ヴァーミリアン武あと1歩…/東京大賞典
左からヴァーミリアン、サクセスブロッケン(撮影・水谷安孝)
<東京大賞典>◇29日=大井◇統一G1◇ダート2000メートル◇3歳上◇出走14頭
1番人気に支持されたヴァーミリアンは、サクセスブロッケンと鼻面を並べてゴールしたが写真判定で涙をのんだ。カネヒキリに敗れた昨年に続く2着惜敗。「あと1歩でしたね。ここまで来たら勝ちたかった。悔しいけど仕方ない。馬の力は出せたと思う」と武豊騎手は残念そうに振り返りながらも最後は納得した様子だった。JCダートで不可解な8着惨敗を喫していたが、G1・8勝馬の力は見せた。
[2009年12月30日8時52分 紙面から]
【東京大賞典】ヴァーミリアン2年連続2着
「東京大賞典・交流G1」(29日、大井10R)
今年は鼻差。2年連続してヴァーミリアンは銀メダルに泣いた。
3角手前でサクセスブロッケンの手応えが怪しくなるのを見て、好位から先に前へ前へと進出。逃げるフリオーソを捕らえたところで、外からもう一度、サクセスブロッケンが追い上げてきた。残り100メートル手前からの激しい叩き合い。しかし…またしても女神はほほ笑んでくれなかった。
「あと一歩だったね。あそこまで来たら勝たせたかった」。2年連続の惜敗に武豊も唇をかむ。JRAリーディング争いでも、最後の最後に内田博に突き放された。その流れはここでも止めることはできなかった。
「惜しかったけど、雰囲気は良かったし、力のあるところは見せられたよ。力は出せた」。まもなく8歳となるヴァーミリアン。自己最多更新となる、G1・9勝目を目指す次の戦いへ前を向く。
【東京大賞典】巻き返す!ヴァーミリアン中心
2009.12.29 05:06
《本紙の狙い》GI8勝を誇るヴァーミリアンが中心。前走は勝負どころでの反応がひと息で、年齢からも多少ズブさを増したような印象を受けた。ただ力の要る地方の馬場は【9・1・0・0】と得意で、時計勝負、決め手勝負となりやすいJRA重賞より信頼度が上がる。2走前のJBCクラシック制覇から衰えは感じられず、巻き返しの公算大。
相手筆頭はサクセスブロッケン。2走前こそ別定59キロが響いた格好だが、前走は2着と0・2秒差で使いつつ良化を辿っている。大井はJDD制覇、昨年のこのレースで3着と相性が良く、コースを知り尽くした鞍上も強みで前進が期待できる。
南関東勢ではセレンが筆頭。豪快な末脚を武器に14戦連続3着以内を継続中。まだ底を見せていないのは大きな魅力で、この相手でも争覇圏。
【東京大賞典】ヴァーミリアン9冠決める!
2009.12.29 05:07
有馬記念は終わったが、GIはまだある。東京・大井競馬場では29日、ダート競馬の年度総決算レース、東京大賞典が行われる。朝日杯FS、有馬記念と2週連続GIを手堅くゲットしている中央競馬本紙予想担当の加藤隆宏記者は、一昨年の覇者ヴァーミリアンに◎。有馬記念の3連単1万8890円を◎〇△で当てた高尾幸司記者もヴァーミリアン本命で勝負する。
朝日杯フューチュリティSの3連単6720円◎〇▲、有馬記念の馬単1510円▲◎と2週連続GIを的中していい流れができているので、東京大賞典で今年最後の勝負に出る。
◎はヴァーミリアンで決まりだ。JCダートは見せ場なしの8着。期待外れもいいところだったが、決して力が衰えたわけではない。(4)番と内寄りの枠だった影響もあり、中団馬群の中という苦しい位置取りになってしまったのがすべて。大型馬なので自分のストライドでのびのびと走れず、ストレスが溜まったのだろう。“らしさ”のかけらも見られなかった。エスポワールシチーが逃げ切ったように、展開も向かなかった。
前走で力を出していないので、この中間は元気いっぱい。手加減なく、調教を積むことができた。元来、寒くなるにつれて調子を上げるタイプなので、仕上がりは文句なし。前走以上の状態にあるのは間違いない。
