<鋭断>本紙・草野武志 ヴァーミリアンの優位動かず
2008年2月24日 紙面から
【ポイント】時計が出やすい馬場状態だったとはいえ、3年続けて1分34秒台の決着。今年も、ちょうど半数の8頭がこのコースと距離で1分35秒台で走破した経験がある。ダートのG1レースながら、馬力よりもむしろスピードと切れ味の勝負になるのがこの1戦。時計面の裏付けがない4歳勢にとって、同重量を背負って戦うのは厳しいとみられる。ただ、パワーではすでに一流古馬にも劣らない。もし砂が乾ききって、タイムを要する馬場になれば、一気に劣勢をはね返す可能性がある。
【本紙予想】たとえ下が渋っても、乾いていてもヴァーミリアンの優位は動かない。7カ月の沈黙を破って、昨秋に復帰すると、G1レースを危なげなく3連勝。決して相手に恵まれたわけではなく、当面のライバルを力でねじ伏せる勝ちっぷりは、役者の違いを印象づけた。川崎記念の直前はどうも動きがさえず、疲労がピークに達していたようだ。幸か不幸か右飛節の炎症により、出走を取り消したことで、心身ともにすっかり立ち直り、V3の勢いをそのままでここに臨める。2年ぶりのマイル戦とあって、前半に置かれても長い直線できっちりと料理するはず。V4へ。
フィールドルージュが川崎記念でついにG1ホースに上り詰めた。昨年のこのレースが5着、ジャパンCダートが2着と、すでにいつでも中央のビッグタイトルに手が届く地位を占める。ここにきて早めに進出しても直線でもうひと伸びするようになっており、距離短縮にも不安はない。巧みな左回りコースで逆転まで。
ワイルドワンダーが前哨戦の根岸Sで強襲を決めた。相変わらず追われての味は格別。コンスタントに35秒台の脚を使える強みで上位突入は堅い。
長距離輸送を苦手にしていたメイショウトウコンがジャパンCダート、東京大賞典と上位争いを重ね、遠征に慣れてきた。前走の追い上げを見ても充実ぶりは明らか。この1年で20キロ以上、体重が増加しており、11着に終わった昨年のようなことはない。
掛かり癖が解消しないヴィクトリーにとって、初マイルが突破口になるかもしれない。走法的にはダート適性も十分とみられ、大仕事も夢ではない。ドラゴンファイヤーには成長力とたたいた上積みが望める。1分35秒台後半の攻防になれば互角の勝負に。
【無印の特注馬】3連敗中のブルーコンコルドだが、敗因は年齢面よりも距離か。体の張りと鋭い動きは健在。ベストのマイルで見直す手はある。
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