2013年10月24日木曜日

証明

http://www.tokyo-sports.co.jp/race/horse/196755/

「ジェンティル宝塚以上」を証明

 トレセン近郊の育成場を活用した短期放牧が多用される今の時代、入キュウ2週間での出走は当たり前。休み明けの馬の仕上がりを調教量だけで推しはかるのはなかなか難しいが“縦の比較”で見るとある程度の概要はつかむことができる。今週の天皇賞で、宝塚記念(3着)以来のぶっつけでGⅠ取りをもくろむジェンティルドンナ。その仕上げがどれだけのものであるかを見極めるにも、その手法が有効だ。

 3歳秋のローズS、今年のドバイシーマクラシック、宝塚記念と2か月半以上の休み明けでレースに臨んだことが過去3回あるが、注目すべきはその調整日程の違い。カギとなるのは毎回休養の際、利用されるノーザンしがらきからトレセンに戻ってきた帰キュウ日だ。

 ローズSの時はレース46日前。ドバイ遠征時は海外ということもあってか同59日前での帰キュウだったが、宝塚記念当時はローズSよりも余裕の少ない39日前に帰キュウしている。レース間隔が3か月弱とやや短かったから? とはいえ、海外遠征帰りで一旦馬を緩ませてからの仕上げだったことを考えれば、5週間の調整で完調に持っていくにはやや無理があったようだ。

 しかし、今回は…実にレース2か月前(60日前)になる8月28日に帰キュウし、翌日から坂路入りを開始している。毎日王冠を勝ったエイシンフラッシュが同レース出走を目指し放牧から帰キュウしたのが8月21日で、坂路入りが同27日だから、前哨戦に使ってもいいぐらいの日程で調整期間をたっぷり取ってきたわけだ。

「なんとか出走態勢に持っていった宝塚の時より間隔があるから今回はじっくり調整できている。これは大きい」と日迫助手が話すのも納得。1週前追い切りに騎乗した岩田も「宝塚の時は稽古でブレーキをかけるようなところがあったけど、今は最後まで気持ちが持続する感じ。よくなっている」と明らかな違いを告げている。十分な在キュウ期間でみっちり仕上げて臨む以上、休み明けを気にする必要はないだろう。

 (栗東の坂路野郎・高岡功)

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