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ジェンティル、心肺万全/宝塚記念
<宝塚記念:追い切り>
4歳3強対決に沸く宝塚記念(G1、芝2200メートル、23日=阪神)の最終追い切りが19日東西トレセンで行われ、昨年の年度代表馬ジェンティルドンナ(牝、石坂)は栗東坂路で軽快な動きを披露。岡本光男記者は、時計よりも「息の入り」に注目。追い切り後すぐに呼吸が整う抜群の心肺機能に出来の良さを確信した。
雨が降り出す前の栗東坂路は、今年になってもっとも速い時計が出るコンディションだった。馬場開場から4ハロン50秒台の好時計が続出。未勝利馬のエリモタフネスは49秒7をたたき出した。ジェンティルドンナはこんな状況の中で追い切られた。外ラチ沿いを素軽い身のこなしで駆け上がり、軽く追われただけで51秒8-12秒3。騎乗した井上助手いわく「本当にスムーズで、無理をしないでこの時計が出た」。予定は54秒程度だったという。
実は時計が出やすく軽い馬場はかえって状態の良しあしを判断しづらい。状態が良くなくても動きが良く見えてしまうことがあるのだ。この日のジェンティルも動きは素晴らしかったが、それだけでは状態の見極めは難しい。だが、追い切り後の様子から、記者は完調であることを確信した。
もともと極端に心肺機能が発達した馬で、「速い追い切りをしても、一定以上は心拍数が上がらない」と井上助手は話す。走った後、呼吸が整うまでの時間が短いのも特徴的だが、同助手はこの日もほとんど息が乱れていなかったという。「ゴール後にUターンする場所で、前を横切る馬がいて少し待たされたけど、普通に立ち止まった。あらためてすごいなあと思った」。
追い切られた直後の馬は苦しくて早歩きになったり、暴れたりするのが普通だ。人間でも息が苦しい時に静止するのは難しい。それがぴたりと立ち止まれるのは「もう呼吸が整っていたから」。いわゆる“息の入り”は極端にいい。1週前追い切りでは、先週のユニコーンSを勝ったベストウォーリアと併走し子供扱いしたが「先週に比べても息の入りはずっと良くなった。ジャパンCと同じぐらい」と、先週ベストウォーリアの鞍上からジェンティルを観察していた同助手は話す。
競馬における「仕上がり」の大部分は、心肺機能ができあがっているかどうかである。その点、ジェンティルドンナは申し分なし。いつも坂路下の角馬場で、追い切った後の馬をチェックする石坂師も「万全の状態」と言い切る。
海外遠征帰りの馬には、常に体調面の不安がつきまとうが、その心配はまったくない。
[2013年6月20日8時59分 紙面から]
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