2013年10月24日木曜日

皇賞

http://www.nikkansports.com/race/news/p-rc-tp0-20131024-1208298.html

ジェンティル復権へ馬なり一直線/天皇賞

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栗東坂路コースを単走で力強く駆け上がるジェンティルドンナ(撮影・奥田泰也)
栗東坂路コースを単走で力強く駆け上がるジェンティルドンナ(撮影・奥田泰也)
<天皇賞・秋:追い切り>
 秋の古馬頂上決戦「第148回天皇賞・秋」(G1、芝2000メートル、27日=東京)に向けて23日、昨年の年度代表馬ジェンティルドンナ(牝4、石坂)が栗東坂路で追い切られた。牡馬勝りのパワフルな走りで軽々と好時計をマークし、万全の仕上がりをアピール。今回は前走の宝塚記念3着以来、4カ月ぶりの実戦となるが、女王にはまったく関係なしのムードだ。
 無数のフラッシュを浴びながら、岩田騎手は力強く締めくくった。「天皇賞にはたくさん強い馬が出てきますが、ジェンティルドンナは昨年の年度代表馬。いいレースをしたいですし、すばらしい走りを見せられると思います」。共同会見のラスト。その表情には自信と確信があふれていた。
 自ら感触を確かめた1週前追い、見守った最終追いが根拠だ。この日は井上助手が騎乗して坂路を馬なりで4ハロン53秒7-12秒5。やや重のウッドチップをまったく問題にせず、一直線に駆け上がった。
 鞍上が乗った1週前(17日)も坂路。馬場状態こそ違ったが4ハロン51秒3-12秒6と抜群のタイムをたたき出していた。直後に話したのは「違う、何かが違う。もちろん、いい意味で」。明らかに違った具体的なものは、この日の最終追いにも表れていた。
 岩田騎手 春は走っていて突然、耳を絞ったり、ドバイ(シーマクラシック2着)の時でも、走ることに反抗するようなところがあった。それが道中の力みになって、宝塚記念もそうだけど、最後に脚を残せなかった。でも、今回は違う。戻ってきたというか、春とは全然違う。乗り込みも豊富だし、充実した夏を過ごしたんだろうなと感じる。
 前走後のしっかりしたリフレッシュと、およそ2カ月の入念な調整が鞍上に“違い”を感じさせた。石坂師は「今までも何度か休養はあるが、今回が一番長かった。その分、しっかり乗り込めた」と話す。宝塚記念後の放牧から8月中に帰厩し、9月初旬からもう時計を出し始めていた。「昨年のローズS(1着)も休み明けだが、今回とはレースが違う。いきなりG1だから」。前哨戦ではなく、秋初戦から強豪牡馬とあいまみえる頂上決戦。万全の調整が施された。
 「いきなり能力を出せる態勢になったと思う。強い走りをお見せしたい」と師が話せば、岩田騎手は「負けられない気持ち。いい結果を出さないといけない」と表情を引き締める。もう1度、現役最強馬の座へ。女王が秋の盾から全開となりそうだ。【伊嶋健一郎】
 [2013年10月24日9時7分 紙面から]

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