http://news.netkeiba.com/?pid=column_view&wid=CH07
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はじめのはじまり。
ジャパンカップもディープインパクトという包装紙で包めるか?
――――――――――――
マイルチャンピオンシップは、
1着 ダノンシャーク ディープインパクト産 牡6
2着 フィエロ ディープインパクト産 牡5
3着 グランデッツァ アグネスタキオン産 牡5
だった。
ディープインパクト産古馬牡馬のワンツー。
馬券圏内にディープインパクト産2、それ以外産1という結果だった。
ディープインパクト産2頭が、別産駒の馬を包んだ形だ。
1着・2着がディープ産では包んでる感が弱いと感じるならば、こうすればどうだろう。
1着 ダノンシャーク ディープインパクト産 牡6
2着 フィエロ ディープインパクト産 牡5
3着 グランデッツァ アグネスタキオン産 牡5
4着 トーセンラー ディープインパクト産 牡6
5着 エキストラエンド ディープインパクト産 牡5
うむ、包んでる感いっぱいだ。
(自分は、ディープインパクト産が馬券圏内に2頭入るところまでは想定できたけど、ディープインパクト産に包んでもらう馬を間違えた。だから、すっからかんだった。たはは…。ハヂカシイ)
(ちなみに東京スポーツ杯もディープインパクト産が2着3着したから、頭は飛び出てしまったけれど、ディープインパクト産で包んだ形だ)
京都マイルがディープインパクトのものであることは、前々から言われていたけれど、それでもこの結果はそれなりの衝撃度の高さだ。
なんせディープインパクト産の古馬牡馬の精鋭が全員集結、全員集合していたようにも思えてしまうからだ。その証拠に今週のジャパンカップにディープインパクト産の古馬牡馬は2頭しかいない。スピルバーグとディサイファ(3歳牡馬はいない)。
日本最高賞金のレースに日本のリーディングサイアー1位のディープインパクト産の牡馬が2頭しかいないのは、別の意味でちょっとしたインパクトだ。しかも上位人気(3人気以内)にも入れそうにない。あくまでも伏兵の2頭。ディサイファに関しては伏兵扱いもされないかもしれない。
とはいえ、ジェンティルドンナ・デニムアンドルビー・ハープスターという日本が誇るディープインパクト牝馬がジャパンカップにスタンバイしている。だから種牡馬としての威厳は保たれているとは思う。
けどその一方で、種牡馬として、人気の中心に立つような牡馬がいなくていいのだろうか? とも思う。
親父としては3人娘の存在には目じりの下がる思いだろうけど、「職業・種付け屋」という立場では、やっぱり強い牡馬を送り込みたいのではないか?
つまり、現状を極論すればこうなる。こうなってしまう。
ディープインパクト産の牡馬は、古馬になったらマイルチャンピオンシップを目指す。
ディープインパクト産の牝馬は、いつでもジャパンカップを目指す。
マイルチャンピオンの1着賞金は1億円。
ジャパンカップの1着賞金は2億5千万円(来年は3億を超えるらしい)。
なんかヘンだ。ヘンテコだぞ。
賞金を稼ぐならば、今は世界的に牝馬の方が斤量は有利だから、強い牝馬を作ったほうがいいのかもしれないけれど、日本最高峰賞金レースで、牝馬にばかり勝たれていいのだろうか? 種牡馬ビジネスとしては、ここは牡馬に、特にディープインパクト牡馬に頑張っていただかなくて、いいのだろうか?
てな、ことを自分は3年前のジャパンカップで書いた。あの頃はディープインパクト産はデビューしたてでいなかったけれど、主旨は同じだ。
そう書いて、当時の女王ブエナビスタは勝てない、っていうか(いくつかの理由で)仕上げが弱く、勝ちたくても勝てないのではないか? ブエナビスタは負けて、牡馬が勝つ!
ブエナビスタは種牡馬選定度の強い天皇賞秋とジャパンカップで、負けて、向いてないと言われる有馬記念で勝つ! そんなドラマを想定してみた(天皇賞秋は1人気4着)。しかしあっさりブエナビスタに勝たれた。とんだ赤っ恥を晒した。自分の過去歴はこんなんばっかりだ。こういうのを黒履歴・黒歴史というようだけど、自分のは赤履歴だ。もちろん赤は赤っ恥の赤。ワハー!
とにかく、ビジネスのビの字もわからないような人間が種牡馬云々について、あーだこーだ語っても所詮、浅知恵もいいところで返り討ちに合うだけ。
素直に、ジャパンカップは牝馬が強い! それでいいのだ!
