2014 有馬記念(GI) 中山芝内2500m良
敗因分析・回顧・結果

2:35.3 7.0 - 11.8 - 12.3 - 12.6 - 12.5 - 13.6 - 13.2 - 13.0 - 12.3 - 12.4 - 11.5 - 11.2 - 11.9
63.0-59.3SS


 まずペースだが1000通過は公式映像の1000通過63.0をとりました。後半は59.3なので明らかな超スロー、オルフェーヴル1度目に近い特殊なラップを刻んだと思います。トップスピードが要求されるレアケース。また前半よりも道中13.6とか13.2とか13秒台を3F刻んでいるところ。ここで誰も動かなかった、これが近年の騎手の長距離観を崩している要因なのかなと。全馬力を出し切った良いレースだったという人もいるかもしれないけど、ラップ分析的に見れば明らかに特殊でトリッキーなレースになったと言わざるを得ない。


 1着ジェンティルドンナは好スタートからスッと2列目に下げる競馬。道中少し掛かり気味だったがスタンド前では折り合っている感じ。向こう正面でもまだ抑えている形で突かず実質超スローにコントロール。3角でも前にスペースを置いて前を向きながらエピファネイアの外で4角で一瞬はエピファに離されるがそこで仕掛けて番手で直線。序盤でしっかりと反応してエピファをねじ伏せる。L1で後続の強襲もあったが決定的ではなくしっかりと3/4馬身差保っての完勝だった。まずはラストランを勝利で飾ったジェンティルドンナ、戸崎を称えたい。各人各馬が思い通りに乗れなかった中で、しっかりとジェンティルドンナの競馬に徹することができたのが勝利に繋がったと見たい。個人的にはこのラップ推移で要所でそんなに置かれなかったのは驚いた。2列目で前を向く形、仕掛けもしっかりとして4角ではエピファを目標に手も動いていたのもあるだろう。また捲ってきたゴールドシップあたりが相手だったというのも、トップスピード勝負だと一瞬しか脚を使えないエピファネイアが前というのも良かったように感じる。最速地点でしっかりと仕掛けられていたし、ゴールドを外に張る形で競馬ができたのも良かった。エピファネイアやジャスタウェイといった馬の騎手が力を出し切れない競馬に嵌ってしまったのも大きかったのかなあという気はする。それでも勝ったということは素晴らしいし、初の中山で優勝した、しかもこれまでにない器用な競馬で。天皇賞秋からもこういう競馬だとL1では食い込んでくるけどっていう感じだったんだけどね。トリッキーな競馬の中で自分の力を出し切れた結果だと思います。ジェンティルドンナにとって良い競馬、良い展開、いい条件ではなかったと思うけど、他が自滅することが多かった中で勝ったと思う。あとは土曜よりも馬場が良くなっていたのも大きかったのかなと。個人的には走るたびに万能的な強さを見せてきた馬で後になるほど好きになってきた。最後に印を打てなかったのは残念だけど、この競馬で勝ち切った人馬を称賛するしかないでしょう。同時に、決していい条件ではなかったはずのジェンティルドンナに逆転を許したところは反省してしかるべきだと思う。


 2着トゥザワールドはやや出負けしたがそこからリカバーしながら好位を狙うという感じ。スタンド前ではきっちり折り合って好位で進めながら。向こう正面では好位馬群の中で進路がない状況で3角へ。3角では中団に吸収されるような形になって、馬群の中から仕掛けだす。4角でちょうどジェンティルドンナの直後を狙える位置で置かれながらも3列目ぐらいで直線。序盤でそのスペースを狙うとするする伸びてくる。L1ではちょっと甘くなったがそれでもゴールドシップを制しての2着に入り込んだ。母兄の3着を超える2着だけど、まあこれもちょっと恵まれた面が多い。3角の段階で前を向けなかったのは辛かったと思うけど、早めに仕掛けながらちょうどジェンティルドンナの直後という結果的に良い進路を確保できて4角以降は困らなかったからね。最速地点が4角出口から直線入りということを考えても、ここで進路を確保しながらもそこまでロスがなかったというのは良かったんじゃないかなと。中山とかそこまで高速馬場じゃない状況下、そこそこきつめのコーナーでトップスピードを問われるようなケースがあっている血統なんだろうね。上手く嵌ったし、実力馬が脚を出し切れない自滅もあり、またジェンティルドンナそのものもこの条件下でのパフォーマンスでどこまで評価していいのかが難しいから、何とも言えない面はあるんだけど、3歳世代がイマイチだったからこの馬が活躍してくれたのは今後に楽しみを残してくれたかな。ビュイックも結果的に良かっただけで、あの進路を意識していた感じではないんだけど、まあいろいろと噛み合ったと思う。


 3着ゴールドシップはこちら


 4着ジャスタウェイはこちら


 5着エピファネイアはこちら


 8着トーセンラーはこちら


 13着ワンアンドオンリーはゲートは五分というぐらい、そこから出して行きながらになるが行きっぷりが微妙で結果的にトーセンラーの直後。出して行った分もあるがスタンド前では少し力むような感じでスペースを作るのに苦労している感じ。向こう正面でもトーセンラーの直後につけながら3角。3角でトーセンの直後から進めるが、4角で進路がなくなりスペース潰されて身動きできないまま後方に下がって直線。序盤で追い出すスペースもなく置かれてしまった時点で終了、最後は流していた。まあこのペースでヤバいってのはノリもわかったと思うんだけど、トーセンラーの直後に賭けざるを得ない展開になって、そのトーセンもペースが流れずにスペースなくして明確に動けなかった。そうこうしているうちに内外から押し上げられてスペースなくして行き場がなくなったというのが本当のところかな。個人的にはノリが追ってなかったのはあの時点で勝負は決していたことを悟ったからだと思うし、無理をさせなかったんだろうと。もちろん何もなければいいとは思っているが、故障とかではなく多分そうだと思う。4角の段階でトーセンラー見てた俺でもヤバいなと思う展開で、更にラーの後ろでスペースなしだからね。お察しです。まあこれに関しては内枠だし勝負に行った中でのことだから仕方がない。できればトーセンラーの位置に行きたかっただろうけど、そこは武豊が譲らなかった。その辺の微妙な面も影響したとは思う。大敗したけど、あの展開ではやむを得ないしそんなに気にすることはないかなと。ただここ3走はちょっと恵まれなさすぎる。こんなに崩れるような馬ではないはず。トゥザワールドが2着にきてるんだしレースレベルの問題ではなく、何か噛み合っていない感じ。今回は展開そのものは悪くなかったと思うんだけどね、そこまでの持って行き方が難しい競馬になってしまった。


※一応とりあえずここまでにとどめておきます。時間を作れ次第個別に今後追記していく可能性はあります。まずは東京大賞典を進めていきたいので。