2013年3月28日木曜日

V最

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ジェンティルドンナ、V最短間違いなし!
合田直弘のドバイミーティング展望
JRA-VAN
2013年3月28日 15:00

逃げ馬不在、積極的な競馬が求められる

ドバイシーマクラシック出走のジェンティルドンナ、実力は最上位、Vも最短距離にいる
ドバイシーマクラシック出走のジェンティルドンナ、実力は最上位、Vも最短距離にいる【写真:中原義史】
<ドバイシーマクラシック(芝2410m)>

 レーティング最上位は、日本から参戦のジェンティルドンナ(牝4)だ。牝馬3冠を達成したのに加え、G1凱旋門賞(芝2400m)2着で世界にその名がとどろいたオルフェーヴルを力でねじ伏せたG1ジャパンC(芝2400m)の内容を踏まえると、当然の評価と言えそうだ。海外遠征は初めてだけに、長距離輸送と現地の環境への慣れが大きなポイントとなるが、本来の力を発揮できれば、優勝への最短距離にいることは間違いない。

 レーティング2番手から4番手には、昨年のG1コロネーションC(芝12F10y)などG1・4勝の実績を誇るセントニコラスアビー(牡6)、仏国調教馬ながら欧州以外でG1・3勝を挙げているデュナデン(牡7)、近年水準が極めて高い欧州牝馬戦線でG1・2勝をしているシャレータ(牝5)と、欧州調教馬が並ぶことになった。シーマクラシックの芝2410mは、欧州競馬の真骨頂と言える競走条件だけに、欧州の実力派たちにはおおいなる警戒が必要だろう。

 前哨戦のG2ドバイシティオブゴールド(芝2410m)が2着だった重賞3勝馬アウェイトザドーン(牡6)をはさんで、レーティングでは6番手という評価なのがトレイルブレイザー(牡6)だ。ドバイ初戦となったG1アルマクトゥームチャレンジR3(AW2000m)は馬場が合わずに大敗したが、昨秋の北米遠征では、G2アロヨセコマイル(芝8F)2着、G1BCターフ(芝12F)4着と、しっかり結果を出した馬である。アウェーでの強さは実証済みだけに、主戦場である芝に戻るここは再評価されてしかるべきだろう。

 典型的な逃げ馬のいないメンバー構成だけに、ジェンティルドンナもトレイルブレイザーにも、積極的な競馬が求められることになりそうだ。

昨年覇者モンテロッソ、状態は戻っているか?

<ドバイワールドカップ(AW2000m)>

 出走馬の中でレーティング最上位は、昨年に続くこのレース連覇を狙うモンテロッソ(牡6)。ただし、昨年のドバイWC後の同馬は、サンダウンのG1エクリプスS(芝10F7y)で9頭立ての8着に敗れて休養に入り、前走休み明けだった3月9日のG1アルマクトゥームチャレンジR3(AW2000m)が12頭立ての10着と、極端にパフォーマンスが落ちている。前走をひと叩きされ、どこまで昨年のデキに近づいているかが鍵となりそうだ。

 レーティング2番手から4番手には、昨年、一昨年とG1BCレディースクラシック(ダート9F)を連覇しているロイヤルデルタ(牝5)、一昨年のG1ケンタッキダービー馬アニマルキングダム(牡5)、オールウェザーのG1・3勝の実績を誇るデュラハン(牡4)と、北米調教のビッグネーム3頭が並ぶことになった。デュラハンだけでなく、ロイヤルデルタもアニマルキングダムも、オールウェザーでの勝ち鞍がある馬たちだが、メイダンに敷設されたタペタというブランドの人工素材は独特の癖があるだけに、馬場を上手にハンドリングできるかどうかが北米勢にとっての鍵となりそうだ。

 逆に、高い馬場適性を実証済みな馬たちを擁しているのが、地元ドバイ勢だ。中でも地元のエースと目されているのが、今年に入ってメイダンのG2アルマクトゥームチャレンジR2(AW1900m)、アルマクトゥームチャレンジR3をいずれも危なげのない競馬で快勝しているハンターズライト(牡5)である。

