昨日の京都記念を振り返っておこう。

デスペラードは、ノリ（横山典騎手）の決め打ちがうまくハマった感じ。思い切ってハナに行ったんだけど、番手の馬が抑えてくれたことで楽なペースで行けたからね。前半の１０００ｍは１分３秒７。ハッキリ言ってしまえば未勝利並のペースだし、後ろの馬はみんな引っ掛かっていたから…。ただ、この馬は器用さがないね。３～４コーナーで外からトゥザグローリーが来た時に、ノリの手が動いてもエンジンが掛からなかった。直線で叩き出してようやく…といった感じだったけど、それが最後のひと伸びにつながったんだろう。とにもかくにも、今回は全部うまくいった。少なくとも、“強いな”って思わせるような勝ち方ではなかったよ。

ペースが遅かったから、いつもより前で競馬をしていたトーセンラー。その辺はさすが（武）豊だね。楽逃げしていた勝ち馬に粘られたっていうだけで、全く悲観することはないと思うよ。終いもしっかり伸びていたし、ましてや５８キロを背負っていた訳だから、次につながる競馬はできたんじゃないかな。

アンコイルドはペースが遅かったこともあるけど、それにしてもハミを噛んでいたね。これだけ掛かっていく馬ではないから、さすがに体が重かった（プラス１２キロ）んだろうし、久々の影響もあったんじゃないかな。それでも最後まで粘っていたあたり、力を付けているよ。一度使って良くなりそうだし、次は楽しみだね。

ラキシスはジェンティルドンナをマークしていたけど、この馬も前半、特に向正面でかなり行きたがっていた。あそこは外から被されたりして結構ゴチャついていたしね。終いの切れが鈍ったのも仕方がないんじゃないかな。この馬もこんなに掛かっていくような馬ではないから、久々も応えたんだろう。一度使って変わってくると思うよ。

ジェンティルドンナは終始３～４番手に付けてはいたけど、折り合いが付いているように見えて、実際には全然付いていない。（福永）祐一が足を突っ張ってガッチリ抑え込んでいたからね。パドックでもカリカリしていたし、ゲートでもうるさいところを見せていたから、レース前から馬が燃え過ぎていたんだろう。でも、これでガス抜きはできるはず。あまり悲観することはないんじゃないかな。

トゥザグローリーもずっと引っ掛かっていたね。向正面までは乗り役も必死に抑えていたけど、３コーナーで諦めて放したんだろう。結果的にあれでレースの流れが壊れてしまった。前回はブリンカーの効果がイマイチだったのに、今回は逆に効き過ぎた。いずれにしても気性の問題で、今のこの馬は本当に難しいね。