2009年12月1日火曜日

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【JCダート】ヴァーミリアン9冠獲り!
2009.12.1 05:04
 今週のGIはダートの王者決定戦・ジャパンCダート。米国3冠最終戦・ベルモントS優勝馬サマーバードが骨折で断念したことにより、ヴァーミリアンへの注目度がますます高くなった。前走のJBCクラシックで日本馬単独トップのGI8勝目をマーク。自己記録更新が期待される。
 未知の領域を突き進んで行く。前走のJBCクラシックで日本馬単独トップのGI8勝目を飾ったヴァーミリアンが、今週のジャパンCダートでその記録を伸ばす可能性が一段と高くなった。
 最大の強敵と見られた米国のクラシックホース・サマーバードが11月29日の追い切りで右前脚を骨折して出走を断念し、ヴァーミリアンのチャンスがより大きくなった。
 全休日の30日朝は滋賀県の栗東トレーニングセンターの自厩舎で静養し、2日の最終追い切りに備えた。「強い馬と戦いたかったからサマーバードの出走回避は残念だね。若い頃とは違うから体調を維持するために緩めない調整をしている。歳を重ねるごとに悪さもしなくなったし、最近は調教でも大人の走りをするようになった」と久保卓也調教助手は砂の王者の成長をアピールする。
 「昨年は残念だったから。以前はゲートに心配があったけれど、それもなくなり、精神的に本当に大人になった。競馬を完全に分かったんでしょう」というのは石坂調教師。JCダートが東京から阪神に移って最初の昨年は単勝2・2倍の1番人気に支持されたが、前半で行き脚がつかず後方からのレースになったのが痛かった。勝負どころで上がって行ったものの、直線の追い比べで劣りカネヒキリ、メイショウトウコンに先着を許し3着。当時は阪神ダートが初めてという事情もあった。だが、2度目の今回は同じ轍を踏むことは許されない。
 1年を経ても、能力に衰えはない。帝王賞、JBCクラシックと交流GIを連勝中。特に前走は逃げるマコトスパルビエロの直後で、真横にはワンダースピードにピッタリと付かれ、終始、内に閉じこめられる苦しい展開。それでも直線は最内の狭い隙間を躊躇なくついて、アタマ差マコトをかわした。能力に絶大な信頼を寄せる武豊騎手は「ヒヤヒヤさせてすいません」と切り出し「道中はいじめられたけど、前が開いてからはいい反応でした。ますます元気です。今年が一番強いかもしれません」と王者健在をアピールした。
 ジャパンCではルメールの手に渡ったウオッカが7冠を達成し、ユタカのリーチザクラウンは9着に終わっている。1番人気になりそうな今回、燃えないわけがない。順調ならこの後は、一昨年優勝、昨年2着の東京大賞典(29日、大井、交流GI、ダ2000メートル)に進むことが予想され、ウオッカなどをさらに離す2桁のGI10勝の大記録まで見えてくる。

最強王者健在!ヴァーミリアン、7歳で完成!!…12月6日・JCダート

7歳秋も元気いっぱい。王者の風格が漂うヴァーミリアン
 帝王賞、JBCクラシックを連勝、史上初のG18勝馬となったヴァーミリアンの勢いが止まりそうもない。ダート最強馬決定戦でV3達成なら、カネヒキリに並ぶJRAダートG13勝目。7歳の今も王者として君臨する同馬を管理する石坂調教師は、優勝を願いながらも現状のJCダートに一石を投じた。
 本来なら下降線をたどっておかしくない7歳なのに、6月の帝王賞、11月のJBCクラシックに優勝。ヴァーミリアンが、貫禄の走りを見せている。「精神的に完成されたかな」と石坂調教師。世代交代の声がやたらと聞こえてくるが、「言ったらええ。反発しないで競馬をするだけ。まだ、通用すると思う」。ダート界は秋になって3歳馬が大活躍しているが、王座を譲る気はさらさらない。
 目下、2連勝中。積み上げたG1タイトルが8つとなり、シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカが持っている記録を更新した。昨年のジャパンCダートは、大きな不利もあって3着。その後は、東京大賞典(2着)、フェブラリーS(6着)と敗れ、“限界説”が流れた。「リズムが崩れていただけ。トータルで29戦。数を使っていないからね」。指揮官の信頼は揺るがない。
 この中間も順調そのもの。坂路で追われた1週前の追い切り(25日)は、53秒6。先行したセブンサミッツ(3歳1000万)に5馬身も遅れたが、トレーナーは平然と言った。「抜くとは思っていなかった。フォームはいいし、動きも上等。すごく元気だね」。状態面に不安が全くないことが、その表情から見て取れる。
 一昨年に続いて2度目の制覇なら、JRAのダートG13勝目。カネヒキリが持つ最多勝に並ぶ。「展開で勝つこともあるけど、いかに自分の競馬ができるか。それが大事。ライバルとか考えたことはないし、しっかり仕上げて…」。石坂師に気負いはない。厚い壁をクリアしてG1最多勝馬に輝いた王者の時代は、まだ当分続きそうだ。

