フェブラリーS やっぱり強かった ヴァーミリアン 世界制覇へ弾み
上半期のダート王はヴァーミリアン。「第25回フェブラリーS」(GI ダ1600m)は24日、東京競馬場で行われ、1番人気のヴァーミリアン(武豊騎手)が、2着以下を1馬身4分の3突き放す横綱相撲で圧勝。国内無敵のGI(JpnI)4連勝を達成した。また、武豊騎手は21年連続となるGI制覇。この日の勝利でドバイワールドC(昨年4着)の雪辱は、が然、現実味を帯びてきた。 この強さをなんと形容したらいいのだろう。怪物?化け物?次元の違うヴァーミリアンの強さを目の当たりにして、誰もがド肝を抜かれた。 人気を分け合った3着ワイルドワンダーの久保田師は、「正攻法で勝ちに行って通用する相手じゃなかった。(潔く)あの強さを称えたい」と脱帽だ。 これほどのパフォーマンスを披露したヴァーミリアンだったが、戦前に“怪情報”が流れた。根拠は川崎記念を脚部不安で取り消したことによるもの。しかし、武豊騎手は経験上、馬耳東風と聞き流す余裕があった。「本命馬はいろいろいわれますからね。気にしませんでした(笑)」 そして、結果は有無をいわさぬ横綱相撲。ケチのつけようがない圧勝劇で、国内最強馬を強烈にアピールしたのだった。 「今日はスタートに一番気を使った」と振り返る武豊。しかし、課題は難なくクリアした。「すごくいいスタートが切れた。もともと競馬の上手な馬だし、道中は堂々と走っていました」と感心しきりだ。一方、石坂師も、「一戦ごとに馬が自信を持って競馬に臨んでいることが、手に取るように感じられる」と指摘する。 今日のパフォーマンスで「世界が楽しみになった」。ジョッキーとトレーナーは口をそろえた。昨年のドバイワールドC(4着)で世界の壁を痛感した2人が、リベンジに向けて確かな手応えをつかんだ瞬間でもあった。 フェブラリーSは世界に向けて、格好の物差しにもなった。石坂師は「プラス7kgの数字を見て気持ち太いと思ったが、逆にこれで勝てばすごいと思った。もっと良くなりますよ」とさらなるステップアップを確信した。 「千六に一抹の不安があったが、勝てたことで日本最強馬を実感した」さあ、次は世界の猛者が相手だ。無論、距離が2000mに延びるドバイWC(GI、UAE、ナド・アルシバ競馬場、3月29日)は条件的に今回よりも競馬はしやすくなる。石坂師、そして、武豊騎手は胸を張って海外へ飛翔する。
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