 アルマクトゥームチャレンジR3の2着馬で、メイダンのオールウェザー5戦3勝のカジアーノ(セン4)も、ここへ来てグイグイ強くなっている馬だけに、侮れない1頭と言えそうだ。

日本のタイセイレジェンドほか2番手以下は大混戦

<ドバイゴールデンシャヒーン(AW1200m)>

 レーティング最上位評価のメンタル(セン4)は、昨年までシェイク・モハメドの所有馬として豪州で走っていた馬である。短距離の水準が高いことで知られる豪州で、昨年のグローバルスプリント第9戦のG1パティナックファームクラシック(芝1200m)に優勝している実力派だ。ゴドルフィンに移籍した今年、初戦となった2月14日にメイダンで行なわれたG3アルシンダガスプリント(AW1200m)も快勝し、タペタ適性があることを実証している。

 能力的にメンタルが頭2つ分ぐらい抜けた形となっている一方、2番手以下は大混戦模様だ。実際にレーティング2位も、3頭が横並びとなっている。

 1頭は、昨秋にロンシャンのG1ラフォレ賞(芝1400m)を制している愛国調教馬ゴードンロードバイロン(セン5)だ。昨年暮れにはG1香港マイル(芝1600m)に挑み4着に入っているから、国際舞台も既に経験済みだ。今季初戦となった前走ダンドークの条件戦(AW6F)を白星で飾ったのを含め、オールウェザー3勝の実績を残している。

 続く1頭は、昨秋にサンタアニタのG1BCスプリント(ダート6F)を制している北米調教馬トリニバーグ(牡4)だ。豪州同様、短距離路線の水準が高く層も厚い北米における、ばりばりのトップスプリンターだが、オールウェザートラックで走ったことがないのが懸念材料だ。

 2番手グループ最後の1頭が、3月9日にメイダンで行われた前哨戦のG3マハブアルシマール(AW1200m)で、昨年のG1ゴールデンシャヒーン勝ち馬クリプトンファクター(セン5)に4馬身という決定的な差をつけて優勝を飾った、地元のレイナルドザウィザード(セン7)である。

 日本のタイセイレジェンド(牡6)も、2番手グループとはそれほど力の差はないはずで、タペタ適性が高ければ上位に食い込むことも可能だろう。

ケイアイレオーネ、AWをこなせば上位進出も

<UAEダービー(AW1900m)>

 レーティング首位の評価を受けているのは、ダーレーが生産しゴドルフィンが所有する牝馬のシュルック(牝3)である。昨年10月、デビュー2戦目のケンプトンのメイドン(AW7F)で初勝利。年明けはメイダンでUAE1000ギニートライアル(AW1400m)2着、リステッドレースのUAE1000ギニー(AW1600m)2着の後、前走G3UAEオークス(AW1900m)を4馬身差で快勝。距離が延びて良さが出た同馬を、牡馬相手でも充分に通用すると見立てての参戦となった。

 レーティング2位も、ダーレーが生産しゴドルフィンが所有するシークレットナンバー(牡3)だ。この馬も昨年10月、ケンプトンのメイドン(AW8F)でデビュー勝ち。前走今季初戦となったリステッドレースのアルバスタキヤ(AW1900m)も快勝し、2戦2勝の成績でここへ挑んで来る。

 レーティング3位は、昨秋にG1BCジュベナイル(ダート8.5F)でアタマ差2着に入った実績を持つ北米調教馬ヒーズハドイナッフ(牡3)だ。昨年8月、デルマーのメイドン(AW6.5F)でデビュー勝ちを飾っており、オールウェザーでの実績もある馬だ。

 レーティング4位が、昨秋にイタリアのG1グランクリテリウム(芝1600m)を制している英国調教馬ロウエンフォースメント(牡3)だ。ただしこの馬は、オールウェザーの実戦経験は1度もない。

 今年のUAEダービーは、例年1〜2頭は見かける南半球産の大物が見当たらず、ゴドルフィン勢を中心とした争いになりそうだ。

 レーティング面での評価は高くない日本馬ケイアイレオーネ(牡3)だが、タペタを上手にハンドリングできれば上位争いも可能と見る。

(文・合田直弘/協力・JRA−VAN)

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