地方競馬での通算成績は10戦9勝2着1回で、大井も4戦3勝2着1回とほぼパーフェクト。JRAの競馬場よりも、砂の深い地方のほうが持ち味のパワーが生きるため、信頼度は増す。エスポワールシチーが不在で、今回は相手関係も楽になった。枠順は〔8〕枠(13)番。ここなら包まれず、好位に付けられる。脚を余すレースは考えられない。
加えて馬主の(有)サンデーレーシングはローズキングダムが朝日杯FSに勝ち、有馬記念はドリームジャーニー、ブエナビスタが1、2着を独占。この勢いには逆らわないほうがいい。ヴァーミリアンが王者にふさわしい強さを見せつけ、鮮やかに復権。9個目のGIタイトルを手に入れる。
馬単は(13)(4)、(13)(14)本線に(13)(1)、(13)(2)、(13)(3)、(13)(10)。3連単は(13)(1着)→(4)(14)(2着)→(1)(2)(3)(4)(10)(14)(3着)のフォーメーション10点で勝負。バッチリ仕留めて、気分よく正月を迎える。(加藤隆宏)
【東京大賞典】ヴァーミリアン2着「残念」
2009.12.30 05:06
第55回東京大賞典(29日、大井10R、交流GI、3歳上オープン、定量、ダ・右2000メートル、1着本賞金8000万円=出走14頭)内田博幸騎乗、2番人気のサクセスブロッケンが、最後の最後に抜け出した。1番人気ヴァーミリアンとの壮絶な叩き合いをハナ差で制し、2月のフェブラリーS以来となるGI勝ちを果たした。好位からしぶとく伸びたロールオブザダイスが3着に入り、3番人気のゴールデンチケットは直線で失速。5着に敗れた。
1番人気に推されたヴァーミリアンは、4番手の外めを楽に追走し、抜群の手応えで直線に向いた。満を持して抜け出したが、外からサクセスブロッケンが1完歩ずつ差を詰め、ハナ差かわされ2着。2年連続の銀メダルとなった。「残念、惜しかった。この馬の勝ちパターンだったのにね。雰囲気は良かったし、力は見せてくれました」と武豊騎手。今後は川崎記念に向けて調整される。
ヴァーミリアン鼻差2着…東京大賞典
第55回東京大賞典・交流G1(29日、大井・2000メートル)は、2番人気のサクセスブロッケン(内田)が、ヴァーミリアン(武豊)とのマッチレースを鼻差で制し、2月のフェブラリーS以来、通算3度目のG1制覇を果たした。3着にはロールオブザダイスが入り、JRA勢が上位を独占。地方馬は、セレンの4着が最高だった。また、4人組女性ユニットMAXが登場した「年末ギャンブル大作戦」は、馬単(650円)が2000円的中。読者に1万3000円をプレゼントした。
人気馬2頭の一騎打ち。ヴァーミリアンは、馬体を外から併せてきたサクセスブロッケンに、「ハナ」だけ後れを取った。
「いい形でレースができたし、この馬の勝ちパターンだったんですが…。最後は、本当に惜しかった。でも、力は見せてくれました」と武豊。カネヒキリに首差で敗れた昨年同様に惜しい2着だったが、7歳馬の頑張りをねぎらった。
前走のジャパンCダートは、中団で馬群に包まれたまま8着に敗退。3、4歳馬が上位を占めたことから、“世代交代”がささやかれた。
「今日は雰囲気が良かったし、前走は、本当に何だったんだろうと思いますよ。いい状態をキープしていましたし、ここまできたら、勝ちたかった」。“復権”には鼻差届かなかったが、ダートG1・8勝の地力を改めて示し、09年の戦いを終えた。
【東京大賞典】枠順&陣営コメント
【G1・29日・大井2000メートル・16時30分発走】
◆東京大賞典 55年に「秋の鞍競走」として創設。64年から東京大賞典となり年末の長距離重賞として実施されてきた。95年に指定交流競走となり中央馬も出走。特に距離が2800メートルから現行の2000メートルへ短縮された98年以降は各地のダート巧者が集結する“グランプリレース”として定着してきた。
