【桜花賞】ジェンティル“桜冠”!
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ちらほら咲き始めた桜を背に快勝したジェンティルドンナ(撮影・石湯恒介)
「桜花賞・G1」(8日、阪神)
今年もディープインパクト産駒が輝いた。直線ではじけた2番人気ジェンティルドンナが、ゴール前で元メジャーリーガーの佐々木主浩氏が所有するヴィルシーナをかわし、G1初制覇を決めた。熱発明けのチューリップ賞で初めて連対を外したが、大舞台で鮮やかに反撃。仁川で開花した素質馬に、陣営はオークス(5月20日・東京)での2冠奪取に自信をみなぎらせた。
ディープインパクト産駒の根性娘が、仁川で開花宣言だ。牝馬クラシックの第1弾は、ジェンティルドンナが奪取。3頭の激しい攻防を制し、昨年のマルセリーナに続き2年連続で父に桜花賞のタイトルをプレゼント。9度目の挑戦を実らせた岩田は、左手の人さし指を掲げて初めての“桜冠獲り”をアピールした。
「先生、抱き合っていいですか?」。責務を果たした喜びからだろう、馬から下りた岩田はすぐに石坂師の胸へと飛び込んだ。「任せていただいていたので、自由に乗せてもらった。馬の具合も良かったし、自信を持ってレースに挑んだ。先生も喜んでくれたし、うれしく思います」。初コンビのチューリップ賞で敗れはしたが、戴冠への手応えはつかんでいた。
中団でしっかりと脚をため込んで、直線は信じた末脚にかけた。振るう左ステッキに、パートナーが応える。1完歩ずつ差を詰めると、内から伸びた同じディープ産駒のヴィルシーナをかわしたのはゴール寸前だった。「折り合いもバッチリ。最高のレースができた」と笑みを浮かべる。
石坂師はクラシックの栄冠を初めて手にした。「勝ち負けのできる位置で競馬をしているなと思った。“桜花賞へ行きたい”とデビューから思っていた馬。良かったと思う」と力強くうなずく。中間に熱発があった前走では4着に敗れたが、あくまでも前哨戦。ショックはなかった。「追い切りの反応も良かった。前回は心配しながらだったけど、今回はきっちりとできていた」。本番へ急上昇して、一気にヒロインへと駆け上がった。
ひとつ上の全姉ドナウブルーが立てなかった舞台。その無念を晴らした妹は、牝馬クラシックの第2ステージへ。左回りの府中、800メートルの距離延長、第1冠とは大きく変わる設定が待ち受けるが、師は「折り合うし、テン良し、中良し、しまい良し。精神的におとなしい馬なので、距離にも対応できると思う。オークスも自信を持って出したい」と期待を込める。
この日の阪神競馬場は三分咲き。岩田は「この馬の実力って、こんなものじゃない。まだこれからの馬。心強いですね」と自信をみなぎらせる。ひと足先に満開の花を咲かせた桜花賞馬が、樫の舞台での2冠獲りを誓った。
【桜花賞】ノーザンファーム生産馬上位3頭!
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口取りに並ぶ石坂師(左端)らジェンティルドンナの関係者(撮影・片岡寛尚)
「桜花賞・G1」(8日、阪神)
ノーザンファームの生産馬が、上位3頭を占めた。ノーザンファーム空港牧場の場長で、(有)サンデーレーシングの代表取締役を務める吉田俊介氏は「すごいことですね」と喜んだ。母ドナブリーニは英国で購入。産駒2頭でG3を2勝、G1制覇と大活躍だ。「ディープの相手として、成功させようと期待して購入した繁殖牝馬。すごい姉妹だし、牧場としてはホクホクです」と笑顔が絶えない。昨年のセレクトセールで、8400万円の値をつけたネオユニヴァース産駒(美浦・堀)の2歳馬、ゼンノロブロイ産駒の1歳馬はともに牡馬。娘に続いて息子も‐。牡馬クラシック制覇へも夢は広がっていく。
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