 [ヴァーミリアン・メモ]
◆G18勝 交流競走も含めた数字では日本一。JRAのレースに限れば、シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカの7勝がトップ。
◆ダート重賞最多勝 8つのGIに、05年浦和記念、06年ダイオライト記念、名古屋グランプリを加えた11勝。2位は、ホクトベガ、ブルーコンコルドの10勝。
◆10億円ホース JRA、海外、地方での獲得賞金を合計すると、10億8060万7500円に。メイショウサムソン(10億6594万9000円)を上回っている。
◆6年連続重賞V 04年ラジオたんぱ杯2歳Sに始まり、毎年重賞を制覇。ドウカンヤシマ(82~87年)の記録に並んだ。

ヴァーミリアンの石坂師「外国馬に右回り審査を」…12月6日・JCダート

あくまで自然体の石坂調教師
 帝王賞、JBCクラシックを連勝、史上初のG18勝馬となったヴァーミリアンの勢いが止まりそうもない。ダート最強馬決定戦でV3達成なら、カネヒキリに並ぶJRAダートG13勝目。7歳の今も王者として君臨する同馬を管理する石坂調教師は、優勝を願いながらも現状のJCダートに一石を投じた。
 米国の競馬場はすべて左回り。当然、同国での出走経験しかない馬は、右回りが初めてとなる。昨年のジャパンCダート。1番人気に推されたヴァーミリアンは、米国のフロストジャイアントが1コーナーで外に大きくふくれ、その影響をもろに受けてしまった。3着だった。
 「右回りでも回れる馬であってほしい。例えば検疫の時、右回りで最内を回れる審査をすればいい。一番怖いのはアメリカの馬がいる時。気をつけて競馬をしなければいけない。力負けしたのなら仕方ないが…。邪魔をしてほしくない」と石坂調教師の言葉には実感がこもっていた。
 ジャパンCダートには、ほかにも不満がある。距離の1800メートルだ。「面白くない。芝からのスタートになってしまうからと言うけど、2000メートルでいいでしょう」。東京大賞典、帝王賞といった国内のビッグレースだけでなく、世界的にも主流となっている距離での開催を望んでいる。
 まだある。ジャパンCと切り離しての開催についてだ。「アメリカ、香港、ドバイでは一日にG1をいくつもやっている」とばっさり。売り上げだけでなく、競馬そのものが盛り上がることを願っているからだ。パート1国入りした日本だが、まだ競馬先進国入りは遠いのかもしれない。

ヴァーミリアン“砂王”がV筆頭
 6日、阪神11R・JCダート 先行予想
◆ GI9勝目も目前 ◆

 主役は“砂王”のヴァーミリアン。JBCクラシックで史上最多のGI8勝目をマークした。実力のほどは今さらいうまでもない。前走後も順調そのもの。GI9勝目も目前だ。

 しかし新世代の破壊力は見逃せない。重賞連勝中のワンダーアキュートが不気味だ。底を見せていない3歳馬がここでも、あっと驚かすか。交流GI連勝中のエスポワールシチー、JBCクラシック3着のワンダースピードも差がなく続き、ゴール前はかなりの激戦になってくるはずだ。

