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12月28日(日)、4回中山8日目10Rで第59回 有馬記念(G1)(芝2500m)が行なわれ、戸崎圭太騎手騎乗の4番人気・ジェンティルドンナ(牝5、栗東・石坂厩舎)が優勝。勝ちタイムは2:35.3(良)。
2着には3/4馬身差で9番人気・トゥザワールド(牡3、栗東・池江寿厩舎)、3着にはハナ差で1番人気・ゴールドシップ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)が続いて入線した。
4頭ものG1馬が戦前に引退を表明。新時代の到来か、有終の美か、それとも第三勢力の台頭か、様々な思惑が交錯した今年の有馬記念は、歴史的女傑の有終ランにて完結した。道中は3番手を追走。勝負どころではエピファネイアが先に仕掛けたところに、そこからジワジワと差を詰めにかかる。一旦は後続も馬体を併せてきたが、そこから脚を伸ばすと、するすると脚を伸ばして押し切り。大歓声に応えるように、普段はガッツポーズを見せない謙虚な男も、左手を高々と上げた。
「今日はジェンティルドンナの最高のパフォーマンスをファンに見せようと思っていました。先頭に立ってからは後ろからの馬の足音も聞こえてきましたが、最後の力を振り絞って頑張ってくれました」
興奮冷めやらぬ表情で、殊勲の鞍上は振り返った。逃げを打てるほどのジェンティルらしいロケットスタートを切ると、他馬を行かせて3番手に待機した。「レースでは先行してしぶとさを生かすことを考えていました。前に壁が作れず、初めは多少気負うところはありましたが、我慢してくれていいリズムで行けました」ジョッキーも戦前から女傑のセールスポイントに、操縦性の良さを掲げていたが、ロスのない立ち回りで持ち味を存分に発揮。ラストも追い比べを凌ぎ切ったように、勝負根性に火がつく理想の展開も吉と出た。
本来であればジャパンCをもっての引退も検討されていたが、石坂正調教師は前走の直後に有馬記念参戦の意向を表明。かねてから管理馬に負担をかけないレース選択をする師だけに、リベンジに懸ける思いはひと一倍だった。今だからこそ明かせるが、レース後、早々に鞍上へ騎乗依頼を通達し、陣営にとっては身の引き締まる一ヶ月だったことも想像に難くない。「秋の2戦を振り返り、ジェンティルはこんなものじゃないとの思いを強くし、有馬記念への出走を決めました。勝つべき条件が揃っていましたよ。ジャンティルは丈夫な馬ですし、何の心配もなく、いい状態を整えることができました」と石坂師。威信にかける一戦を制し、普段は険しい表情が涙に濡れた。
この一勝で JRA、地方、海外を含めての通算獲得賞金は、あのオルフェーヴルを抜いて、歴代2位に。レース後も4万人のファンが引退式を見守り、別れを惜しんだ。ノーザンファームの吉田勝己代表は「初年度はキングカメハメハかハービンジャーをつけたいね」と早くも今後のプランを披露したが、早ければ2018年にはその産駒がデビューすることになる。今後は繁殖牝馬としての第二の生活で、「最高の名牝」ジェンティルドンナの挑戦はまだまだ続いていく。
【石坂正調教師のコメント】
「秋の2戦を振り返り、ジェンティルはこんなものじゃないとの思いを強くし、有馬記念への出走を決めました。勝つべき条件が揃っていましたよ。ジャンティルは丈夫な馬ですし、何の心配もなく、いい状態を整えることができました。枠順の抽選で最初に望みの番号を選択できたことも、勝てた最大の要因です。
パドックでも、これならばと思わせましたし、これが最後のレースになるんだなと、感慨深く見ていましたね。戸崎騎手には『競馬は簡単だ。ジェンティルらしいレースをしてくれ』と声をかけました。
競馬はなかなかイメージどおりにいかないものなのですが、ゲートをポンと出て、思い描いたレース運び。ジョッキーがうまく導いてくれましたよ。1000m通過が1分3秒。決め手勝負になると思いましたし、位置取りもベストだと確信しました。こちらの『ジェンティルはこんなものじゃない』という気持ちが馬にも伝わりましたね。
新馬当時よりすばらしい能力の持ち主でした。ずっとG1を目指す立場にいて、最後まで輝きを持ち続けてくれた。これまでも偉大な馬だと思っていましたが、改めてすごいと感心させられますよ。これまでのなかでも、ベストレースはきょうの有馬記念ですね。よくぞこんな名馬を管理できたものです。夢のような3年間でした。
馬券がからむことでもあり、レース前はそう大きなことも言えなかったのですが、自信はありましたよ。ただ、まずは無事に走り終えるのを願っていました。元気な姿で牧場へ帰してあげられ、ほっとしています。馬にはありがとうのひと言です。秘めた力を最後にファンのみなさんに見てもらえ、本当によかった。これまでのご声援に感謝の気持ちでいっぱいです」
ジェンティルドンナ
(牝5、栗東・石坂厩舎)
父:ディープインパクト
母:ドナブリーニ
母父:Bertolini
通算成績:19戦10勝
G1勝利:
14年有馬記念(G1)
14年ドバイシーマC(G1)
12~13年ジャパンC(G1)
12年秋華賞(G1)