てなことを3年前に学んだのだった。
けしからんことを考えずに、どれだけ人気の牝馬に身を預けられるか、だと。
今年は3頭の牝馬が出走していて、みんなディープインパクト牝馬で、各世代の精鋭だ。
ジェンティルドンナ・JC2連覇中他いっぱいのG1勝ち・ムーア
デニムアンドルビー・JC2着・オークス3着
ハープスター・桜花賞1着・オークス2着・凱旋門賞6着
この3頭はエリザベス女王杯に目もくれずにジャパンカップに出走してくるのだから、ゼニだ。いやガチだ。ガチに決まってる!
あとはこの3頭の序列をどうするか?
もしくは、この3頭のうち、2頭が馬券圏内に入って、別の馬を包装する競馬をしてくれるか?
序列はカンタンだ。
最近のジャパンカップは4角で5、6番手にいないと勝てない。
ジェンティルドンナ・デニムアンドルビー・ハープスターで、4角5、6番手の競馬ができそうな馬は、ジェンティルドンナしかいない。
とはいえ、デニムアンドルビーもハープスターもそうそうナイガシロにできない。
理由は、この2頭がミスター・JCを自負するであろうJC三大調教師の馬だからだ。
JC三大調教師とは、
池江師・松田博師・角居師の三人。
それは、JCの過去を見れば一目瞭然だ。
13年
2着 デニムアンドルビー 角居
3着 トーセンジョーダン 池江
12年
2着 オルフェーヴル 池江
3着 ルーラーシップ 角居
11年
1着 ブエナビスタ 松田博
2着 トーセンジョーダン 池江
4着 トレイルブレイザー 池江
10年
2着 ブエナビスタ 松田博
3着 ヴィクトワールピサ 角居
09年
1着 ウオッカ 角居
08年
3着 ウオッカ 角居
07年
1着 アドマイヤムーン 松田博
2着 ポップロック 角居
4着 ウオッカ 角居
5着 デルタブルース 角居
06年
1着 ディープインパクト 池江(親父)
2着 ドリームパスポート 松田博
三調教師の馬から馬券を買えば、ほぼ、だいたい毎年のように2連レベルで的中することがわかる。
この三人がミスターなところは、1頭の強い馬の出現で、たまたま2、3回好成績をあげているわけではないところ。何頭かの馬で好成績をあげている。つまり日本最高賞金のジャパンカップに勝つための馬づくりをどんな馬でもしているとも言える。
今年は、
松田博 ハープスター
角居 デニムアンドルビー、エピファネイア
池江 トーセンジョーダン
だからハープスターもデニムアンドルビーもナイガシロにできない(ナイガシロにするつもりはそもそもないけど)。
ハープスターは札幌記念で4角4番手の競馬をしたけれど、あれは小回りの札幌コースだから成立したマクリで、東京競馬場では成立しにくい戦法だ。仮に成立することがあったとしても、今回のメンバーではその作戦は通用しないはず。
ただし、勝つために位置を取りにいく競馬をする可能性はある。松田博厩舎で馬券になった馬はスタートから出して行く傾向があるからだ。
松田博厩舎・JCで馬券になった馬(過去10年2-2-0-3・5頭で7回の出走)
ドリームパスポート 6-4-5-4 2着 岩田
アドマイヤムーン 3-5-6-4 1着 岩田
ブエナビスタ 14-14-12-10 2着(1着降着)スミヨン
ブエナビスタ 6-6-9-6 1着 岩田
出さなかったのはスミヨンだけ。他3頭は出していき、成功した。ただしすべて岩田だった。
そういえば川田は、同世代牝馬相手には「ふつう」に騎乗することを強調してたっけ。
ふつうとはもちろん、後方から進み、直線で外に出して、差す松田博流牝馬王道競馬。
しかし札幌記念では古馬牡馬相手に「大マクリ」という味付けを加えて勝った。
凱旋門賞では味付けせずに「ふつう」に騎乗して、6着した。はたして今回はどうするのか?
