2012年4月9日月曜日

さんすぽさくら

【桜花賞】ドンナもんだい!ジェンティル桜冠(1/2ページ)

桜の女王ジェンティル 力強く混戦を抜け出したジェンティルドンナ(中央)。鞍上の岩田康誠騎手はスタンドに向かってNo.1をアピール=阪神競馬場(撮影・佐藤雄彦)【拡大】

 第72回桜花賞(8日、阪神11R、GI、3歳牝馬オープン国際(指)、定量、芝・外1600メートル、1着本賞金8900万円、1~4着馬にオークスの優先出走権=出走18頭)岩田康誠騎乗で2番人気のジェンティルドンナが中団追走から直線、すばらしい末脚を発揮してGI初制覇を決めた。1分34秒6(良)。昨年のマルセリーナに続き、ディープインパクト産駒の桜花賞連覇となった。次走のオークス(5月20日、東京、GI、芝2400メートル)で、2冠制覇を目指す。2着は4番人気ヴィルシーナ、3着は3番人気アイムユアーズ。1番人気の2歳女王ジョワドヴィーヴルは後方から末脚勝負に出たが、6着に終わった。

桜の女王ジェンティル 力強く混戦を抜け出したジェンティルドンナ(中央)。鞍上の岩田康誠騎手はスタンドに向かってNo.1をアピール=阪神競馬場(撮影・佐藤雄彦)【拡大】

 『貴婦人』という意味の馬名らしからぬ力強い差し脚で、馬場のド真ん中を駆け抜けた。ジェンティルドンナがGI初制覇。大きな歓声を受けながら、牝馬クラシック1冠目を手中に収めた。

 「好スタートが切れましたし、折り合いもバッチリ。この馬の脚を見せられてうれしいです」

 しっかりとエスコートした岩田康誠騎手が、満足げな表情を見せた。

 道中は中団を追走。人馬の呼吸を合わせて進み、十分な手応えのまま直線へ。鞍上からGOサインが飛ぶと、上がり3ハロン34秒3のメンバー最速の末脚を繰り出し、先に抜け出したヴィルシーナとアイムユアーズを外からとらえてねじ伏せた。

 前走のチューリップ賞は、中間に発熱のアクシデントがありながら小差4着。「あの状態であれだけ走れたんだから」と陣営は改めて能力の高さを確認。今回は1週前の段階で調整役の井上調教助手が「前回とは反応が全然違う」と声を弾ませるほど、体調は急上昇。「今度はやれる」。大一番へ、陣営の誰もが自信を持っていた。

 「デビューの頃からGIを狙っていた。期待していた馬です。勝ちにいって勝ったGIです」

 1998年の開業以降、2000年のスプリンターズS(ダイタクヤマト)を筆頭に数々のビッグレースを制してきた石坂調教師だが、意外にも今回がクラシック初勝利。厩舎一丸となって咲かせた“桜”に「今晩、パーティーがあるんです。おいしいお酒が飲めますね」と、ほおを緩めた。

 次走はオークス。「まだまだ実力はこんなもんじゃない。自信を持って次に行けます」と岩田康騎手が力強く語れば、「折り合いがつくし、距離が延びても大丈夫。期待を持っていけます」と、トレーナーも胸を躍らせる。牝馬2冠制覇へ、道は真っすぐに続いている。(宇恵英志)

(紙面から)

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