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桜の心は博愛。誰もが日本人に生まれてよかったと思う季節が今年もやってきた。おそらく仁川は満開。だから今年の桜花賞は絵になる。同時に花より団子でお金にもなる。
そんな中、今週ひと際元気なのが⑩ジェンティルドンナの岩田康誠。訥々とした語り口の中にも強気のコメントがポンポン飛び出し、ついに「競馬場は満開だろうか」とロケーションにまで及んだ。こんなリップサービスも元を正せばチューリップ賞(4着)の贖罪もあったはず。桜には人を博愛主義者に変える魔力がある。
チューリップ賞の敗因は熱発明けだけではない。厩舎は大丈夫と判断したから出走させたのだ。桜を狙う馬にそれくらいの用心がないはずはない。が、肝心の岩田が用心しすぎた。絶好のスタートを馬まかせで順位を下げ、直線は前5頭がズラリ壁。あと一列、いや、あと二列前で勝負すべきであった。
少なくてもチューリップ賞に関する限り岩田はノンファイトのお嬢さん。あれは失敗であった。が、それをわかっているのは手綱を取った岩田一人。たぶんファンに済まなかった想いの裏返しが今回の強気なコメントではなかったか。「今度は沢山買ってください」というふうに聞こえた。
実際、ジェンティルドンナは今年の小ぶりな牝馬勢にあって互角以上の存在。何より牡馬相手のシンザン記念が光る。勝ちタイム1分34秒3は最速の持ちタイム。それも直線の一吹かしで決めた。この時期、牡馬相手に同じマイル重賞を勝ち切った実績が、一体どれくらいのスキルアップにつながるのか。07年のダイワスカーレット(シンザン記念2着)、昨年のマルセリーナ(シンザン記念3着)を見れば言わずもがな。2・3着馬でさえ桜の女王である。ここは一叩きされ重い坂路で53秒6の一番時計。当然、一変が期待できる。
完成度の高さで2歳女王⑰ジョワドヴィーヴルが本線。阪神JFの1分34秒9は特に驚く記録ではないが2戦目のGⅠ勝ち、それも完璧に勝ち切っているのだから非凡。時計も1.8秒短縮した。問題は成長力。チューリップ賞は初めて馬ごみで揉まれたにせよ、ジェンティルドンナと違い勝ちに行っての3着だけに多少の物足りなさは残る。それでも今年の牝馬勢なら格好はつけられる。上がり目はともかく首を使った躍動感のある動き。賞味期限は切れていない。
単穴に⑤パララサルー。初の長距離輸送で馬体を減らしたのは心配でも、それに見合った調教はできている。何せアパパネの国枝厩舎には桜のノウハウがある。まして気で走る牝馬、数字に振り回されない方がいい。当初は本命予定の逸材。3連勝の中身も桜花賞馬として全く恥ずかしくない。
同じ関東の⑬サウンドオブハートも差はない。阪神JF3着、2度の関西輸送経験も大きな糧になるはず。問題は前向きすぎる気性をどこまでためられるか。紅梅Sの瞬発力は並みじゃない。馬を引き戻した松岡が運も引き戻せるか。
連穴のトップにあと200の距離延長が鍵を握る⑪アイムユアーズ。ただ、6戦連続で連対確保の勝負強さはなかなか。これに牡馬を向こうに数字外の奥行きがありそうな⑮ヴィルシーナ、輸送克服を条件に屈指の決め手を誇る③オメガハートランド。
逆に穴人気のエピセアロームは決め手と時計不足が心配。
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