ふつうに騎乗するのか? 松田博流ジャパンカップ方程式に乗るなら、出していく競馬だけど、スミヨンの例もある。後方でも4角10番手くらいにつけられる競馬ができれば、ハープスターにもチャンスはあるはず。はたして川田が味付けするのか、ここはお楽しみだ。
角居厩舎は過去10年で1-2-4-4の成績(7頭で11回の出走)。
勝率.090 連対率.272 複勝率.636
7頭11回の出走で、この複勝率はすごい。
これだけで角居厩舎の馬はどんな馬でもナイガシロにできないことがわかる。
デニムアンドルビーは、休養→天皇賞秋→ジャパンカップだから、今年もジャパンカップを狙って参戦しているであろうことがわかる。
デニムアンドルビーは440前後の馬だから、55キロで去年同様の走りができるか未知の部分はあるけれど、角居流を考慮すれば3着は十分狙えそうだ。
ハープスターもデニムアンドルビーも位置取り的に差しに回る可能性が大きいから(デニムは中団競馬も試しているけど成果が出てない)、1着となると太鼓判は押せない。
けれど、松田博厩舎は1着か2着、角居厩舎は3着以内の競馬を得意としているから、馬券圏内ではやっぱり怖い2頭だ。
というわけで、整理すると、こうなる。
ジェンティルドンナ>ハープスター=デニムアンドルビー
うむ、実にふつうだ。
人気も見ておく。
予想1人気 ジェンティルドンナ
予想2人気 ハープスター
予想8人気 デニムアンドルビー
いい感じだ。
特にジェンティルドンナは世界のムーアを今年も確保できたことが人気を後押ししているように思える。
もし、ムーアが今年はジェンティルドンナではなく、ハープスターに騎乗していたら人気はどうなっていただろう。
もしかしたらハープスターが1人気? そのくらい今のムーアの存在感は際立っているように思える。東スポ杯でのサトノクラウンもムーアだから勝てたという人がいるくらいだ。真意はともかくそのくらいムーアが与えているインパクトは強い。
しかも今年は逃げるために出走してきたとしか思えないサトノシュレンがいる。
去年は、逃げる馬がいなくて、結果エイシンフラッシュが貧乏くじを引いて、逃げて惨敗した。エイシンフラッシュは逃げようと思って逃げた馬でないから、他の騎手も戸惑いながらレースを進めたかもしれない。だからペースも遅かった。
2年前 ジェンティルドンナ1着 2:23:1
去年 ジェンティルドンナ1着 2:26:1
どちらのペースでも勝てたのだから、ジェンティルドンナは相当強いと言えるけれど、ムーアも苦労したのではないだろうか?
その反省をもとに(?)用意されたのがサトノシュレンではないのか?(実際、逃げるために出走してくると思ってる人はいっぱいいるだろう)
外国人騎手が勝つためにペースメーカーを要求するのは自然なことだ。サトノのオーナーも東スポ杯でサトノクラウンを1着させてもらったのだから、サトノシュレンが逃げることに障害はないだろう。
サトノシュレンが逃げて、ジェンティルドンナは5、6番手くらいが理想か。
そう、ドバイシーマクラシックの位置取りだ。あのときは浜中のデニムアンドルビーが逃げた。あの逃げも押し出された逃げと言われているけど、結果的にはジェンティルドンナにとってはいい逃げだったはずだ。あの役どころをサトノシュレンは期待されていると想定するのは考えすぎか。
かくて、
ムーアがジェンティルドンナをソツなく操って、3連覇を達成し、
2着か3着にハープスターかデニムアンドルビーが突っ込んできて、
ディープインパクト牝馬の馬券圏内2頭入りが完成する。
う~~~む……実に無理がない。無理がなさすぎて、怖い。
――――――――――――
はじまりのおしまい。
ジェンティルドンナへのリスペクトがムーア鞍上で、より巨大化していないか?
――――――――――――
無理がないと思うと、落ち着かなくなる。
だから少し無理してみる。無理して展開を考えてみる。
サトノシュレンが逃げて、番手はタマモベストプレイがつける。
この先頭=番手は、過去の成績からも容易に想像できる。
なんといっても、この2頭は夏の札幌競馬で、すでに酷似した形を実戦しているからだ。
丹頂S
1着 タマモベストプレイ 3-3-3-2 津村
2着 サトノシュレン 1-1-1-1 秋山
丹頂Sで1着したことで、津村はつづく京都大賞典でも騎乗し、2番手を追走し、あわや1着!のクビ差2着した。
これは津村にもタマモベストプレイにも大きい2着だったろう。賞金を加算できたことで、騎手も馬もジャパンカップに出走できるからだ。
サトノシュレン=タマモベストプレイ=………
では3番手はなんだろう?
イスラボニータか?
