2008年2月21日木曜日

サンスポ記録

【フェブラリーS】ヴァーミリアン国内GI5連勝へ王手!

最強馬ヴァーミリアン(左)は坂路をパワフルな脚どりで駆け上がった。時計、動きとも合格点だ(撮影・山田喜貴)
 08年GIの第1弾・フェブラリーSの追い切りが東西のトレセンで行われた。昨年度の最優秀ダート馬のヴァーミリアンは栗東坂路で川崎記念取り消しの不安を払拭する動き。フェブラリーSの枠順は22日に発表され、馬券は前日から発売される。
フェブラリーS最終登録馬へ

 日本馬最強を示す態勢は整った。昨年の最優秀ダートホース、ヴァーミリアンは力強さに溢れる動きを披露。川崎記念を右飛節炎で取り消した不安を払拭し、国内GI5連勝へ王手をかけた。
 栗東坂路での最終追い切りは、外ラチ沿いを単走で前半から軽快な脚捌き。ラスト2ハロンで馬場の真ん中へ進路を取り、そこからステッキが入って追われると、最後は前を走っていた僚馬ラブズラブ(牡3新馬)に追いついてフィニッシュした。
 「前の馬に追いついたのは偶然。でも、しっかりと動いていたし、納得の調教ができた」と手綱を取った久保調教助手は笑顔。石坂調教師も「前走を取り消した反動もなく、しっかりと追い切れた。いい状態で出走できる」と胸を張る。タイム4ハロン52秒1-38秒8-13秒6は、このレベルの馬としては速いとはいえないが、「このところ、あまり時計が出なくなっている。それを考えれば先週、今週とヴァーミリアンとしてはいい時計が出たし、元気ですね」と石坂師。昨年の東京大賞典〔1〕着時の直前追い切りが4ハロン52秒9。先週14日に52秒5、今週が52秒1ならば文句ない時計だ。
 今年初戦の出走を取り消して、その心配もあったが、「飛節のちょっとした炎症で、すぐに運動を再開できた。アクシデントの影響は考えなくていい」と石坂師はキッパリ。「川崎記念の時は何か動きがおかしいな、と思っていた。当時とは別の馬のよう。昨秋に3連勝したときと同じデキにある」と好調宣言だ。
 今回は一昨年5着のフェブラリーS以来となるマイル戦。「適距離とはいえない」(石坂師)が、昨年4着だったドバイワールドC(3月29日、ナドアルシバ、GI、ダ2000メートル)での雪辱に向けて、譲れない一戦でもある。「昨年のチャンピオンらしいレースをしたいし、胸を張ってドバイに行きたい」とユタカは意欲満々。世界制圧のためには、ここでの勝利がどうしても必要だ。
(下村静史)
★ロングプライド、伸び上々11秒5
 新たにコンビを組むペリエ騎手を背にしたロングプライドは、角馬場でじっくり時間をかけてウオーミングアップをしてから、B(ダート)コースで追われた。ゴール前で軽く仕掛けられて5ハロン67秒7、3ハロン38秒5-11秒5と終いの伸びは上々だ。「少し歩様の硬いところがある馬だったので、時間をかけてほぐしてから乗りました。速いところに行ってからは、反応もいいし乗りやすかった」と初騎乗のペリエは手応えありの表情を浮かべる。これまでフェブラリーSには9回騎乗して【2・3・1・3】という活躍ぶり。「追い出してからエンジンがかかるまでに時間が必要なタイプだと思います。直線の長い東京は向いているでしょう」と“ミスター・フェブラリーS”はコース適性を感じている。同レース3勝目も十分にありそうだ。
★ヴィクトリー、遅れも「問題ない」
 昨年の皐月賞馬が未知の領域で復活を目指す。今回が初ダートとなる注目のヴィクトリーは、坂路からDWコースへ移り併せ馬を消化。6ハロン82秒1、3ハロン38秒1-12秒0(一杯に追う)をマークしてグローリーシーズ(牡3未勝利)に1馬身先着を許した。「時計は悪くないし、太かったら最後は止まるはず。先週の時点では少し重く感じたが、この動きなら問題ない」と音無調教師も満足顔。ただ「強力メンバー相手に初ダートだから」と最後は慎重な口ぶりだった。
★クワイエットデイ、余力残し12秒7
 8歳になって平安Sを勝ったクワイエットデイが元気いっぱいだ。角田騎手を背にCWコース単走。6ハロン82秒5、3ハロン39秒8-12秒7(やや一杯)を余力を残してマークした。「けいこ駆けするタイプじゃなく、時計も動きもこんなもの。前走時のデキを保っている」と松元省調教師。「初のGIで相手がそろいすぎる。前走のようにうまく流れに乗れても…。無事に走ってくれればいい」。2月一杯で勇退するトレーナーは、“最後のGIレース”にも自然体で挑む。

★ブルーコンコルド、直一杯11秒5
 昨年2着のブルーコンコルドはDWコースで単走=写真。4ハロン53秒6-38秒1-11秒5(直一杯に追う)をマークし、ゴールを過ぎても追われた。「前走(5着)を見ると闘志が感じられなかった。状態はいいんだが、精神面に正直、不安が残る。コース追い(通常は坂路中心)で気持ちが乗れば」と服部調教師。手綱を取った幸騎手は「反応は悪くなかった。2000メートルだとやめるところはあるが、マイルなら集中力を切らさず走ってくれると思う」と適距離に期待する。

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