枠 馬番 馬名 性齢 重量 騎手 所属
1(1)ブルーラッド 牡3 55今野忠 川崎
2(2)セレン 牡4 57石崎隆 船橋
3(3)ロールオブザダイス 牡4 57デムーロ 栗東
3(4)ゴールデンチケット 牡3 55ルメール 栗東
4(5)サイレントスタメン 牡3 55金子正 川崎
4(6)ケイエスショーキ 牡5 57水野貴 高知
5(7)セイリュウザクラ 牡3 55平瀬城 金沢
5(8)ヘキレキ セン8 57永森大 高知
6(9)ボンネビルレコード 牡7 57的場文 美浦
6(10)フリオーソ 牡5 57戸崎圭 船橋
7(11)ヤマトマリオン 牝6 55小林徹 栗東
7(12)トウホクビジン 牝3 53本橋孝 笠松
8(13)ヴァーミリアン 牡7 57武 豊 栗東
8(14)サクセスブロッケン 牡4 57内 田 栗東
【出走馬陣営コメント】
▼ブルーラッド(足立師)追い切りの動き、反応も良く状態は万全。東京ダービー(8着)は意外だったがもともと右回りの方がいい馬で久々の大井も心配はない。好位から、しまい二の脚を生かせれば。
▼セレン(佐藤賢師)前走はスローペースで自分から動いてレースをつくっただけに内容の濃い競馬。反動もなく、いい状態で出られるのでペースが速くなれば…。今までとメンバーは違うが持ち味の末脚を生かしてほしい。
▼ロールオブザダイス(清山助手)メンバーはそろいますが、どんな流れでもスムーズに対応して全能力を発揮するのが持ち味。安定した状態で出走できるので、自在に立ち回れる特徴を生かしてほしい。
▼ゴールデンチケット(徳江助手)前走は予想以上の結果でルメールが新しい面を引き出してくれた。メンバーにかかわらずきっちり走ってくれるし、大井も経験済み。差はないと思っています。
▼サイレントスタメン(足立師)馬体重(前走25キロ増)は成長分だと思っている。休み明けを1回使って気合乗りが良くなってきた。重量も55キロになったし、末脚に懸ける自分の競馬に徹する。
▼ボンネビルレコード(堀井師)ジャパンCダートがピークの状態だった。盛岡、阪神と長距離輸送が続き、多少疲れも見え始めたところ。得意の大井に替わって、どれだけ差を詰められるか。
▼フリオーソ(川島正師)疲れと脚元に悪いところがあったので、あえて目標をここ一本に絞った。坂路で併せてるし、最終追い切りの反応も良く、帝王賞を勝った時と同じようないい状態になってきた。スタートだけ気を付けて先行策が理想だね。
▼ヤマトマリオン(安達師)状態の変動はあまりないタイプ。休み明けを1回叩いたので息の持ちは良くなってくると思う。大井で勝ったこともありコースへの対応は大丈夫だが今回は男馬が相手。何とか5着以内に。
▼ヴァーミリアン(古川助手)他馬との差は詰まってきているのかもしれませんが、まだ力は十分にありますからね。しっかり走ってくれば結果は出るはず。
▼サクセスブロッケン(荻野助手)最終追い切りの動きも申し分ないし順調そのもの。右回りがどうかだけど、このコースも3回目。ジョッキーも馬も分かってくれているはず。
【東京大賞典】武豊「力は見せた」惜敗ヴァーミリアン
史上最多のG1・8勝馬ヴァーミリアンは鼻差2着で自己記録更新ならず。カネヒキリの首差2着だった昨年に続く惜敗だった。
前半は4番手。4角3番手から直線で先頭に立ったがゴール前の競り合いで外からかわされた。「いい感じでレースできて、この馬の勝ちパターンだったが最後は惜しかった…。状態はずっと良く、この間(JCダート8着)が何でだろうという感じだったけど、きょうは力は見せてくれたと思う」。武豊はサバサバと振り返った。
【東京大賞典】(大井)~サクセスブロッケン接戦を制す [News]
2009/12/29(火) 19:09