イスラボニータはダービーで蛯名が、天皇賞秋ではルメールが早めに抜けすぎて、最後に差される競馬をしている。となると今回はもうちょっと後ろで競馬をしたくなるはず。2回も3回もソラを使いましたとは言えないからだ。理想はジェンティルドンナのすぐ後ろか。
だとすると………
おっと、3番手がなかなか読めないぞ。
っていうか、今年は1人気の存在がいつも以上に巨大化しそうだ。やはりムーアの存在は大きいか。
もし、ムーアが5、6番手で巨大な壁、強大な磁場になったとしたら……
タマモベストプレイと津村は、ノンプレッシャーのレースが望めるかもしれない。
サトンシュレン=ペースメーカーという認識が幅広く認知されれば、されるほど好都合だ。
ペースメーカーにペースを委ねてしまえるからだ。
委ねることで、有力馬たちはジェンティルドンナの一挙手一投足に神経を使える。
つまり2番手の馬はかまわれることなく、ほったらかしにされる可能性があるわけだ。
ほったらかしにされたら、タマモベストプレイだって黙っちゃいまい。仮にも京都大賞典で、天皇賞秋を0.2差で5着したヒットザターゲットに0.3差つけた馬だ。展開が少し狂えば、そのくらいの競馬はできる。
京都大賞典では、逃げるトゥザグローリーから7馬身くらい離れた2番手で、3番手のラストインパクトとも5馬身くらい離れていた。つまり理想のほったらかしが実現していた。
ジャパンカップも、サトノシュレンが逃げて、ちょっと離れてタマモベストプレイ、そこからまたちょっと離れて3番手の馬がいるような隊列ができれば、理想のほったらかしが生まれるかもしれない。
ポイントは3角から4角のコーナリングか。
ここで有力馬たちが東京競馬場の方程式どおりに動かずに直線に向いてくれれば、チャンスは生まれそう。まあ2億5千万のレースだから、ここで勝負に出る馬はそれなりにいる。いるけれど、ジェンティルドンナ&ムーアの存在が壁になってくれれば、まだわからない。
正直、ほったらかしにされるチャンスは薄いと思う。けど、穴が出るなら、ジェンティルドンナより前方で競馬をする馬の残り目を狙うのも1つの手だろう。
前方競馬といえば、角居師も松田博師同様にジャパンカップでは勝負のときに前方競馬を騎手に求める調教師だ。
松田博師が、前方競馬を岩田騎手でトライするのに対して、角居師はそれを外国人騎手に要求する。
一番印象的なのは、ウオッカで勝った09年だろう。前走の天皇賞秋を差して3着に負けたことから、騎手を武豊からルメールにスイッチして、ジャパンカップでは先行させて、1着させた。
ヴィクトワールピサはギュイヨンで2番手追走で3着だった。
ポップロックはペリエで先行して2着だった。
ルーラーシップはウィリアムズで差して3着だったけれど、これは出遅れたからで、本来は先行の指示だったのではないか?
今回のスミヨン騎乗は、福永騎手がジャスタウェイに騎乗することからの乗り替りかもしれないけれど、スミヨンを確保する以上はデキもいいと推測できる。
もちろんスミヨンに要求することは前方競馬だろう。
ジェンティルドンナをマークしつつ、ひと呼吸早い仕掛けでジェンティルドンナの末脚を封じ込めるような競馬。イメージとしてはジェンティルドンナのすぐ前にいて、最後までジェンティルドンナに抜かせなかった2013年のドバイ・シーマクラシックのセントニコラスアビーのような競馬か。
1着 セントニコラスアビー 2-2-2 1着
2着 ジェンティルドンナ 4-3-3 2着
セントニコラスアビーは差す競馬が信条だったけれど、このレースではあえて先行したらしい。
もちろんジェンティルドンナに勝つための作戦だったはず。
というわけで、今年のミスター・角居の作戦は前方でエピファネイア、後方でデニムアンドルビーと見立ててみた。
週の真ん中水曜日~木曜日。無理して書いてるはずだけど、少しずつレースにゆらぎが生じる可能性もあるような気がして来た。
――――――――――――
ジャパンカップ注目馬
――――――――――――
ムーア騎乗で、ジェンティルドンナへのリスペクトが巨大化すると、レースは動けなくなるか、落ち着きがなくなるかのどっちかだと思っている。
動けなくなったら、前方で競馬をしてる馬にチャンスが生まれるのではないか?
落ち着きがなくなったら、後方で競馬をしている馬にもチャンスが生まれるのではないか?
つまり、レースにゆらぎが生じる可能性もないとは言えないと思っている。
もし、ゆらいだらジェンティルドンナといえども取りこぼす可能性はある。
だから馬券はミスターJCと思しき松田博厩舎と角居厩舎の馬の勝負騎乗に期待してみる。
ハープスター 4角10番手
エピファネイア 外国人騎手の前方競馬
デニムアンドルビー 去年同様の後方競馬
超薄いお楽しみ。
ジェンティルドンナへのリスペクトが超巨大化したら、
タマモベストプレイのほったらかし走にほんのちょっとだけ期待できそう。
4角回るまでは、もしや!? まさか!? と思わせて欲しい。
ムーア騎乗でジェンティルドンナへのリスペクトが巨大化したら……
2014年11月27日(木)12時00分
- 注目数:64人
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はじめのはじまり。
ジャパンカップもディープインパクトという包装紙で包めるか?
