2010年12月2日木曜日

すぽにち

【JCダート】ヴァーミリアン貫録の12秒9

力強く登坂するヴァーミリアン
力強く登坂するヴァーミリアン
Photo By スポニチ

 今年は日本馬同士の戦いとなった「第11回ジャパンカップダート」の追い切りが1日、美浦、栗東トレセンで一斉に行われた。栗東組の注目はヴァーミリアンとキングスエンブレムという石坂厩舎の兄弟2頭出し。兄はG1・9勝と横綱級の実績。対する弟は素質開花で今秋頭角を現したばかり。調教は動かない実戦派、という似た兄弟がこの日はともに坂路単走でラスト1F12秒9の同じタイムをマーク。時計同様、甲乙つけがたい動きで万全の仕上がりをアピールした。

 兄弟対決と注目を浴びる兄のヴァーミリアンが威厳を見せる走りで最終追い切りを終えた。

 4歳時の06年から5年連続出走となるこのレースへ坂路単走で追われ、4F54秒4、ラスト1Fは12秒9をはじき出した。一見何の変哲もないタイムだが、この馬にとっては十分過ぎるほど。調教は全く動かないタイプで、近走の最終追い切りも坂路のラスト1Fは13秒台が精いっぱいだった。それだけに、コンビを組む武豊は「ラストの12秒9はヴァーミリアンっぽくないよね」と、この一点に関心を示して笑みをこぼすほど。同様に石坂師も「最近、出ていないタイムなので(調子は)いいと思う」と目を細めた。

 石坂師は初対決の実現に「ヴァーミリアンには“よくぞここまで弟を待っていてくれたな”という思いがあるよ」と王者に君臨したままの兄に敬意を払う。この馬が歴代トップのG1・9勝目を挙げたのは8歳になった今年1月の川崎記念。JRA+地方交流の統一ダートG1勝利、というくくりはあっても、積み重ねたG1の勝利数は誇れる金看板だ。

 武豊は先週のジャパンカップで23年連続のG1勝利を達成。不滅の記録を更新したばかり。「頼もしいパートナー。ジャパンカップダートも勝ちたい。邪魔されずにね」とジョークをまじえて意気込みを語った。6月大井の帝王賞(9着)から5カ月ぶりのぶっつけ本番だが、仕上がりに不安なし。王者の貫禄で一気に押し切る構えだ。

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