2008年2月25日月曜日

サンスポ記録

【フェブラリーS】最強ヴァーミリアン!次は世界制圧だ!

圧勝!!ヴァーミリアン ラスト400メートルからユタカが追いだすとヴァーミリアン(右)はパワフルなフットワークで駆け抜けた
 第25回フェブラリーS(24日、東京11R、GI、4歳上オープン国際、定量、ダ1600メートル、1着本賞金9400万円=出走16頭)昨年の最優秀ダート馬で1番人気に支持されたヴァーミリアンが、好位から直線で鮮やかに突き抜けて今年初戦を快勝。史上初の国内ダートGI5連勝を達成した。1分35分3(良)。今回は体調面と距離不足が不安視されてもいたが、それを完全に払拭。完璧なレース内容で世界最高賞金レース、1着360万ドル(約3億8520万円)のドバイワールドC(3月29日、ナドアルシバ、GI、ダ2000メートル)へ弾みをつけた。

 出走取り消し明けで、2年ぶりのマイル戦。戦前に囁かれていたそんな不安をあざ笑うかのような、圧倒的なパフォーマンスだった。1番人気ヴァーミリアンが、好位の外めキープから直線で力強く抜け出してV。国内ダートGI5連勝を達成し、ドバイワールドC挑戦に弾みをつけた。

笑顔の武豊とヴァーミリアン 昨年の最優秀ダート馬が国内ダートGI5連勝を飾った(撮影・北野浩之)
 「マイルなのでスタートに気を遣ったが、いいスタートを切れたし、楽に追走できた。レースが上手。チャンピオンらしいレースができました」
 今年の重賞初VをGIで決め、21年連続GI勝利を収めた武豊騎手が安堵の表情を浮かべた。レースは15番枠から絶好のスタートを切り、難なく外めの5~6番手を追走。楽な手応えのまま4コーナーで先頭集団に取りつくと、直線は圧巻だった。ラスト400メートルでユタカが追い出すと、パワフルなフットワークでグイッと抜け出した。そこからは独壇場。昨年の最優秀ダート馬は、堂々と直線を駆け抜けた。
 今年初戦に予定していた川崎記念は右飛節炎で出走を取り消したが、症状は軽度ですぐに回復。今ひとつ冴えなかった調教での動きも、リフレッシュしたことで本来のものに戻っていた。それでも、プラス7キロの馬体重には「気持ち太いと思った」と石坂正調教師。だからこそ、ドバイに向けて「もっとよくなる余地がある」と意気揚々だ。
 昨年4着から1年を経て、さらに逞しさを増してドバイWCに参戦。しかし、今年は馬インフルエンザの余波で京都競馬場で計7日間の検疫を受けなければならないうえに、シンガポール経由の輸送となり移動時間もかかる。「京都での調整はコンディション維持に自信がない。(栗東で調整して)ギリギリの検疫期間で行きたい。ドバイへも最少時間で行ければと思う」と石坂師。栗東で馬インフルエンザの感染馬が出た場合、遠征は不可能となり、まだ問題は山積だ。それでも、現時点で日本でやるべきことはすべてクリアした。
 「どんな砂質でも走れる馬。日本代表として胸を張って行きたい」とユタカ。近年屈指の名馬が、世界の頂点に立つという夢が広がった。
(下村静史)
■ヴァーミリアン
 父エルコンドルパサー、母スカーレットレディ、母の父サンデーサイレンス。黒鹿毛の牡6歳。栗東・石坂正厩舎所属。北海道早来町(現安平町)・ノーザンファームの生産馬で、馬主は(有)サンデーレーシング。戦績22戦11勝(中央15戦5勝、地方6戦6勝、海外1戦0勝)。獲得賞金は7億4909万7500円(中央3億5334万9000円、地方3億6000万円、海外3574万8500円)。重賞はGIIIラジオたんぱ杯2歳S(04年)、GII浦和記念(05年)、GIIダイオライト記念、GII名古屋GP(06年)、GI川崎記念、GIJBCクラシック、GIJCダート、GI東京大賞典(07年)に続き9勝目。GIフェブラリーSは石坂正調教師が初勝利、武豊騎手は03年ゴールドアリュール、06年カネヒキリに続き3勝目。

