それでは、昨日のジャパンCを振り返ろう。

ジェンティルドンナはインのいい位置を取れたし、スローペースでもすぐに折り合いが付いてスムーズに流れに乗れていたね。流れが遅くなった分、さすがに最後は切れ味勝負になったけど、追ってからの伸びも相変わらず素晴らしかった。馬を落ち着かせながら走らせていたし、ペースも遅かっただけに、ワンテンポ早めに仕掛けたタイミングもドンピシャ。いい位置を取るために1コーナーで内に切れ込んで他馬に迷惑を掛けたけど、そこを除けばムーアが本当にうまく乗っていたよね。好不調の波が大きい牝馬にしては常に高いレベルで安定していて、本当に大した馬。これからも頑張ってくれるんじゃないかな。

デニムアンドルビーは後ろからの競馬になったんだけど、スタートを決めて常にゴールドシップよりも前で運んでいたね。3コーナーからゴールドと一緒に動いていたし、僕が思った通りの競馬ができていただけに、直線で目の前にいたルルーシュがモタついて、追い出しをワンテンポ待たされる羽目になったのが残念。外からドゥーナデンに押し込まれる格好にもなったしね。着差も着差(ハナ差)だから、そこがスムーズなら逆転まであったんじゃないかな。まぁ、デキの良さを生かして頑張っているし、まだ3歳馬でもっと良くなるだろうから、これからが楽しみだよ。

トーセンジョーダンはテンから積極的に前に付けて、道中も早め早めに動いていたね。ペースが遅くなっただけに、この判断は正解だったと思う。切れ味勝負では分が悪い反面、バテないしぶとさがあることを掴んで、ビュイックも思い切って先行したんだろう。調教の動きからデキが良かったとは思えないから、乗り役の好騎乗、スローペースで先行馬有利な展開がうまく噛み合った分の3着と言えるんじゃないかな。

アドマイヤラクティは、1コーナーでジェンティルドンナに外から寄られたとはいえ、その分、内ラチ沿いの経済コースを取れたからね。道中もロスなく乗れていただけに、前回(アルゼンチン共和国杯2着)のデキにあれば、もっと際どい勝負になっていたんじゃないかな。ブログにも書いた通りで、調教では内にササっていたし、毛ヅヤも物足りなく映ったから。ただ、ロスなくうまい競馬ができても4着が精一杯だから、GⅠに入るとやっぱりワンパンチ足りないんだろうね。

ドゥーナデンはスローペースで流れが向かなかったのに、後ろから行って良く追い込んで来ているよ。初めての日本の競馬でこれだけやれたんだから、東京の硬い馬場も合っているんじゃないかな。

ナカヤマナイトは1コーナーでジェンティルドンナに寄られて、馬が怒ってしまったのが痛かったね。(柴田)善臣としては内枠を利してキッチリ2400mを走るべく、インコースをピッタリ回りたかったんだろう。その通りの競馬はできていただけに、折り合っていれば結果も違っていたんじゃないかな。

イシンフラッシュは、押し出されるようにハナに立ったのが痛かったね。いくらスローペースとはいえ、道中も気分良く行き過ぎた。ジックリ溜めて一箇所だけ脚を使わせてなんぼの馬だから、この形になったら持ち味が生きないよ。調教の動きからしてデキが良さそうだっただけに、もったいない競馬になってしまったね。

ゴールドシップは後ろからジックリ行って、この馬の指定席から競馬ができている。3コーナーからは徐々に上がって行けたんだけど、スローのヨーイドンの競馬になったのが痛かった。切れる脚はないだけに、この展開になったらさすがに苦しいよ。直線では周りに馬がいなくて1頭になった分、自分から走るのを止めてしまったんだろう。前回(京都大賞典)はある程度前に行って結果が出なかった(5着)し、僕は後ろから行ってマクる競馬がベストだと思っている。自分の競馬はできていたんだから、今回はこの馬向きの展開にならなかったことに尽きるんじゃないかな。