2013年11月21日木曜日

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2013年11月20日(水)更新

馬場的見地からJCのステップレースを復習する



 今週末のジャパンカップでついに今年の東京開催、京都開催が終了する。ついに、というのは、今秋の両開催があまりに山あり谷あり、ではなく、雨あり台風ありで、最終週にたどり着くまでが、ようやく、あるいは、やっと、という感じだったからだ。

 今回は週末のJCのために、ステップレースのいくつかを馬場的な見地から復習してみる。それぞれのステップレースにはそれぞれの馬場的、天候的な背景がある。それを思い出すと、本番がけっこう立体的に見えてくる、という期待からだ。

 まず大きく遡って昨年のJCから。昨年秋の東京は今年とは違って雨に降られることが少なく、JCも1週間ほぼ雨なしで迎えた。馬場はかなり乾き気味だった。ジェンティルドンナはやや速めのミドルペースを先行追走したが、内内を走った分でオルフェーブルに競り勝った。

 一方今年の宝塚記念は週日に雨が降ってやや渋った馬場だった。シルポートが逃げて前後半46.6-50.4。内が傷んでいるBコースでゴールドシップは外を回り、早めに前に出て突き放した。このときジェンティルドンナは伸びずの3着。

 毎日王冠は土曜日に雨が降ってやや水分多めの良。前後半48.2-45.9のスローペースで、内を走っていたエイシンフラッシュが32.8秒で差し切った。

 それに対して京都大賞典は芝が乾いていた。前後半48.8-46.0の後傾ラップになり、ゴールドシップが凡走した。いくら最初に追って先行したとはいえ、前にいる有利さもあったはずだが、それ以上に上がりが速くなったのが敗因か。

 続いて、台風が接近して土曜日に大雨が降った翌日の天皇賞。やはり水分多めの良。見た目は毎日王冠と同じようなラップだが、実際は前後半46.5-47.2のハイペースだった。ジェンティルドンナはそのハイペースを追走して最後に脚が止まった。ここで伸びているのはジャスタウェイとエイシンフラッシュの2頭。

 アルゼンチン共和国杯は久々に乾いた馬場。前後半48.5-47.1のちょっと遅めのミドルペースでルルーシュは先行して伸びなかった。勝ったアスカクリチャンも最内走っているので、内が悪かったから伸びなかったのでもない。となると差したアドマイヤラクティとホッコーブレーヴのほうが評価が上になる。

 こうしてみると、ジェンティルドンナはペースの速い・遅いよりも乾いて速い馬場でもっとも強く、エイシンフラッシュは、含水量どうこうよりもスローで上がりが速くなることが好走条件のようである。それに対してゴールドシップは、ペースが速いか、含水量が高いかのいずれかで、上がりが遅くなることが好走条件のようだ。そこであらためてゴールドシップの戦歴を振り返ってみると、33秒台の上がりを出せたのは共同通信杯とダービーの2回だけしかない。

 今年もここへきてようやく天気が落ち着いてきたし、先週からCコースに替わって馬場が一新した。今週は雨もなく芝も乾いている。また今年はピートブラックのようにレースを引っ張る馬がいない。トーセンジョーダンが買って出るか、あるいはゴールドシップ自ら買って出るか。どっちにしてもペースが速くなるとは思えない。

 ということは今回は普通に考えてジェンティルドンナとエイシンフラッシュに有利で、ゴールドシップに不利な展開が予想される。ぼくは現状ではジェンティルドンナとエイシンフラッシュのどちらか1頭を軸にアンコイルド、アドマイヤラクティ、ホッコーブレーヴに流す馬券を考えている。

プロフィール
城崎哲
1959年栃木県生まれ。競馬雑誌編集者を経て、フリーランスのライターに。 『カリスマ装蹄師 西内荘の競馬技術』により2007年JRA賞馬事文化賞受賞。 まるで学者のように調査対象を多角的に突き詰める業界屈指の取材力を持ち、 JRA馬場造園課など独自のコネクションも数多く築いている。 他に『コースの鬼!2nd Editon』、『ハンデキャッパーの方法』など、競馬に関する著作多数。

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