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マイルチャンピオンシップは、
1着 ダノンシャーク ディープインパクト産 牡6
2着 フィエロ ディープインパクト産 牡5
3着 グランデッツァ アグネスタキオン産 牡5
だった。
ディープインパクト産古馬牡馬のワンツー。
馬券圏内にディープインパクト産2、それ以外産1という結果だった。
ディープインパクト産2頭が、別産駒の馬を包んだ形だ。
1着・2着がディープ産では包んでる感が弱いと感じるならば、こうすればどうだろう。
1着 ダノンシャーク ディープインパクト産 牡6
2着 フィエロ ディープインパクト産 牡5
3着 グランデッツァ アグネスタキオン産 牡5
4着 トーセンラー ディープインパクト産 牡6
5着 エキストラエンド ディープインパクト産 牡5
うむ、包んでる感いっぱいだ。
(自分は、ディープインパクト産が馬券圏内に2頭入るところまでは想定できたけど、ディープインパクト産に包んでもらう馬を間違えた。だから、すっからかんだった。たはは…。ハヂカシイ)
(ちなみに東京スポーツ杯もディープインパクト産が2着3着したから、頭は飛び出てしまったけれど、ディープインパクト産で包んだ形だ)
京都マイルがディープインパクトのものであることは、前々から言われていたけれど、それでもこの結果はそれなりの衝撃度の高さだ。
なんせディープインパクト産の古馬牡馬の精鋭が全員集結、全員集合していたようにも思えてしまうからだ。その証拠に今週のジャパンカップにディープインパクト産の古馬牡馬は2頭しかいない。スピルバーグとディサイファ(3歳牡馬はいない)。
日本最高賞金のレースに日本のリーディングサイアー1位のディープインパクト産の牡馬が2頭しかいないのは、別の意味でちょっとしたインパクトだ。しかも上位人気(3人気以内)にも入れそうにない。あくまでも伏兵の2頭。ディサイファに関しては伏兵扱いもされないかもしれない。
とはいえ、ジェンティルドンナ・デニムアンドルビー・ハープスターという日本が誇るディープインパクト牝馬がジャパンカップにスタンバイしている。だから種牡馬としての威厳は保たれているとは思う。
けどその一方で、種牡馬として、人気の中心に立つような牡馬がいなくていいのだろうか? とも思う。
親父としては3人娘の存在には目じりの下がる思いだろうけど、「職業・種付け屋」という立場では、やっぱり強い牡馬を送り込みたいのではないか?
つまり、現状を極論すればこうなる。こうなってしまう。
ディープインパクト産の牡馬は、古馬になったらマイルチャンピオンシップを目指す。
ディープインパクト産の牝馬は、いつでもジャパンカップを目指す。
マイルチャンピオンの1着賞金は1億円。
ジャパンカップの1着賞金は2億5千万円(来年は3億を超えるらしい)。
なんかヘンだ。ヘンテコだぞ。
賞金を稼ぐならば、今は世界的に牝馬の方が斤量は有利だから、強い牝馬を作ったほうがいいのかもしれないけれど、日本最高峰賞金レースで、牝馬にばかり勝たれていいのだろうか? 種牡馬ビジネスとしては、ここは牡馬に、特にディープインパクト牡馬に頑張っていただかなくて、いいのだろうか?
てな、ことを自分は3年前のジャパンカップで書いた。あの頃はディープインパクト産はデビューしたてでいなかったけれど、主旨は同じだ。
そう書いて、当時の女王ブエナビスタは勝てない、っていうか(いくつかの理由で)仕上げが弱く、勝ちたくても勝てないのではないか? ブエナビスタは負けて、牡馬が勝つ!
ブエナビスタは種牡馬選定度の強い天皇賞秋とジャパンカップで、負けて、向いてないと言われる有馬記念で勝つ! そんなドラマを想定してみた(天皇賞秋は1人気4着)。しかしあっさりブエナビスタに勝たれた。とんだ赤っ恥を晒した。自分の過去歴はこんなんばっかりだ。こういうのを黒履歴・黒歴史というようだけど、自分のは赤履歴だ。もちろん赤は赤っ恥の赤。ワハー!
とにかく、ビジネスのビの字もわからないような人間が種牡馬云々について、あーだこーだ語っても所詮、浅知恵もいいところで返り討ちに合うだけ。
素直に、ジャパンカップは牝馬が強い! それでいいのだ!
