2008年2月26日火曜日

中日記録

ヴァーミリアン完勝 第25回フェブラリーS
2008年2月25日 紙面から
力強く抜け出し、フェブラリーSを制したヴァーミリアン
 強い強いヴァーミリアン、次はドバイだ! 「第25回フェブラリーステークス」(G1、ダート千六百メートル)は24日、東京競馬場で行われた。1番人気で武豊騎乗のヴァーミリアンが他馬を圧倒する末脚を発揮して1分35秒3で快勝。ドバイでの世界制覇を視界に入れた。2着はブルーコンコルド、3着はワイルドワンダーだった。
 強い風を受けても、頑として動じることはなかった。さすがは、絶対君主ヴァーミリアンだ。距離の懸念も、状態の不安も、王者の前では、陳腐な障害にしか過ぎない。武豊と固く結ばれた信頼が、それらをひと息で吹き飛ばし、破竹のG1・4連勝を達成。国内無敵をあらためて証明した。
 「完ぺきでしたね。馬が千六百メートルのレースということを分かっているみたいでした。こんな強い馬に乗ることができて幸せです」。08年の開幕G1を制し、これで21年連続G1勝利となった武豊は、ヴァーミリアンの満点パフォーマンスに、最大級の賛辞を送った。
 まず、ゲートからして絶好だった。「馬が堂々としていましたね。速いペースでも楽について行けました」。2年前のフェブラリーS(5着)以来のマイル戦で、スタートだけに気を使っていたが、いらぬ心配。ヴァーミリアン自らの意思で、楽に好位を追走してみせた。
 直線を向いたところで、外からワイルドワンダーの徹底マークにあうが、これも役者の違いで一蹴(いっしゅう)。ムチが入ると、強烈な向かい風を切り裂き、上がり最速の35秒9で瞬く間に突き放した。
 2着ブルーコンコルドとは1 3/4馬身差だったが、誰の目から見ても、着差以上の完勝劇。右飛節炎で川崎記念を回避した影響もとりざたされたが「本命馬がそう言われるのは、普通ですから。気にしていなかった」と自信を持っての騎乗だった。
 次なる矛先は、もちろん世界制圧。確かな手応えを抱いて、昨年大差4着に敗れたリベンジを誓い「ドバイワールドカップ」(3月29日・UAEナドアルシバ、ダート二千メートル)に乗り込む。
 「本当に胸を張って行ける。ドバイで世界一になって帰ってきたい」と武豊。昨年はまだ、雲をつかむような夢の舞台にしか過ぎなかったドバイだが、今年は違う。中東の世界最高賞金レースで、日の丸を揚げてみせる。 
  (黒柳勝博)

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