晴、良馬場の大井競馬場で行われた今年のダート競馬の総決算・第55回東京大賞典(JpnI・2000m・1着賞金8000万円・14頭)は、2番人気のサクセスブロッケン(内田博幸騎乗)がフェブラリーS以来の勝利を挙げた(勝ちタイム:2分05秒9)。
フリオーソが好スタートから先手を取り、サクセスブロッケン、ロールオブザダイス、ヴァーミリアンが先行集団を形成。向正面でゴールデンチケットが外から仕掛けて先頭に立ったがフリオーソも譲らず、これに外からヴァーミリアンも迫って直線へ。ヴァーミリアンが一旦先頭に立ったが、サクセスブロッケンが外から差を詰めて一騎打ちになり、最後はサクセスブロッケンがハナ差競り勝った。ヴァーミリアンは昨年に続き2着、3着には1馬身3/4差でロールオブザダイスが入り、追い込んだセレンが4着で地方馬最先着、ゴールデンチケットが5着、逃げたフリオーソは7着だった。
勝ったサクセスブロッケンは父シンボリクリスエス、母サクセスビューティ(その父サンデーサイレンス)という血統の4歳牡馬で、JRA栗東・藤原英昭調教師の管理馬。今年はフェブラリーSを制した後南部杯で復帰したが2着、武蔵野S10着、ジャパンカップダート4着となかなか勝ち星に手が届かなかったが、今年最後の大一番で見事復活の勝利を飾った。通算成績は15戦7勝、重賞は昨年のジャパンダートダービー、今年のフェブラリーSに続いて3勝目。
<レース後の関係者のコメント>
1着 サクセスブロッケン
(内田博幸騎手)
「故郷の大井で何とか勝ちたかったですし、ホッとしています。向正面でゴールデンチケットが仕掛けた時には『あっ、やられた』と思ったのですが、焦らず、手応えも十分だったので、あとはどれだけ追い上げられるかだろうと思っていました。去年3着の悔しさを晴らせて、本当に嬉しいですね。
大井からJRAに行ってリーディングを取れたということは本当に力になりますし、この成績に恥じないようにこれからも頑張っていきたいですね。(最後にファンに向けて)帰ってきました!ありがとうございます」
(藤原英昭調教師)
「やきもきするレースが続いたのですが、最後にいい結果を出せてよかったですね。南部杯からジャパンカップダートを最大目標にしていましたが、使いつつ良くなるタイプで、今回が体調も動きも一番良かったです。今日は今までにないくらい落ち着いていて、返し馬もキチッとできました。精神的にも成長していますね。3コーナーで他の馬に行かれて『まずい』と思いましたが、そこで我慢してくれた内田博幸騎手はお見事です。まだ強敵はいますし、この後はフェブラリーSを目標にしていきます」
2着 ヴァーミリアン (武豊騎手)
「惜しかったですね。いい形でレースが出来たし、この馬の勝ちパターンでした。いい状態をキープしているし、今日も雰囲気は良かったです。力は見せてくれました」
3着 ロールオブザダイス (M.デムーロ騎手)
「前回は後ろからの競馬になってしまったので、今日は前めの競馬を心掛けました。深い砂は合っていると思うし、折り合っていました。直線で狭くなって勿体無い競馬でした」
6着 ボンネビルレコード (的場文男騎手)
「上位とそんなに差はないけれど、スローでこの上がりでは仕方ないね」
7着 フリオーソ (戸崎圭太騎手)
「上手くスローに落として逃げられましたが、最後は久々の分もあったかもしれません。でも雰囲気はすごく良かったですし、馬体重が減っていましたが状態も悪くありませんでした。川崎記念で巻き返したいですね」
9着 ブルーラッド (今野忠成騎手)
「やっぱり(右)回りの分なのかなぁ…。早めにかわされては厳しかったね。でもまだまだ未完成なところがありますし、これからもっと良くなってきますよ」
(取材:舩山陽司、大関隼)
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