2013年11月25日月曜日

女王

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131125-1222859.html

ジェンティル連覇 復活!最強女王/JC

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ジェンティルドンナ(右)はデニムアンドルビー(左)の追撃を抑えジャパンC連覇
ジェンティルドンナ(右)はデニムアンドルビー(左)の追撃を抑えジャパンC連覇
ジャパンC>◇24日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳上◇出走17頭
 1番人気のジェンティルドンナ(牝4、石坂)が鼻差の激戦を制し、レース史上初の連覇を飾った。初コンビを組んだライアン・ムーア騎手(30=英国)が巧みな騎乗でパートナーをエスコートし、栄光をつかみ取った。勝利にも笑顔ひとつ見せない姿は、まさに仕事人だ。
 ムーアは願った。馬上で念じた。「粘れ!」。押し切りを狙ったジェンティルドンナに、外からデニムアンドルビーが襲いかかった。内と外。2頭の牝馬が横一線に並ぶ。連覇か? 新星誕生か? 約24センチの鼻差を制したのは、昨年の覇者。「ゴールの瞬間は勝ったと思った。でも、過去の教訓から油断はしなかった」。写真判定の末、電光掲示板に浮かんだのは「7」の数字。33回目にして、連覇は史上初の快挙だ。
 世界トップクラスの技量を、存分に見せつけた。石坂師から受けた「人馬でリラックスして」の指示を守り、スムーズに馬を導くことだけを考えた。1000メートル通過は62秒4。未勝利並みのスローペースにも動じない。向正面でハミを取りかけると、巧みに馬と馬の間に押し込んだ。勝負どころでは馬の気持ちを最優先し、早めのゴーサインも出した。あめとムチを織り交ぜた好騎乗。ノーザンファームの吉田勝己代表も「完璧だった」と絶賛だった。
 大一番を前にしての乗り替わり。石坂師は「勝負の世界ですからね。天皇賞の後、オーナーと協議をして決めました」と内幕を明かす。並の人間なら重圧に押しつぶされる状況下だが、世界を股に掛けて活躍する男には縁がない。騎乗依頼はブリーダーズCのために滞在中の、米国で受けた。日本からの電話がかかってきたのは午前3時。「うれしいとかよりも、早く寝たいと思った」。この太い神経がなければ、世界のトップではいられない。
 歓喜の渦巻く検量室前でも、顔色ひとつ変えなかった。唯一、喜びを表現したのは右手を掲げた小さな敬礼ポーズ。これとて普段のレース後と変わりない。共同会見でも神妙な表情のまま「凱旋門賞はかなり厳しいし、アスコット(キングジョージ)は少しましだろうけど、きつい2400メートルになる」。夢を見る外野の声を冷静に封じた姿は、まさに仕事人だった。【鈴木良一】
 ◆ジェンティルドンナ▽父 ディープインパクト▽母 ドナブリーニ(ベルトリーニ)▽牝4▽馬主 (有)サンデーレーシング▽調教師 石坂正▽生産者 ノーザンファーム(北海道安平町)▽戦績13戦8勝(うち海外1戦0勝)▽総収得賞金11億1686万3400円(同8610万5400円)▽主な勝ち鞍 12年シンザン記念(G3)桜花賞(G1)オークス(G1)ローズS(G2)秋華賞(G1)ジャパンC(G1)▽馬名の意味 イタリア語で「貴婦人」。
 ◆ライアン・ムーア 1983年9月18日、英国生まれ。00年に父の管理馬に騎乗し障害デビュー。02年からは舞台を平地に移し、翌年に英最優秀見習い騎手に輝く。英リーディングは3度(06、08、09年)。23歳でのリーディング獲得は史上2番目の若さだ。日本ではスノーフェアリーとのコンビで、10、11年に外国馬による史上初のG1連覇(エリザベス女王杯)を達成した。
 [2013年11月25日9時0分 紙面から]

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