(印は本社予想)
予想 馬名 騎手
  アドマイヤスバル 勝 浦
◎ ヴァーミリアン 武 豊
▲ エスポワールシチー 佐藤哲
  ゴールデンチケット ルメール
  サクセスブロッケン 内 田
  シルクメビウス 田中博
  スーニ 川 田
  ダイショウジェット 柴 山
  ティズウェイ マラージ
  ボンネビルレコード 的場文
  マイネルアワグラス 松 岡
△ マコトスパルビエロ 安藤勝
△ メイショウトウコン 藤 田
  ラヴェリータ 岩 田
○ ワンダーアキュート 和 田
☆ ワンダースピード 小 牧
[ 2009年12月1日付 ]


【JCダート】東京予想陣の「ヴァーミリアン」評
 【鈴木 V確率40%】昨年は重め残りの上、1角で外国馬に前をカットされて後退する不利。スムーズな競馬なら当然首位争い。
 【小田 V確率25%】JBCクラシックはインを突いた武豊の好騎乗が大きかった。前走以上の強力メンバーがそろって、楽観視は禁物。
 【岡本 V確率10%】これだけのキャリアがありながら阪神ダートは昨年3着の1走だけ。全幅の信頼は置きづらい。 【JCダート登録馬  データBOX  GIパネル】
[ 2009年12月01日 ]


【JCダート】主役譲らん!砂王ヴァーミリアン安泰

G1・8勝目をマークした7歳馬ヴァーミリアン
Photo By スポニチ
 米国の超大物サマーバードの故障で日本馬同士の争いが濃厚なJCダート。ヴァーミリアンは今年も交流G1・2勝を積み上げ、史上最多のダートG1・8勝。ここを勝てば、昨年カネヒキリに奪われたJRA賞最優秀ダートホースのタイトルを取り戻すことはほぼ確実。落とせない一戦だ。
 JBCクラシックで史上最多となるG1・8勝目をマークした7歳馬ヴァーミリアン。久保助手は「そんなに(レース数を)使っていないせいか馬はまだまだ若い。以前はゲートに入る時にチャカチャカする面を見せていたけど、今は安定している」と評価する。
 一時は衰えを指摘する声もあった。昨年のJBCクラシックを制した後はJCダート、東京大賞典、フェブラリーSと3連敗。特に年明けのフェブラリーSは中団のまま見せ場なしの6着。1、2着は4歳のサクセスブロッケン、カジノドライヴ。生きのいい若い世代に完敗を喫して「もう終わった」の声も出ていた。
 だが、己の力で雑音をかき消した。4カ月ぶりの帝王賞を完勝。前走はワンダースピード、マコトスパルビエロの2頭が先行して終始、間を割れない苦しい流れを鮮やかなイン強襲で切り抜けた。好位追走から早めに抜け出す必勝パターンは健在。武豊も「強い競馬だった」と、あらためてその力を認識した。
 1週前追いは坂路で4F53秒6~1F13秒6。水分を含んだ重めの馬場で、攻め駆けしないタイプであることを考えれば上々の動き。「単走では本気で走らないからね。2週前に併せ馬をやって体は仕上がっているので、今週も坂路で単走の予定」と久保助手。これだけの実績と経験を兼ね備えた馬だけに、調整方法は心得ている。「全力を出し切れば、おのずと結果は付いてくると思うよ」と自然体を強調した。
 東京から阪神に舞台が移った昨年のこのレースでは3着止まり。屈腱炎から復活したカネヒキリの引き立て役に回ったが、道中は他馬と接触して後方12番手まで下がりながら、頭、首差まで盛り返した。初めての阪神ダート、慣れない追い込み策で地力の高さを見せつけた。世代交代の波は確実に押し寄せているが、まだ譲らない構えだ。 【JCダート登録馬  データBOX  GIパネル】
[ 2009年12月01日 ]


2009年11月30日(月曜日)
JCダート(GI、ダ1800メートル、6日) ヴァーミリアン GI9勝目へGO!


