苦しんでの勝ちとなったジェンティルドンナのクラシック最終章。ヴィルシーナが逃げる積極策から始まった3冠目の秋華賞。向こう正面ではチェリーメドゥーサが一気にまくって先頭に立ち離して行く。その動きを無視する後続。そのまま直線へと来て場内はドッと湧く、が、残り100から一気に差が縮まった。最終コーナーに入る前に、他のどの馬よりもいち早く手が動いたのがジェンティルドンナ。直線でも岩田Jのステッキが数多く入るが、ヴィルシーナとの追い合いを何とかゴールでは優勢に持ち込んだ。3冠目がハナ差の3冠馬は今までにもいなかったが、苦しみながらも4頭めの牝馬3冠の偉業を達成したのであった・・。
時間が経つほどに空模様が怪しい。まるで雨でも降りそうな黒い雲が淀の上を覆いだす。場内は3冠馬達成のシーンを一目見ようと人が多い。いつも見ているパドックの場所も、人の後ろからしか見えない。ジェンティルドンナが少しテンションが高く感じる。馬場入りしたのも最後の方だったが、キャンターに移ろうとしたゴール付近で《ワーッ》と歓声があがった。見ると岩田Jが手綱を引いていた。どうやらこぼれた様だ。再び跨って何もなかったように4コーナーの方へと進んでいった。そして大観衆が見守るスタンド前でのゲート入り。
オープンした!ややチェリーメドゥーサがアオった様だが、後はほぼ一斉。トーセンベニザクラが一番の出。外のメイショウスザンナも早かった。最内のヴィルシーナが出て行く。《オオっ、そう来るか!》と内田Jの思惑に驚く。後でビデオを見ると、相当しごいて出て行っている。最初から枠順を引いた時からの考えの様だ。相手をどうやったら負かせるのかを・・。
ジェンティルドンナはどこらにいるのか探す。真ん中の当然に外目だ。最初のカーヴ、そして二つめも廻っていく。ヴィルシーナが先手を取り、メイショウスザンナが2番手。その後が芦毛のアイスフォーリスがいて、キャトルフィーユが内で続いている。ジェンティルドンナはちょうど真ん中の位置。内にトーセンベニザクラをつれてアイムユアーズの真後ろだ。ハワイアンウインドが続き、内にアロマティコがいる。かなり遅い流れとなっている。内田Jの思惑どおりに進んでいる。
向こう正面に入ったあたりで最後方にいたチェリーメドゥーサが一気に上がって行く。ヴィルシーナを抜いて先頭に立つが、さらに進めていく。しかしヴィルシーナは手綱をビクとも動かさない。そのままチェリーメドゥーサは離していく。3コーナーの緩やかな坂を下って行く。先ほどよりもまた後ろを離した様子だ。場内が少し騒がしくなる。1000メートル通過が1.02.2とやはり速くない。
4コーナーを後続に8馬身ぐらい差をつけて入るチェリーメドゥーサに、過去に何度かこんなシーンで勝った馬があったと思い出される。しかしヴィルシーナはまだ仕掛けない。後続組がドっと追い上げて来ている。ジェンティルドンナはやや鞍上の岩田Jが動いている様子。むしろ内にいるトーセンベニザクラが何もしないで持ったままいる。4コーナーを廻った時でも先頭チェリーメドゥーサと2番手ヴィルシーナの間は6馬身はあったか。
最内のラチ沿いを進む。ヴィルシーナも手綱をしごき出した。やや外目へ出てきている。ジェンティルドンナが一気に前との差を詰めてきた。残り200を通過してもまだチェリーメドゥーサのリードは3馬身以上ある。これはセーフティリードかと思えた程。
ヴィルシーナの位置にジェンティルドンナが届いてきた時に、一気に前との差がなくなった。内ヴィルシーナ、外ジェンティルドンナの2頭がまったく馬体を並べてゴールに入った。そこから1馬身以上離れてアロマティコが3番手。チェリーメドゥサーは際どく粘ったがブリッジクライムにも差されて5着だった。
オーロラビジョンにゴールシーンがアップされる。体勢はジェンティルドンナが優勢である。数分後にジェンティルドンナの3冠が確定した。
PVを何度も見る。ジェンティルドンナは4コーナーに入る前から岩田Jのステッキが2,3発入っている。そして直線で数えてみると、16発ものステッキが入れられた。ヴィルシーナとの最後数完歩は、むしろ手綱を操作するだけでここでは入っていない。反対に内田Jはゴールに近づく処でステッキを入れた。ゴール前でもう一度伸びて、微妙な体勢になったものであった。勢いは外ジェンティルドンナだったが、もう一度伸びていたヴィルシーナであった。
ジェンティルドンナがこれ程に苦しんだのには、ヴィルシーナの頑張りと自身のテンションの高さもあったのかも知れない。内田Jのスタートから出て行った考え、道中動いた小牧J。もう少しで大金星かと思えたもの。しかし動じない内田J。残り50メートルからの死闘。観ていても実に見応えのある競馬だった。
3冠で1番人気になったのはこの秋華賞だけと、ジェンティルドンナは先輩スティンルインラブに良く似た3冠の人気だ。今までヴィルシーナとの決着はついたものと思えていたが、とんでもない。まだまだライバル達はあきらめてはいないのである・・。
平林雅芳 (ひらばやし まさよし)
競馬専門紙『ホースニュース馬』にて競馬記者として30年余り活躍。フリーに転身してから、さらにその情報網を拡大し、関西ジョッキーとの間には、他と一線を画す強力なネットワークを築いている。
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