石坂師、ユタカ、吉田勝巳氏揃って万歳
★「今年はいい状態で臨めそう」…生産者・吉田勝己ノーザンファーム代表
 あまりの完勝劇に、ヴァーミリアンの強さを再認識したのだろう。生産者として表彰台に上がった、吉田勝己ノーザンファーム代表(59)は、“まだ馬体に余裕があったように感じられたが…”の報道陣の質問に事もなげに、こう言い切った。
 「うん、さらに良くなる次が本当に楽しみになったね」。次とはもちろん昨年4着に敗れたドバイワールドCだ。「乾いた馬場で、この逆風。それでも、こんなに速い時計(1分35秒3)で勝つんだから。本当に強い馬だよ」と胸を張った。ノーザンF生産馬でドバイWCに挑戦したのはトゥザヴィクトリー(01年2着、02年11着)にアドマイヤドン(04年8着)、そして昨年のヴァーミリアンだが、勝己代表の期待度は今回が最も大きいようだ。「アメリカの馬(BCクラシック勝ちのカーリンなど)が強いようだけど、この馬自身パワーアップしているし、今年はいい状態で臨めそうだから」と自信を込めた。
 幼少から並外れて能力が高かったというヴァーミリアン。牧場時代を最もよく知る秋田博章場長(59)は、「期待したクラシックは精神面での弱さがアダになったが、ひと皮むけて大人になってからは、こちらが予想していた通りの強い馬に成長してくれた。理想的な壮行会になったね」とレースを振り返った。
★岡部氏も強さ絶賛
 フェブラリーSのプレゼンターとなった岡部幸雄氏も優勝したヴァーミリアンの強さを称賛した。昨秋のジャパンC以来の東京競馬場来訪だったが、「強い馬が強い競馬をして勝ったということ。感心させられたよ。いいレースでもあったね」と堪能したようで、ドバイWCに挑戦するにあたっては「このまま順調にいって欲しい。期待を持たせてくれる馬だから」とエールを送った。
■アラカルト
 ◆国内ダートGI5連勝 ヴァーミリアンは昨年の川崎記念でGI初勝利を挙げてからJBCクラシック→JCダート→東京大賞典(すべて07年)、そして今回のフェブラリーSと国内ダートGI5連勝を達成。統一ダートGI5勝はアドマイヤドン、ブルーコンコルドの6勝に次ぐ記録。 ◆フェブラリーS&JCダート制覇 フェブラリーSとJCダートの両レースを制したのは、ウイングアロー、カネヒキリに続く3頭目。 ◆関西馬が9連勝 00年ウイングアローから関西馬が9連勝。
★入場人員増も売り上げ前年比97.6%
 今年初のGI開催となった24日の東京競馬場には前年比103.8%の5万3029人が駆けつけた。フェブラリーSの売り上げは144億3020万8100円で同97.6%にとどまった。
★ヴァーミリアン、ドバイWC17倍…英ブックメーカー
 英国大手ブックメーカー(公認の賭け屋)のウィリアムヒルでは、ドバイワールドCでヴァーミリアンを17倍としているが、フェブラリーS勝利によってもう少し低い倍率に改めることになりそうだ。1番人気は昨年の米国年度代表馬カーリン(S・アスムッセン、牡4)で2.63倍、2番人気は昨年のUAEダービー馬アジアティックボーイ(南ア=M・デコック、牡4)と昨年のドバイWC2着馬プレミアムタップ(サウジアラビア=J・ガーデル、牡6)の2頭が6倍で並んでいる。
▼第25回フェブラリーS(2月24日、東京11R、GI 、4歳上OP、ダ1600m)
1着(15)ヴァーミリアン
2着(10)ブルーコンコルド
3着(16)ワイルドワンダー
単勝
15
240円
複勝
151016
140円360円160円
枠連
5-8
680円
馬連
10-15
2,820円
ワイド
10-1515-1610-16
950円350円1,020円
馬単
15-10
3,520円
3連複
10-15-16
3,820円
3連単
15-10-16
17,550円 (レース結果はJRA発行のものと照合し確認して下さい)

