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【天皇賞・秋】5冠仕様!ジェンティル12秒5(1/3ページ)
最強古馬決定戦、天皇賞・秋(27日、東京、GI、芝2000メートル)に出走するジェンティルドンナ(栗東・石坂正厩舎、牝4歳)の追い切りが23日、滋賀県栗東トレーニングセンターで行われた。6月の宝塚記念3着以来の実戦となるが、昨年の年度代表馬は鋭いフィニッシュで心身ともに成長した姿を披露。サンケイスポーツ調教評価でただ1頭の「S」を獲得した。天皇賞・秋は24日、枠順が確定。25日に一部ウインズで金曜発売が実施される。
雨が降り出しそうな曇り空のせいか、朝一番の坂路は薄暗く見えた。ジェンティルドンナが、そこを一直線に駆け上がる。1週前追い切りに騎乗して感触を確かめた岩田康誠騎手が、確かな手応えを口にした。
「まったくの別物。宝塚記念のときもよかったけど、馬が力をつけてくれているのを先週、乗って感じた。より自信を持ってレースにいける」
最終追い切りは坂路で単走。徐々に加速し、ラスト200メートルを過ぎて軽く仕掛けられるとスッとギアを上げ、鋭くフィニッシュ。夜明け前に雨が降ったこともあり、時計がかかる馬場状態を考えれば、ラスト200メートル12秒5(800メートル53秒7)は上々だ。
1週前追い切りの17日には、坂路で800メートル51秒3の一番時計をマーク。しっかりと負荷をかけた。手綱を取った井上調教助手も「きっちり仕上がった。言い訳できない状態」とうなずく。
1番人気に支持された前走の宝塚記念は3着。良馬場発表ながら水分をたっぷり含んだ力の要る馬場で、切れ味をそがれたようにみえた。だが、岩田騎手は「道中の力みが直線の伸びにつながらなかった」と分析。「春と全然違う。リラックスできていて、(調教でも)ラスト1ハロンからの伸びが違う」と精神面の充実を強調し「何とか道中でリラックスさせて、直線で脚を残したい」と巻き返しを誓った。
ぶっつけ本番でも対策は万全。海外遠征帰りだった宝塚記念当時は5週前に放牧先から栗東に帰厩したが、今回は2カ月前に帰厩してじっくり乗り込み、いきなり全力を出せるように仕上げた。春と比べて骨格が大きくなり、馬体重も先週で492キロ(宝塚記念時は470キロ)とパワーアップ。もちろん太め感はない。
牝馬3冠(桜花賞、オークス、秋華賞)、ジャパンCに次ぐ5冠へ、視界は明るい。現役のJRA・GI5勝は最多でオルフェーヴルだけ。歴代の牝馬ではウオッカ(7勝)、ブエナビスタ(6勝)に続き、5勝のメジロドーベルとアパパネに並ぶ。名牝への道を着々と歩んでいる。
「左回りはプラス。コース相性もいいので何とかいい結果を出したい」と主戦ジョッキーは力を込める。東京はオークスとジャパンCで2戦2勝。得意のコースで、女王の強さを見せつける。 (川端亮平)
★1番人気濃厚
今年の天皇賞・秋は23日現在、17頭が出走を表明。実績では昨年の年度代表馬でGI4勝のジェンティルドンナが抜けており、1番人気の可能性は高い。続くのが昨年の覇者エイシンフラッシュ。前哨戦の毎日王冠を勝ち、陣営の青写真通りにきている。武豊騎乗のトウケイヘイローは、メキメキと力をつけて重賞3連勝中。GI挑戦は2歳時以来だが、勢いでは一番といえる。宝塚記念2着のダノンバラードも陣営のムードがよく、上位争いできる。
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