2014年12月29日月曜日

選会

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2014.12.28 18:40

【みんなの反省会】明暗を分けた枠順抽選会(1/3ページ)

2014年の中央競馬を締めくくる有馬記念は、ジェンティルドンナがラストランを飾った
2014年の中央競馬を締めくくる有馬記念は、ジェンティルドンナがラストランを飾った【拡大】
デスク 2014年の中央競馬を締めくくる有馬記念は、ジェンティルドンナがラストランを飾ったね。初の中山コースということで評価が難しかったと思うけれど、みんなに振り返ってもらおう。トップバッターは大阪サンスポの野下俊晴記者にお願いしようかな。◎△▲での見事な的中。ジェンティルドンナを狙った根拠を改めて教えてもらえるかい
大阪サンスポ野下 実は大阪サンスポの紙面に週初めに掲載された馬体診断のコーナーで、東京の芳賀(英敏記者)さんと話したんです。ただ“いい”“悪い”というのではつまらないですし、中山向きの馬を探そうというコンセプトで
デスク 関西圏の読者しか読めなかったコーナーなんだね
野下 そこで、芳賀さんが「若い頃はスパッと切れる馬だったけど、今は馬が違っている。しぶとく伸びるし、年を取ってきて中山も合うのでは」と指摘していたのですが、僕もその通りだと思っていました
デスク その芳賀ちゃんは残念ながら4番手評価だったけどな(苦笑)
野下 ジャパンCの負けが、渋った馬場での負けだったとするなら、今年のきれいな中山の馬場でパワーもあるジェンティルには向くだろう、と。それに抽選会で1番くじを引いたことで、インタビューで希望していた通りの4番枠も取れましたからね。引きがあるな、とも思っていました
デスク 勝負ごとには運が不可欠だからな
野下 となれば、3歳時にあのオルフェーヴルを倒している馬ですし、ドバイでも勝っているのに、この配当。狙い目だろうと思ったわけです
デスク 改めてレースを振り返ってみて、勝因は
野下 枠もありましたが、先ほども言ったように、初めての中山も現段階のこの馬に向いていたと思います
デスク 2着トゥザワールドに△を打てたのがヒットだね
野下 さっきふれた馬体診断のコラムなんですけど、ここで挙げたのがジェンティルドンナとトゥザワールドの2頭だけだったんですよ
デスク 何だそりゃ。“神コーナー”だったんだな
野下 終わってみれば、そうでした。実際、見るからに寸詰まりの体形で肩や腰の筋肉がついているので、小回り向きのパワーがあると思っていました。あとは、菊花賞で大敗したあとにジャパンCを使わず立て直して、きっちり馬をつくってきた陣営の判断もあったと思います
デスク いやはや、上位2頭を馬体面からも読んでいたというのは立派なものだな。続いては、関東競馬エイトの星政彦TMに聞いてみよう。2着のトゥザワールドに本命を打って、勝ったジェンティルドンナは△だったけど、馬券は…
関東エイト星 ウラ食っちゃったよ…。まあ、基本的にアタマ狙いで勝負しているしね。結果には納得しているよ
デスク ジェンティルドンナについては
 やっぱり枠だよ。いい位置につけて理想的な競馬ができたからね。流れがゆるくなったのも向いたと思う。それにしても引退するのがもったいないねえ
デスク 本当だね。繁殖牝馬としての仕事があるし、今後は産駒に期待しよう。2着のトゥザワールドを狙ったのはお見事だったけど…
 菊花賞は明らかに距離が長かったからね。中山では弥生賞と皐月賞で2回ともダービー馬(ワンアンドオンリー)に先着しているし、映像で見た追い切りも抜群に良かったからね。枠順も加味して狙ったんだよ。もうワンポジション前で競馬ができるかと思っていたけど、よく頑張ってくれたね
デスク 負けても納得の結果ということだね。続いては関西競馬エイトの高橋賢司TMにご登場いただこう。改めてレースを振り返ってもらえるかな
関西エイト高橋賢 あれだけ縦長なのに、スローで動きがなかったですよね。隊列が決まるのも早かったし、レースの上がり3ハロンも34秒台でしたから、ちょっと異質な有馬記念だったという気はしています。このレースはもう少しタフな競馬になる傾向があるのですが
デスク 調べてみたけど、過去10年で上がり3ハロンが35秒を切ったのは2回、今回を入れて3回だけ。こうなると、やはりある程度の位置で流れに乗らないとキツいよね
高橋賢 後ろの馬も伸びてはいますが、厳しかったと思います
デスク ジェンティルドンナについて見解を
高橋賢 やはり初めての中山ということで、戦略的にも走りづらい競馬場ですし、ジェンティルドンナが結果を残してきた硬い馬場でもなかったので…。買うか買わないか、どちらかの選択でした。△はつけましたが、“買わない”の方に近い立場でした
デスク そのなかで、結果を出したのは展開的なものが大きかったということかな
高橋賢 理想的な位置でスムーズに流れに乗れたし、天気もよかったですよね。勝てる条件が整っていたとはいえ、自分の力を出し切って有終の美を飾ったことには、心から拍手を送りたいと思います
デスク 2着のトゥザワールドについては
高橋賢 うーん。印は回し切れなかったんですが、動きは抜群に良かったんですよね。菊花賞は行きたがって大敗しましたが、この血統は兄のトゥザグローリーもそうですが、リズムのいいときと悪いときの結果が極端に違います。今回は前に壁を作って、うまく脚をためていました。この馬の機動力、瞬発力が生きる流れになりましたね。この血統は、今後もこういうケースが出てくると思いますし、大敗の後でも巻き返すことがある、というのは頭に入れておきたいと思います
デスク 母トゥザヴィクトリーも兄トゥザグローリーも3着だった舞台での連対だから、胸を張れるだろうね。さて、3~5着には1~3番人気の牡馬が入ったわけだけど、それぞれについて3人の見解を聞いていこうか。まずはゴールドシップ
野下 上手なレースをした上位2頭に対して、横綱相撲で挑んだ感じでした。ただ、それでねじ伏せられるほどジェンティルドンナは弱くなかったということであり、うまく乗られれば3歳馬にも足をすくわれる、ということでしょう
 自分の競馬はしたよね。流れが緩くてなかなか動けなかったけど、この馬にとっては枠順も問題なかったと思うよ
高橋賢 他馬が苦しくなってから我慢強さを生かす、というこの馬の持ち味が生きない流れでした。長所を出す前にレースが終わってしまった感じですね。もう少しペースが流れていれば、4コーナーでもっといい位置まで上がっていたと思いますが…
デスク ふむふむ。4着は大外からすごい脚を使って伸びたジャスタウェイ
野下 あの枠だと下げざるを得ないですしね…。それでも、東京だったら前をかわせていたかもしれない、と思う脚でした。舞台が向いていませんでしたね
 本質的には左回りの2000メートルくらいがベストだよね。中山記念も勝っているけど、枠順抽選のときにジョッキー(福永祐一騎手)が「引退レースでこの仕打ち」ってコメントしていた通りだよ。やっぱり枠順が響いたね
高橋賢 あの枠順だと極端な競馬をするしかありません。前に行くという選択肢は取りづらいですし、構えて瞬発力を生かすという競馬になりました。すごい脚で来ているのですが…
デスク こちらはジェンティルドンナと対照的に不完全燃焼なラストランになってしまったね。ジャパンCを圧勝したエピファネイアは最後に止まって5着
野下 後ろから行くこともできないし、ああせざるを得ないですよね。目標にされてしまいました
 これも枠順だね。外で前に壁を作れず、かかっていた。それを考えたらよく頑張っているんじゃないかな。内を引いて前に壁を作れたら結果は違ったと思うけど、舞台も向いていなかったかな
高橋賢 かかってしまいましたからね。ああなると、抑えることに重点を置く競馬になってしまいます。決して悪い状況ではなかったと思いますが、前半にリズムを乱したぶん、最後に響いたのかなと。それに、ジャパンCのちょっとゆるめの馬場がハマったのだとすれば、その馬場に泣いたジェンティルドンナが勝つ馬場は向かなかったのかもしれません
デスク なるほどな。みんな長々とありがとう。それでは最後に、それぞれの2014年を振り返ってもらえるかな
野下 高松宮記念で◎を打ったスノードラゴンをスプリンターズSで無印にした痛恨の予想や、スピルバーグを◎にして会心の的中なのに馬券を3連複にして安めの配当しか取れなかった天皇賞・秋など詰めの甘さがあって隔靴掻痒(かっかそうよう)の思いがある一年でしたが、有馬記念をこうやって当てられましたから、すばらしい一年でした
 上半期は3連単の100万馬券を当てたりして、自分としてもすごくいい感じだったけど、夏の福島、新潟がね…。遊びすぎたかな(笑)。オフシーズンがないから一年をずっと集中して過ごすのは難しいんだけど、来年は夏場が自分の課題だとしておくよ
高橋賢 予想王でもエイトでも回収率は上位ですし、リズムは悪くなかったんですが、メーンレースをなかなか当てられなくて…。悲しいかな、テレビ(関西テレビ解説)のときにばかり当たらなかったので、来年はメーンを当てられるように努めます
デスク 3人とも長々とお付き合いいただいてありがとう。ユーザーの皆さんにもたくさん読まれているコンテンツだし、オレ自身もみんなの話を聞いて勉強になっているんだ。来年もぜひ、いい話をたくさん聞かせてくれよな
 来年といっても、すぐ来週に競馬があるけどね
デスク まったくだ(苦笑)。とにかく、引き続き鋭い予想でユーザーの皆さんに貢献してもらえるよう、よろしく頼むよ。どうぞ良いお年を!

