2014年12月29日月曜日

記念

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ジェンティル戸崎146勝/有馬記念

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ジェンティルドンナで有馬記念を制した戸崎騎手は馬上でガッツポーズ
ジェンティルドンナで有馬記念を制した戸崎騎手は馬上でガッツポーズ
有馬記念>◇28日=中山◇G1◇芝2500メートル◇3歳上◇出走16頭
 激動の1年を、劇的な勝利で締めくくった。中央競馬の1年を締めくくる有馬記念(G1、芝2500メートル)は名牝ジェンティルドンナ(牝5、石坂)がラストランで有終の美を飾った。騎乗した戸崎圭太騎手(34)は南関東の大井競馬から移籍2年目で146勝を挙げ、初の全国リーディングジョッキーに輝いた。恩師の死を乗り越え、地方の星が日本の頂点に立った。
 眉間が緩み、勝負師の目が潤んだ。貴婦人ジェンティルを完璧にエスコートした戸崎は、検量室前で石坂師と抱き合った。「心からありがとうと感謝したいです。素晴らしい馬です」。11万人のファンの前で歓声に応えた。
 大井の先輩内田博幸騎手を追うように、地方NO・1騎手として鳴り物入りで昨年3月に移籍した。「どのレースも馬に助けられているし、どのレースも必死」。初の年間フル参戦となる今年は年初から白星を量産する活躍ぶり。ただ、G1は桜花賞、天皇賞・秋の2着が最高。「G1を勝てずにずっときていましたから、馬に助けられてうれしく思いました。たくさん乗せていただいていて、関係者、ファン、支えてくれるたくさんの人に感謝したい。常にトップを目指してやっているので」。何度も何度も感謝の言葉が出てきた。
 座右の銘は「自分に勝つ」。テレビの中の出来事だった有馬記念を初めて実感したのが昨年。大観衆とオルフェーヴルに感動してから1年で結果を出した。「たくさんいい馬がいるので、必死で踏ん張ってくれと思って乗っていました」。
 3児の父親。朝の調教を終え、バレットの熊野勲男さん(元騎手)といつものラーメン店に寄り、帰宅後に3歳の次男と遊ぶのが気分転換だ。今は週1度、英会話を勉強中。「外国人騎手と話してみたい気持ちからです。まだ海外で乗ったことがないので乗ってみたい気持ちもあるけど、それは巡り合わせですから」。ジャパンC後にはムーア騎手と会話し、見解は一致した。「馬場が合わなかっただけで能力は間違いない。大丈夫だ」。
 南関東時代にフリオーソとのコンビで沸かせた川島正行師が今夏に死去。「今年無事にリーディングを取ることができた。報告に行くことができます」。強い思いで挑んだ1年、今日29日は大井の東京大賞典でクリソライトに騎乗し、30日は故川島師の墓前に報告へ行く。来年の目標を問うと、「無事に期待に応えられるように」。勝負師の顔を取り戻し、言葉に力を込めた。【木南友輔】

 [2014年12月29日9時1分 紙面から]

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