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【有馬記念】“史上最強牝馬”ジェンティルドンナ、有終の美で7冠
2014年12月29日6時0分 スポーツ報知
◆第59回有馬記念・G1(28日・芝2500メートル、中山競馬場、良)
第59回有馬記念・G1(28日、中山・芝2500メートル)は、4番人気のジェンティルドンナが直線で抜け出し、2分35秒3のタイムで、引退レースをG1・7勝目(海外も含む)で飾った。鞍上の戸崎は、今年初のJRA・G1勝利となった。2着は9番人気のトゥザワールド、1番人気に推されたゴールドシップは3着まで追い込むのがやっとだった。ジャスタウェイは4着、エピファネイアは5着に終わった。
何という牝馬だ! 11万を超える大観衆を興奮と感動に導く、ジェンティルドンナの異次元のパフォーマンス。迎えた最後の直線で前を行くエピファネイアに迫り、馬体を並べ、抜き去った。トゥザワールド、ゴールドシップの追撃も封じ込め、戸崎の左拳が高々と上がる。「必死だった。(他馬の)脚音は聞こえていた。本当に頑張ってくれた。最高の名牝です」。鞍上がしびれた魂の走りで見事、有終の美を飾った。
引退レースでも、いつもと変わらぬ抜群のスタート。その後は2番手から3馬身以上離れた3番手を進んだ。「前に壁がつくれず多少気負っていたが、我慢してくれて、いいリズムで走れた。枠も良かったし、先行してしぶとさを生かそうと思っていたイメージ通りにいけました」。初の中山も全く問題なしのG16勝目。通算獲得賞金は、オルフェーヴルを抜いて2位。“史上最強牝馬”の称号も手にした。
この勝利で年間146勝。自身初となる全国リーディングの座を射止めた戸崎にとっても、一生忘れられないレースとなった。「騎手をやっている以上、常にトップを目指してやっている。ただ、ここまでG1を勝てずに悔しい思いをしてきたので、本当に助けられました」と、心の底から感謝した。
今年の天皇賞・秋で初めて騎乗を依頼された時、「ビックリしたし、僕でいいのかなというのはあった」。2着に終わり、悔しさを味わう一方、ある確信も生まれていた。「負けはしたが、すごく相性を感じた。こちらの意思通り動いてくれる。スタートが速くて、思い通りの位置が取れる。我慢が利く。根性があって、本当に乗りやすい」。戸崎がジェンティルを評す時は、ひたすら賛辞の言葉が並んだ。
ジェンティルの次のステージは、母として名馬を世に送り出すことだ。「本当に心からありがとうと言いたい。いい子供を産んでもらって、またその子に乗りたいです」。最高のフィナーレを迎えたジェンティルドンナと戸崎の物語は、まだまだ続く。(西山 智昭)
【優勝馬アラカルト】
◆性齢 牝5歳の鹿毛。
◆血統 父ディープインパクト、母ドナブリーニ(父ベルトニーニ)。同産駒は年間G1・11勝目(障害も含む)。03年サンデーサイレンスを超えた。
◆戦績 19戦10勝(うち海外2戦1勝)。主な勝ち鞍・12年桜花賞・G1、同オークス・G1、同秋華賞・G1、同ジャパンC・G1、13年ジャパンC・G1、14年ドバイ・シーマクラシック・G1。
◆総収得賞金 優勝賞金2億円を加え、17億2603万400円(うち海外3億9982万400円)。通算獲得賞金は、オルフェーヴルを抜いて、テイエムオペラオーに次ぐ2位に浮上。
◆牝馬V 08年ダイワスカーレット以来6年ぶり5頭目。
◆引退式V 有馬記念当日に引退式を行った馬は、03年シンボリクリスエス、06年ディープインパクト、13年オルフェーヴルに次ぐ4頭目。
◆中山未出走V 84年のグレード制導入後、中山競馬場未出走馬による有馬記念の勝利は97年シルクジャスティス以来8頭目。
◆戸崎圭太騎手(34) 初勝利。G1通算3勝目。
◆石坂正調教師(64) 初勝利。G1通算12勝目。
◆生産者 北海道安平町のノーザンファーム。
◆馬主 (有)サンデーレーシング。G1通算35勝目。
◆石坂 正(いしざか・せい) 1950年12月24日。佐賀県出身。内藤繁春厩舎、橋口厩舎の調教助手を経て1997年に免許を取得。翌98年3月7日に開業し、同年3月21日の阪神7Rをダンツチャージで制して初勝利を挙げた。00年スプリンターズS(ダイタクヤマト)が重賞&G1初勝利。28日現在、3880戦499勝。重賞は、07年ジャパンCダート(ヴァーミリアン)などG1・13勝を含む42勝。
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