てなことを3年前に学んだのだった。
けしからんことを考えずに、どれだけ人気の牝馬に身を預けられるか、だと。
今年は3頭の牝馬が出走していて、みんなディープインパクト牝馬で、各世代の精鋭だ。
ジェンティルドンナ・JC2連覇中他いっぱいのG1勝ち・ムーア
デニムアンドルビー・JC2着・オークス3着
ハープスター・桜花賞1着・オークス2着・凱旋門賞6着
この3頭はエリザベス女王杯に目もくれずにジャパンカップに出走してくるのだから、ゼニだ。いやガチだ。ガチに決まってる!
あとはこの3頭の序列をどうするか?
もしくは、この3頭のうち、2頭が馬券圏内に入って、別の馬を包装する競馬をしてくれるか?
序列はカンタンだ。
最近のジャパンカップは4角で5、6番手にいないと勝てない。
ジェンティルドンナ・デニムアンドルビー・ハープスターで、4角5、6番手の競馬ができそうな馬は、ジェンティルドンナしかいない。
とはいえ、デニムアンドルビーもハープスターもそうそうナイガシロにできない。
理由は、この2頭がミスター・JCを自負するであろうJC三大調教師の馬だからだ。
JC三大調教師とは、
池江師・松田博師・角居師の三人。
それは、JCの過去を見れば一目瞭然だ。
13年
2着 デニムアンドルビー 角居
3着 トーセンジョーダン 池江
12年
2着 オルフェーヴル 池江
3着 ルーラーシップ 角居
11年
1着 ブエナビスタ 松田博
2着 トーセンジョーダン 池江
4着 トレイルブレイザー 池江
10年
2着 ブエナビスタ 松田博
3着 ヴィクトワールピサ 角居
09年
1着 ウオッカ 角居
08年
3着 ウオッカ 角居
07年
1着 アドマイヤムーン 松田博
2着 ポップロック 角居
4着 ウオッカ 角居
5着 デルタブルース 角居
06年
1着 ディープインパクト 池江(親父)
2着 ドリームパスポート 松田博
三調教師の馬から馬券を買えば、ほぼ、だいたい毎年のように2連レベルで的中することがわかる。
この三人がミスターなところは、1頭の強い馬の出現で、たまたま2、3回好成績をあげているわけではないところ。何頭かの馬で好成績をあげている。つまり日本最高賞金のジャパンカップに勝つための馬づくりをどんな馬でもしているとも言える。
今年は、
松田博 ハープスター
角居 デニムアンドルビー、エピファネイア
池江 トーセンジョーダン
だからハープスターもデニムアンドルビーもナイガシロにできない(ナイガシロにするつもりはそもそもないけど)。
ハープスターは札幌記念で4角4番手の競馬をしたけれど、あれは小回りの札幌コースだから成立したマクリで、東京競馬場では成立しにくい戦法だ。仮に成立することがあったとしても、今回のメンバーではその作戦は通用しないはず。
ただし、勝つために位置を取りにいく競馬をする可能性はある。松田博厩舎で馬券になった馬はスタートから出して行く傾向があるからだ。
松田博厩舎・JCで馬券になった馬(過去10年2-2-0-3・5頭で7回の出走)
ドリームパスポート 6-4-5-4 2着 岩田
アドマイヤムーン 3-5-6-4 1着 岩田
ブエナビスタ 14-14-12-10 2着(1着降着)スミヨン
ブエナビスタ 6-6-9-6 1着 岩田
出さなかったのはスミヨンだけ。他3頭は出していき、成功した。ただしすべて岩田だった。
そういえば川田は、同世代牝馬相手には「ふつう」に騎乗することを強調してたっけ。
ふつうとはもちろん、後方から進み、直線で外に出して、差す松田博流牝馬王道競馬。
しかし札幌記念では古馬牡馬相手に「大マクリ」という味付けを加えて勝った。
凱旋門賞では味付けせずに「ふつう」に騎乗して、6着した。はたして今回はどうするのか?