12年優駿牝馬(G1)
12年桜花賞(G1)
- 女傑伝説G1・7勝で完結!ジェンティルドンナは「最高の名牝」
トピックスTopics
女傑伝説G1・7勝で完結!ジェンティルドンナは「最高の名牝」
2014/12/29(月) 10:58
2着には3/4馬身差で9番人気・トゥザワールド(牡3、栗東・池江寿厩舎)、3着にはハナ差で1番人気・ゴールドシップ(牡5、栗東・須貝尚厩舎)が続いて入線した。
4頭ものG1馬が戦前に引退を表明。新時代の到来か、有終の美か、それとも第三勢力の台頭か、様々な思惑が交錯した今年の有馬記念は、歴史的女傑の有終ランにて完結した。道中は3番手を追走。勝負どころではエピファネイアが先に仕掛けたところに、そこからジワジワと差を詰めにかかる。一旦は後続も馬体を併せてきたが、そこから脚を伸ばすと、するすると脚を伸ばして押し切り。大歓声に応えるように、普段はガッツポーズを見せない謙虚な男も、左手を高々と上げた。
「今日はジェンティルドンナの最高のパフォーマンスをファンに見せようと思っていました。先頭に立ってからは後ろからの馬の足音も聞こえてきましたが、最後の力を振り絞って頑張ってくれました」
興奮冷めやらぬ表情で、殊勲の鞍上は振り返った。逃げを打てるほどのジェンティルらしいロケットスタートを切ると、他馬を行かせて3番手に待機した。「レースでは先行してしぶとさを生かすことを考えていました。前に壁が作れず、初めは多少気負うところはありましたが、我慢してくれていいリズムで行けました」ジョッキーも戦前から女傑のセールスポイントに、操縦性の良さを掲げていたが、ロスのない立ち回りで持ち味を存分に発揮。ラストも追い比べを凌ぎ切ったように、勝負根性に火がつく理想の展開も吉と出た。
本来であればジャパンCをもっての引退も検討されていたが、石坂正調教師は前走の直後に有馬記念参戦の意向を表明。かねてから管理馬に負担をかけないレース選択をする師だけに、リベンジに懸ける思いはひと一倍だった。今だからこそ明かせるが、レース後、早々に鞍上へ騎乗依頼を通達し、陣営にとっては身の引き締まる一ヶ月だったことも想像に難くない。「秋の2戦を振り返り、ジェンティルはこんなものじゃないとの思いを強くし、有馬記念への出走を決めました。勝つべき条件が揃っていましたよ。ジャンティルは丈夫な馬ですし、何の心配もなく、いい状態を整えることができました」と石坂師。威信にかける一戦を制し、普段は険しい表情が涙に濡れた。
この一勝で JRA、地方、海外を含めての通算獲得賞金は、あのオルフェーヴルを抜いて、歴代2位に。レース後も4万人のファンが引退式を見守り、別れを惜しんだ。ノーザンファームの吉田勝己代表は「初年度はキングカメハメハかハービンジャーをつけたいね」と早くも今後のプランを披露したが、早ければ2018年にはその産駒がデビューすることになる。今後は繁殖牝馬としての第二の生活で、「最高の名牝」ジェンティルドンナの挑戦はまだまだ続いていく。
【石坂正調教師のコメント】
「秋の2戦を振り返り、ジェンティルはこんなものじゃないとの思いを強くし、有馬記念への出走を決めました。勝つべき条件が揃っていましたよ。ジャンティルは丈夫な馬ですし、何の心配もなく、いい状態を整えることができました。枠順の抽選で最初に望みの番号を選択できたことも、勝てた最大の要因です。
パドックでも、これならばと思わせましたし、これが最後のレースになるんだなと、感慨深く見ていましたね。戸崎騎手には『競馬は簡単だ。ジェンティルらしいレースをしてくれ』と声をかけました。
競馬はなかなかイメージどおりにいかないものなのですが、ゲートをポンと出て、思い描いたレース運び。ジョッキーがうまく導いてくれましたよ。1000m通過が1分3秒。決め手勝負になると思いましたし、位置取りもベストだと確信しました。こちらの『ジェンティルはこんなものじゃない』という気持ちが馬にも伝わりましたね。
新馬当時よりすばらしい能力の持ち主でした。ずっとG1を目指す立場にいて、最後まで輝きを持ち続けてくれた。これまでも偉大な馬だと思っていましたが、改めてすごいと感心させられますよ。これまでのなかでも、ベストレースはきょうの有馬記念ですね。よくぞこんな名馬を管理できたものです。夢のような3年間でした。
馬券がからむことでもあり、レース前はそう大きなことも言えなかったのですが、自信はありましたよ。ただ、まずは無事に走り終えるのを願っていました。元気な姿で牧場へ帰してあげられ、ほっとしています。馬にはありがとうのひと言です。秘めた力を最後にファンのみなさんに見てもらえ、本当によかった。これまでのご声援に感謝の気持ちでいっぱいです」
ジェンティルドンナ
(牝5、栗東・石坂厩舎)
父:ディープインパクト
母:ドナブリーニ
母父:Bertolini
通算成績:19戦10勝
G1勝利:
14年有馬記念(G1)
14年ドバイシーマC(G1)
12~13年ジャパンC(G1)
12年秋華賞(G1)
12年優駿牝馬(G1)
12年桜花賞(G1)
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