【フェブラリーS】衰え知らず!コンコルド底力見せ2着!
 第25回フェブラリーS(24日、東京11R、GI、4歳上オープン国際、定量、ダ1600メートル、1着本賞金9400万円=出走16頭)これがオレの本来の走りだ! 昨秋の南部杯V以降は勝ち星から遠ざかっていた7番人気のブルーコンコルドが、ラスト1ハロンからグイグイ伸びて2着に入り、GI6勝馬の底力を見せた。道中は4番手につけ、直線で幸英明騎手の左ステッキが入ると進路を真ん中から内に変え、ジワジワと進出開始。ラスト1ハロン過ぎからエンジンがかかり、勝ったヴァーミリアンこそ捕まえ切れなかったが、外のワイルドワンダーはしっかり捕らえて2着を確保した。
 「1600メートルだったらこれぐらいは走れる馬ですよ。ただ、最近の成績からすれば頑張っていますね」と幸騎手は得意のマイル戦で奮起した愛馬を褒め称える。「きょうは内にモタれる面もマシだったし、地力のある所は見せてくれた。でも勝った馬が強かった」
 8歳を迎えてもまだ衰え知らずの愛馬の底力を幸騎手は改めて感じていた。
(片岡良典)
★ワイルド勝ちに行って3着…岩田「2着狙いならできたと思うが」
 3番人気のワイルドワンダーは直線、持ったままでヴァーミリアンに並びかけたが、残り1ハロンからは逆に突き放されての3着。格の違いを見せ付けられた結果となった。「4コーナーまでは持ったまま。2着狙いならできたと思うが、きょうは(ヴァーミリアンに)勝負に行った。風にも負けず、騎乗停止にも負けずで頑張ったけどね」と岩田康誠騎手は無念の表情。初GI獲りに挑んだ久保田調教師も「まともに勝ちに行っての3着だからね。ワンダーも力があるのは再確認できたけど、きょうは相手を褒めるしかないね」と勝ち馬の強さに脱帽していた。
★松元師有終ならず…6着クワイエットデイ
 名伯楽のラストランは6着だった。トウカイテイオー、スティルインラブなどを育てた松元省一調教師(68)=栗東=が送り出した9番人気クワイエットデイは、後方から脚を伸ばし、掲示板まであと一歩の善戦を見せた。「見どころのあるレースだったし、人馬とも無事にと願っていたから。満足しています」と松元省師は笑顔で振り返った。JRA通算4988戦588勝、重賞23勝(うちGI9勝)。角田晃一騎手は「最後はよく伸びているし、千八から二千なら」と距離が延びての巻き返しを約束。クワイエットデイは栗東・羽月厩舎に転厩して、さらなる活躍を目指す。
★自慢の鬼脚不発…8着メイショウトウコン
 5番人気のメイショウトウコンは後方からの競馬。自分のスタイルを貫いて直線の末脚勝負にかけたが、意外にも伸び切れず8着に終わった。土曜のクイーンC(リトルアマポーラ)に続き土日重賞Vを狙った武幸四郎騎手は「スタートしてからゴールまでずっと左手前のまま。直線で1回でも右手前に替えてくれれば、もっと伸びたと思うんやけど」と悔しさを口にした。

【フェブラリーS】ルージュ無念…左肩跛行で競争中止
 第25回フェブラリーS(24日、東京11R、GI、4歳上オープン国際、定量、ダ1600メートル、1着本賞金9400万円=出走16頭)ゲートが開いた瞬間のアクシデントだった。川崎記念でGI初制覇を果たし、2番人気に支持されたフィールドルージュはスタート直後に躓いて、バランスを崩してしまった。トモ(後脚)を左前脚の蹄球部に強くぶつけており、すぐ異変に気付いた横山典騎手がスピードを緩めて、向こう正面で競走を中止(診断は左肩跛行)した。
 「ゲートを出て一完歩目です。ジョッキーがすぐに止めてくれたので大事には至りませんでした。蹄球部がえぐれて血が出ていますが、レントゲンを撮ったところ骨、腱は大丈夫でした」と診療所から馬房へ戻ってきた西園調教師は安堵の表情。
 「人気にして頂いたのに申し訳ありません…」と頭を垂れたトレーナーは「この後は栗東へ戻って静養し、放牧に出して立て直します」と再起を誓った。
★レースを終えて
◆オリビエ・ペリエ騎手(ロングプライド4着)
「1600メートルはちょっと忙しい。1800メートルくらいの方がいいのかもしれない。この馬の力は出せた。出遅れがなければ2着はあったかも…」
◆蛯名正義騎手(リミットレスビッド5着)
「デキが全然違っていた。一瞬『おっ!』と思った。上がりだけの競馬で何とかもたせようとしたが、よく頑張っていた」
◆藤田伸二騎手(デアリングハート7着)
「(ヴィクトリーが)競ってきたので無理せず2番手に控えた。左回りは行きっぷりがいい。引退レースを無事に終えられてよかった」
◆安藤勝己騎手(ドラゴンファイヤー9着)
「全然脚をためるところがない。ずっと伸びたま走っていた。マイルのペースが合わないのかも」
◆戸崎圭太騎手(アンパサンド10着)
「マイルのペースにとまどっていた。次に繋がるレースはできた」
◆福永祐一騎手(メイショウバトラー11着)
「いいところにつけられたけど、力が及ばなかった」
◆御神本訓史騎手(フジノウェーブ12着)
「芝のところでついていけなかった。道中も終いも全く脚を使っていない。距離も少し長いのかも」
◆今野忠成騎手(ビッググラス13着)
「まだ体が重いのか、少し苦しがっていた」
◆田中勝春騎手(ノボトゥルー14着)
「流れにスムーズに乗ってよく頑張っていた」
◆後藤浩輝騎手(ヴィクトリー15着)
「ゲートはおとなしかったが、久々と初めてのダートだったんですかねぇ」

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