ふつうに騎乗するのか? 松田博流ジャパンカップ方程式に乗るなら、出していく競馬だけど、スミヨンの例もある。後方でも4角10番手くらいにつけられる競馬ができれば、ハープスターにもチャンスはあるはず。はたして川田が味付けするのか、ここはお楽しみだ。
角居厩舎は過去10年で1-2-4-4の成績(7頭で11回の出走)。
勝率.090 連対率.272 複勝率.636
7頭11回の出走で、この複勝率はすごい。
これだけで角居厩舎の馬はどんな馬でもナイガシロにできないことがわかる。
デニムアンドルビーは、休養→天皇賞秋→ジャパンカップだから、今年もジャパンカップを狙って参戦しているであろうことがわかる。
デニムアンドルビーは440前後の馬だから、55キロで去年同様の走りができるか未知の部分はあるけれど、角居流を考慮すれば3着は十分狙えそうだ。
ハープスターもデニムアンドルビーも位置取り的に差しに回る可能性が大きいから(デニムは中団競馬も試しているけど成果が出てない)、1着となると太鼓判は押せない。
けれど、松田博厩舎は1着か2着、角居厩舎は3着以内の競馬を得意としているから、馬券圏内ではやっぱり怖い2頭だ。
というわけで、整理すると、こうなる。
ジェンティルドンナ>ハープスター=デニムアンドルビー
うむ、実にふつうだ。
人気も見ておく。
予想1人気 ジェンティルドンナ
予想2人気 ハープスター
予想8人気 デニムアンドルビー
いい感じだ。
特にジェンティルドンナは世界のムーアを今年も確保できたことが人気を後押ししているように思える。
もし、ムーアが今年はジェンティルドンナではなく、ハープスターに騎乗していたら人気はどうなっていただろう。
もしかしたらハープスターが1人気? そのくらい今のムーアの存在感は際立っているように思える。東スポ杯でのサトノクラウンもムーアだから勝てたという人がいるくらいだ。真意はともかくそのくらいムーアが与えているインパクトは強い。
しかも今年は逃げるために出走してきたとしか思えないサトノシュレンがいる。
去年は、逃げる馬がいなくて、結果エイシンフラッシュが貧乏くじを引いて、逃げて惨敗した。エイシンフラッシュは逃げようと思って逃げた馬でないから、他の騎手も戸惑いながらレースを進めたかもしれない。だからペースも遅かった。
2年前 ジェンティルドンナ1着 2:23:1
去年 ジェンティルドンナ1着 2:26:1
どちらのペースでも勝てたのだから、ジェンティルドンナは相当強いと言えるけれど、ムーアも苦労したのではないだろうか?
その反省をもとに(?)用意されたのがサトノシュレンではないのか?(実際、逃げるために出走してくると思ってる人はいっぱいいるだろう)
外国人騎手が勝つためにペースメーカーを要求するのは自然なことだ。サトノのオーナーも東スポ杯でサトノクラウンを1着させてもらったのだから、サトノシュレンが逃げることに障害はないだろう。
サトノシュレンが逃げて、ジェンティルドンナは5、6番手くらいが理想か。
そう、ドバイシーマクラシックの位置取りだ。あのときは浜中のデニムアンドルビーが逃げた。あの逃げも押し出された逃げと言われているけど、結果的にはジェンティルドンナにとってはいい逃げだったはずだ。あの役どころをサトノシュレンは期待されていると想定するのは考えすぎか。
かくて、
ムーアがジェンティルドンナをソツなく操って、3連覇を達成し、
2着か3着にハープスターかデニムアンドルビーが突っ込んできて、
ディープインパクト牝馬の馬券圏内2頭入りが完成する。
う~~~む……実に無理がない。無理がなさすぎて、怖い。
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はじまりのおしまい。
ジェンティルドンナへのリスペクトがムーア鞍上で、より巨大化していないか?
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無理がないと思うと、落ち着かなくなる。
だから少し無理してみる。無理して展開を考えてみる。
サトノシュレンが逃げて、番手はタマモベストプレイがつける。
この先頭=番手は、過去の成績からも容易に想像できる。
なんといっても、この2頭は夏の札幌競馬で、すでに酷似した形を実戦しているからだ。
丹頂S
1着 タマモベストプレイ 3-3-3-2 津村
2着 サトノシュレン 1-1-1-1 秋山
丹頂Sで1着したことで、津村はつづく京都大賞典でも騎乗し、2番手を追走し、あわや1着!のクビ差2着した。
これは津村にもタマモベストプレイにも大きい2着だったろう。賞金を加算できたことで、騎手も馬もジャパンカップに出走できるからだ。
サトノシュレン=タマモベストプレイ=………
では3番手はなんだろう?
イスラボニータか?
