2012年10月17日水曜日

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【ドラマティックレビュー:秋華賞】元地方ジョッキーが見せた勝利への執念

2012年10月16日 15時30分 [競馬] 2012年10月バックナンバー
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 牝馬クラシック最終戦、秋華賞。3冠のかかったジェンティルドンナとヴィルシーナの勝負が注目されたが、今回もジェンティルドンナに軍配が上がり、史上4頭目の牝馬3冠を達成。単勝1.3倍と圧倒的支持を受けての出走となったが、決して楽な戦いではなかった。

 スタート直後、まず動いたのはヴィルシーナの鞍上、内田騎手。ムチを入れてハナに立とうとする。それもそのはず、ローズSで初めてジェンティルドンナの後ろからの競馬で2着。勝つにはジェンティルドンナよりも前でレースを運ぶしかない。序盤から勝利への執念が見えた瞬間だった。

 一方、ジェンティルドンナは中団からレースを進める。ローズSでは直線の短い内回りの秋華賞対策として2番手からの競馬をしただけに少し意外な位置取り。しかし、それ以上に意外な動きを見せたのが、2コーナーまでは最後方にいた小牧騎手鞍上のチェリーメデューサ。豪快な捲りを見せ、3コーナーで先頭に立ち後続を引き離す。ジェンティルドンナは届くのか。ウォッカもブエナビスタも勝てなかった過去の秋華賞の記憶が蘇った瞬間でもあった。秋華賞は直線の短い内回りコース。だからこそ試したのがローズSの先行策。しかし、ジェンティルドンナは中団待機、ペースはスロー。小牧騎手はここに勝機ありと仕掛けたのだろう。

 最後の直線、残り200mほどで6馬身ほどのリードを保っていたチェリーメデューサを交わし、ヴィルシーナとジェンティルドンナのデッドヒート。伏兵の奇襲があってもやはり最後はこの2頭。写真判定の結果、ハナ差でジェンティルドンナの勝利。4戦連続2着となったヴィルシーナも最後の最後までライバルを苦しめ、岩田・内田・小牧と3人の元地方ジョッキーが勝利への執念を見せたのが今年の秋華賞だった。

 ジェンティルドンナとヴィルシーナの次なる2強対決はエリザベス女王杯か。ジェンティルドンナがジャパンカップに行くこともあるかもしれないが、次回のライバル対決も熱い戦いを繰り広げてくれるはずだ。

〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。今年度のおこづかい馬券の成績は現時点で回収率149%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。

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