 今週は秋のダート王決定戦「第10回ジャパンCダート」(GI、ダ1800メートル、12月6日)が阪神競馬場で行われる。侍JAPANのエースとして主役を張るのはヴァーミリアンだ。休み明けのJBCクラシックで国内最強を改めて誇示。フェブラリーSを制したサクセスブロッケンなど世代交代を狙う新興勢力が居並ぶが、まだまだ王座は譲れない。勢いに乗って、一昨年以来となる2度目の制覇を成し遂げる。

 守り続けてきた王座は簡単に譲れない。一昨年に続き、ヴァーミリアンが2度目の世界制覇に虎視たんたんだ。
 休み明けだった前走のJBCクラシック。直線では一瞬、行き場をなくしたが、ラスト100メートルで自慢の末脚を爆発させた。勝利を確信しかけたマコトスパルビエロをアッという間に交わす。着差はわずかにアタマだったが、力の差は歴然だった。
 「差はそんなになかったけど、最内を突いてしっかり伸びてくれたからね。強いレースを見せてくれた」と久保助手もあらためて底力を認識した。
 この勝利で史上初のGI8勝を達成した。芝とダートの違いこそあれ、ディープインパクトやシンボリルドルフですら成しえなかった大記録。現役でいながら、すでに伝説の域に到達してしまった感すらある。
 だが、陣営はあくまでどん欲だ。GI9勝目に向け、万全の仕上げを施している。25日に行われた1週前追い切りは、栗東坂路で800メートル53秒6。時計が目立たないのはいつものことだ。ぎっしりと筋肉の詰まった馬体、そして迫力ある走りが、目下の充実ぶりを物語っている。
 「馬場が悪い中での追い切りだった。それを考えれば上々の時計をマークしてくれている。前走後もすごく元気で順調そのものだよ」
 昨年はアメリカ馬に1角と直線で2度も前をカットされた。致命的な不利を受けながら、勝ったカネヒキリから0秒1差…陣営にとっては悔いの残る3着敗退となった。
 「あれは本当に悔しかった。今年は精神面でも大人になったし、具合のいい時はきっちりと結果を出してくれるのがこの馬のいいところ。昨年の分も含めて、今回は気持ち良く勝ちたいね」と同助手はうなずいた。
 フェブラリーSの覇者サクセスブロッケンに、3連勝中のエスポワールシチー。そして勢いのある3歳馬スーニ、ワンダーアキュート…昨年以上に新興勢力がそろい、骨っぽいメンバーとなった。
 しかし、世代交代の波にのみ込まれるつもりはない。今も健在の圧倒的な地力を示し、リベンジを果たすのみだ。


【JCダート】古豪ヴァーミリアン昨年の雪辱2009.11.30

ヴァーミリアン【拡大】

 史上最強のメンバーがそろうはずだった「第10回ジャパンCダート」(12月6日、阪神、GI、ダ1800メートル)は、29日に米国のサマーバード、日本の3歳代表のテスタマッタ(ジャパンダートダービー)が相次いで回避。ガラリと様相が変わった。一昨年の覇者で、JBCクラシック3連覇を飾った古豪ヴァーミリアンが、世代交代を狙う3、4歳馬を迎え撃つ図式となりそうだ。
 芝ではカンパニーが8歳でGIを連勝し“中年の星”として話題を集めたが、ダートではヴァーミリアン。7歳の今年、交流GIの帝王賞とJBCクラシック(3連覇)を連勝し、新記録となるGI8勝を達成。それも昨年暮れのJCダート、東京大賞典、今年のフェブラリーSと3連敗を喫してからの復活だけに、さすがの声が上がっている。
 とはいえ、まだ“完全復活”とまでは言い切れない。ヴァーミリアンほどの馬なら、中央の大舞台で勝ってこそ。「衰えを心配されても仕方ないような年だけど、無理な使い方をしていないので本当に元気。昨年、悔しい思い(クビ差3着)をしたレースなので、今年は何とかしたいね」と、石坂調教師も力が入る。GI9勝がかなったとき、名実ともにダート王者に返り咲くことができる。
 今年のフェブラリーSを勝ったサクセスブロッケンは前走・武蔵野S(10着)の内容が今ひとつ。代わって4歳世代の核となってくるのは、重賞3連勝中(交流GI2連勝)のエスポワールシチーだ。前走・南部杯はブロッケンに4馬身差の圧勝で「とてもいい状態だから今回のメンバーでも好勝負ができる」と安達調教師。ダート1800メートルは【3100】だ。
 武蔵野Sで道中ハナに立ち、そのまま押し切ったワンダーアキュートが3歳の代表格。「心身とも若さが残っているが、それでいてこれだけの結果を出している。馬体も回復して楽しみ」と佐藤正調教師。阪神ダートは3勝、2走前のシリウスSで3馬身差圧勝している。

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