イスラボニータはダービーで蛯名が、天皇賞秋ではルメールが早めに抜けすぎて、最後に差される競馬をしている。となると今回はもうちょっと後ろで競馬をしたくなるはず。2回も3回もソラを使いましたとは言えないからだ。理想はジェンティルドンナのすぐ後ろか。
だとすると………
おっと、3番手がなかなか読めないぞ。
っていうか、今年は1人気の存在がいつも以上に巨大化しそうだ。やはりムーアの存在は大きいか。
もし、ムーアが5、6番手で巨大な壁、強大な磁場になったとしたら……
タマモベストプレイと津村は、ノンプレッシャーのレースが望めるかもしれない。
サトンシュレン=ペースメーカーという認識が幅広く認知されれば、されるほど好都合だ。
ペースメーカーにペースを委ねてしまえるからだ。
委ねることで、有力馬たちはジェンティルドンナの一挙手一投足に神経を使える。
つまり2番手の馬はかまわれることなく、ほったらかしにされる可能性があるわけだ。
ほったらかしにされたら、タマモベストプレイだって黙っちゃいまい。仮にも京都大賞典で、天皇賞秋を0.2差で5着したヒットザターゲットに0.3差つけた馬だ。展開が少し狂えば、そのくらいの競馬はできる。
京都大賞典では、逃げるトゥザグローリーから7馬身くらい離れた2番手で、3番手のラストインパクトとも5馬身くらい離れていた。つまり理想のほったらかしが実現していた。
ジャパンカップも、サトノシュレンが逃げて、ちょっと離れてタマモベストプレイ、そこからまたちょっと離れて3番手の馬がいるような隊列ができれば、理想のほったらかしが生まれるかもしれない。
ポイントは3角から4角のコーナリングか。
ここで有力馬たちが東京競馬場の方程式どおりに動かずに直線に向いてくれれば、チャンスは生まれそう。まあ2億5千万のレースだから、ここで勝負に出る馬はそれなりにいる。いるけれど、ジェンティルドンナ&ムーアの存在が壁になってくれれば、まだわからない。
正直、ほったらかしにされるチャンスは薄いと思う。けど、穴が出るなら、ジェンティルドンナより前方で競馬をする馬の残り目を狙うのも1つの手だろう。
前方競馬といえば、角居師も松田博師同様にジャパンカップでは勝負のときに前方競馬を騎手に求める調教師だ。
松田博師が、前方競馬を岩田騎手でトライするのに対して、角居師はそれを外国人騎手に要求する。
一番印象的なのは、ウオッカで勝った09年だろう。前走の天皇賞秋を差して3着に負けたことから、騎手を武豊からルメールにスイッチして、ジャパンカップでは先行させて、1着させた。
ヴィクトワールピサはギュイヨンで2番手追走で3着だった。
ポップロックはペリエで先行して2着だった。
ルーラーシップはウィリアムズで差して3着だったけれど、これは出遅れたからで、本来は先行の指示だったのではないか?
今回のスミヨン騎乗は、福永騎手がジャスタウェイに騎乗することからの乗り替りかもしれないけれど、スミヨンを確保する以上はデキもいいと推測できる。
もちろんスミヨンに要求することは前方競馬だろう。
ジェンティルドンナをマークしつつ、ひと呼吸早い仕掛けでジェンティルドンナの末脚を封じ込めるような競馬。イメージとしてはジェンティルドンナのすぐ前にいて、最後までジェンティルドンナに抜かせなかった2013年のドバイ・シーマクラシックのセントニコラスアビーのような競馬か。
1着 セントニコラスアビー 2-2-2 1着
2着 ジェンティルドンナ 4-3-3 2着
セントニコラスアビーは差す競馬が信条だったけれど、このレースではあえて先行したらしい。
もちろんジェンティルドンナに勝つための作戦だったはず。
というわけで、今年のミスター・角居の作戦は前方でエピファネイア、後方でデニムアンドルビーと見立ててみた。
週の真ん中水曜日~木曜日。無理して書いてるはずだけど、少しずつレースにゆらぎが生じる可能性もあるような気がして来た。
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ジャパンカップ注目馬
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ムーア騎乗で、ジェンティルドンナへのリスペクトが巨大化すると、レースは動けなくなるか、落ち着きがなくなるかのどっちかだと思っている。
動けなくなったら、前方で競馬をしてる馬にチャンスが生まれるのではないか?
落ち着きがなくなったら、後方で競馬をしている馬にもチャンスが生まれるのではないか?
つまり、レースにゆらぎが生じる可能性もないとは言えないと思っている。
もし、ゆらいだらジェンティルドンナといえども取りこぼす可能性はある。
だから馬券はミスターJCと思しき松田博厩舎と角居厩舎の馬の勝負騎乗に期待してみる。
ハープスター 4角10番手
エピファネイア 外国人騎手の前方競馬
デニムアンドルビー 去年同様の後方競馬
超薄いお楽しみ。
ジェンティルドンナへのリスペクトが超巨大化したら、
タマモベストプレイのほったらかし走にほんのちょっとだけ期待できそう。
4角回るまでは、もしや!? まさか!? と思わせて欲しい。
コラムニストプロフィール
- かしわでちょうほう
- 競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。
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