2008年2月21日木曜日

スポニチ記録

ヴァーミリアン世界仕様/フェブラリー

ムチを入れてしっかり追われたヴァーミリアン Photo By スポニチ
 今年最初のG1「第25回フェブラリーS」の追い切りが20日、美浦、栗東の東西トレセンで行われた。栗東組ではダート王ヴァーミリアンが前走取り消しの不安を一掃した貫録の走りを見せた。 貫録の動きだった。ヴァーミリアンは、フェブラリーS出走予定の関西馬11頭のトップを切り、午前7時の開門と同時に坂路入り。後肢の力強い蹴りで、敷き詰められた木片を跳ね上げながら突き進んでいく。最後の直線では前方で併走していた馬2頭に一瞬進路をふさがれたが、難なくかわし、最後は併走する形でゴールした。4F52秒1は、稽古駆けしない同馬にとってはかなりの好時計。過去1年間では最速となるタイムに、石坂師も「この馬にしてはよく走っているよ。上出来」と満足げな表情を見せた。 1月の川崎記念は右飛節炎を発症し、レース2日前に出走取り消し。影響が心配されたが、症状は軽く、1日休んだだけで運動を再開。すぐに目標をフェブラリーSへと切り替えることができた。「思い返せば、川崎記念の前は何となく動きにおかしなところがあった」と振り返る石坂師。「今は好調時の動きに戻っているし、息遣いもいい。満足のいく状態でG1に向かうことができる」と仕上がりに関して不安はない。 現在、国内ダートG1・4連勝中。敵は見当たらない状況だが、石坂師はあえて距離を課題に上げた。「2000メートルを中心に戦ってきたし、マイルは適距離だとは思わない」。主戦の武豊も「スタートが速い馬ではないので心配はある」と話す。この後に陣営が目指すドバイワールドCはハイペースの消耗戦になりやすい。距離不足を承知で挑むのは、マイル戦特有の速い流れを経験させておく意味がある。昨年の最優秀ダート馬として「ぶざまな競馬は見せられない」と石坂師が力を込めれば、武豊も「ここでいいレースができなければ、日本代表として胸を張ってドバイに行けない」と決意を新たにした。 負けられない戦い。それはヴァーミリアンが日本のダート王から世界のダート王へ羽ばたくための試練の一戦でもある。 【フェブラリーS特集  黄門の馬体診断  データBOX  各馬追い切り  調教タイム
[ 2008年02月21日付 紙面記事 ]

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