2014年12月23日火曜日

勝つ

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20141223-1412483.html

戸崎 引退ジェンティルと勝つ/有馬記念

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有馬記念プレミアムレセプションで、優木まおみ(右)からの質問に答える戸崎騎手
有馬記念プレミアムレセプションで、優木まおみ(右)からの質問に答える戸崎騎手
 自身のリーディングよりも有馬を勝ちたい! 22日、都内のホテルでプレミアムレセプションが行われ、戸崎圭太騎手(34=田島)が、今回が引退戦で、レース後に引退式が行われるジェンティルドンナ(牝5、石坂)と挑む有馬記念(G1、芝2500メートル、28日=中山)への思いを語った。今年の中央リーディング獲得はほぼ確定的。その手腕で、最強牝馬に最高のラストを用意する。
 「はい、有馬記念を勝ちたいです」
 中央競馬のリーディングトップを走る戸崎騎手の答えに迷いはなかった。インタビュアーを務めた安藤勝己元騎手の質問は「もう中央リーディングはほぼ確定だと思うが、今はそれよりも有馬記念が大事か?」というもの。個人の名誉よりも、引退するジェンティルドンナを最高の形でエスコートしたい。そんな気持ちを、壇上で多くのファンに表明した。
 地方所属時代、数々の大レースを勝たせてもらった恩師・川島正行師が今夏永眠した。「亡くなる1週前にお会いできました。リーディングを取ったと報告したかった」。その思いはかなわなかったが、今年は先週までに144勝を挙げ、2位の岩田騎手に11勝差。移籍2年目でのリーディング奪取はほぼ達成済みだ。自然と最終週の最大ミッションは、ジェンティルドンナに有終の美を飾らせることになった。
 コンビを組むのは天皇賞・秋に続いて2度目。直線ではインをさばく厳しい競馬で2着に敗れたが、G1・6勝馬の強さを肌で感じた。「乗りやすかったし、根性もさすが。この馬がすごいのは騎手を不安にさせないんですよ」。だからこそ今回はより自信を持って臨める。
 地方時代、有馬記念はテレビで見る大レースぐらいの印象しかなかった。初騎乗だった昨年は「スタンドがぎっしりだった」と普段のG1と違う盛り上がりに驚かされながらも、カレンミロティックで2周目3角から先頭に立つ積極策。だが、直線入り口でオルフェーヴルに一瞬にして突き放された。「信じられないスピードでかわされた。誰もついていけませんでしたから」。すでに引退を表明していた怪物の遠ざかっていく姿だけが、戸崎の頭に唯一ある有馬の風景だ。
 今年は自分とジェンティルドンナがライバルをちぎる番。「いろんなことを経験しているし、初めての中山も問題ないと思う。引退レースということはあまり意識していません。彼女の良さを引き出すことだけ考えています」。最強女王とともに、有馬の景色を塗り替えにいく。
 ◆ジェンティルドンナ 09年2月20日生まれ。3歳時に史上4頭目の牝馬3冠に輝き、同年ジャパンCも3歳牝馬で初制覇して年度代表馬に。4歳時はドバイシーマクラシック2着後、宝塚記念、天皇賞・秋と敗れたが、ジャパンCで史上初の連覇。今年はドバイシーマクラシックで海外G1初制覇。秋初戦の天皇賞・秋2着後、ジャパンCで3連覇を狙ったが4着。戦績は18勝9勝(G1は海外含め6勝)。父ディープインパクト、母ドナブリーニ、母の父はベルトリーニ。馬名はイタリア語で貴婦人。
 ◆戸崎圭太(とさき・けいた)1980年(昭55)7月8日、栃木県生まれ。98年に地方大井でデビュー。同年4月12日に初騎乗初勝利を飾る。08年にはフリオーソとのコンビで統一G1帝王賞を勝つなどし、初の全国リーディングを獲得。南関東の顔になる。昨年3月に中央に移籍した。美浦・田島厩舎に所属。昨年は113勝でJRA全国リーディング5位。中央G1勝利は、地方所属時の11年安田記念のリアルインパクトと、昨年阪神JFのレッドリヴェール。家族は夫人と2男1女。

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