野下俊晴(のげ・としはる) 大阪サンスポ記者 

調教
本命
馬連
プロフィル
1972年兵庫県生まれ。97年産経新聞社入社。産経新聞奈良支局→サンスポレース部(中央競馬)→運動部(オリックス→阪神)→再びレース部(中央競馬)で現在に至る。
予想スタイル
調教重視。特にCWコースと角馬場の動きをよく見ている。「攻め動く馬は、いつか必ずどこかで走る」がモットー。点数を絞って馬連で勝負する。

星政彦(ほし・まさひこ) 関東エイト時計班 

調教と取材
臨機応変予想
馬単が本線
プロフィル
関東競馬エイト所属。この仕事に憧れ入社前に北海道、青森で約1年繁殖・育成牧場を経験。現在は美浦トレセン時計班。「痛みのわかるTM」を自称。
予想スタイル
もちろん、調教重視ではあるが、長年培った人脈も生かして動きとコメントが一致すれば人気でも人気薄でも大きく勝負。田村厩舎、堀厩舎の時計番担当。

高橋賢司(たかはし・けんじ) 関西エイト時計班 

前走
穴、時々本命
人気薄の単勝
プロフィル
関西テレビ「競馬BEAT」解説者、ラジオ大阪「ドラマティック競馬」解説者。馬券は多レース参加型でボヤきも多いが、馬、ジョッキーへのリスペクトは忘れないのがポリシー。
予想スタイル
レース結果の本質を正しく理解し、生で見た感覚も忘れないために、レースの詳細を記録。それを予想に生かしている。基本は攻めの予想だが、レースによって打法、振り幅は変える。

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