2008年12月30日火曜日

サンスポ

【東京大賞典】ヴァーミリアン無念の2着
2008.12.30 05:01

 第54回東京大賞典(29日、大井10R、指定交流、GI(JPN)、サラ3歳以上、選定馬、定量、ダ右2000メートル、1着賞金8000万円)断然の1番人気に推されたヴァーミリアンは叩き合いに敗れての2着。「スローペースにも対応でき、直線でいったんは抜け出した。負けるならカネヒキリだと思っていたけど…。今年の最後を飾れなくて悔しいね」と武豊騎手は無念の表情。クビ差負けはしたが、7歳を迎える来年も、ダート界を牽引する存在であることは間違いない。


【東京大賞典】カネヒキリV ヴァーミリアンは2着 2008.12.29 16:37
東京大賞典 ヴァーミリアン(右)との叩き合いを制しGI6勝目を挙げたカネヒキリ(左)=29日、大井競馬場(撮影・今野顕)【フォト】 29日、大井競馬場で「第54回東京大賞典」(交流GI、ダ2000メートル)が行われ、JRA所属のカネヒキリ(牡6歳、栗東・角居勝彦厩舎)が1番人気ヴァーミリアンとの壮絶な叩き合いを制し、GI6勝目を挙げた。鞍上はC・ルメール騎手でタイムは2分4秒5(良)。

 カネヒキリは、父フジキセキ、母ライフアウトゼア、母の父デピュティミニスター。GIは05年ジャパンダートダービー、05年ダービーグランプリ、05年ジャパンCダート、06年フェブラリーS、08年ジャパンCダートに続いて6勝目。

 2着は連覇を狙った1番人気ヴァーミリアン(牡6歳、栗東・石坂正厩舎)、3着は3番人気サクセスブロッケン(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)。

 払戻金は単勝310円、枠複は(1)-(8)で200円、枠単は(8)-(1)で550円。馬複は(1)-(9)で200円、馬単は(9)-(1)で540円。3連複は(1)-(8)-(9)で280円、3連単は(9)-(1)-(8)で1450円。ワイドは(1)-(9)が130円、(8)-(9)は240円、(1)-(8)は180円。(レース結果は主催者発行のものと照合しご確認ください)


【東京大賞典】ユタカでヴァーミリアン舞う 2008.12.29 05:04
ジャパンCダートは不利があり度外視。主戦武豊の騎乗でヴァーミリアンが巻き返す=栗東トレセン【フォト】 〔本紙の狙い〕ダート王のヴァーミリアンが巻き返す。2年ぶりに国内での敗戦を喫した前走だが、1コーナーで他馬と接触する不利で位置取りが悪くなり、道中も外々を回るロスの多い競馬での3着。着差を考えれば勝ちに等しい内容だった。中間も順調な乗り込みを消化。状態も確実に上向いている。交流戦7戦7勝が示すように力の要る地方ダートに替わるのも歓迎。【9・3・0・1】と抜群の戦績を誇る主戦の武豊騎手に戻り復権を果たす。

 スタートでトモを滑らせたJBCクラシックでクビ差の2着したサクセスブロッケンの潜在能力も高い。有力馬と斤量差が広がるのは有利で、巻き返しは十分に可能。前走で鮮やかな復活劇を遂げたカネヒキリの底力も相当で侮れぬ存在。

 的場文騎乗が魅力で舞台もベストのボンネビルレコード、地方の雄フリオーソ、地力高いブルーコンコルドまで。


【東京大賞典】カトちゃんはヴァーミリアン
2008.12.29 05:03

 マツリダゴッホは12着に撃沈。有馬記念は散々だったが、まだ今年の最後の勝負は終わっていない。東京大賞典で有馬でやられたぶんをしっかり取り返す。

 ◎ヴァーミリアンで堅い。JCダート(3着)は不覚をとったが、敗因は明白。道中不利を受けて位置取りが悪くなったところでペースが落ち着いてしまった。ロスがありながら、スムーズに経済コースを通ったカネヒキリとの差はわずかコンマ1秒。どちらが強いかは一目瞭然だろう。大井のダ2000メートルは2戦2勝(東京大賞典とJBCクラシック)。力のいるダートは得意で、10頭立てなら紛れが生じる可能性は低く、実力を存分に発揮できる。改めて、国内最強を証明する。

 3連単(1)→(2)(7)(9)→(2)(7)(8)(9)(10)のフォーメーション12点で勝負だ。(加藤隆宏)


【東京大賞典】メンバー血統診断
2008.12.27 05:01

 カネヒキリの父フジキセキは、デビュー4連勝で弥生賞を制し無敗のまま引退。ドリームパスポート(神戸新聞杯、菊花賞2着、ジャパンC2着)の例外はあるが、ダイタクリーヴァ(スプリングS、京都金杯2回)、タマモホットプレイ(スワンS)、ファイングレイン(高松宮記念)ら産駒は総じて芝のマイル以下の距離で活躍。そういう意味では、この馬のパワーは母の父デピュティミニスターから受け継いだものだろう。現役時代にカナダの年度代表馬に選出された同馬は、種牡馬としてもオーサムアゲイン(BCクラシック)、タッチゴールド(ベルモントS)ら多くのGI馬を輩出し、母の父としてもドバイワールドCを制したカーリンなどがいる。

 配合的には適性距離はマイル前後だが、2000メートルのジャパンDD、ダービーG、ジャパンCダート(2100メートル)を制しているように、ダートではこの馬自身の持つ粘り強さで距離を克服している。大井の2000メートルは実績もあり、消耗戦になりそうもないメンバー構成も大きく味方しそうだ。

 ヴァーミリアンは、3代母スカーレットインクから広がる牝系から、ダイワメジャー、ダイワスカーレットの兄妹に代表されるように、今、最も勢いがあると言っていい血脈の持ち主。母スカーレットレディからも、兄サカラート(父アフリート)は東海Sなどダート重賞4勝を挙げている。全体的に芝向きのイメージは強いのは、傑出した2頭がいるからだろう。ただ、ダイワメジャー自身も未勝利勝ちは中山のダート1800メートルで、2着を1.5秒ちぎっているように決して適性がないわけではない。

 父エルコンドルパサーは、日本馬として初めて3歳でジャパンCを制し、4歳時は仏へ遠征。GIサンクルー大賞(2400メートル)、GIIフォア賞(2400メートル)を連勝し、続くGI凱旋門賞でもモンジューの2着した名馬。種牡馬としてもこの馬の他に、ソングオブウインド(菊花賞)、アロンダイト(ジャパンCダート)のGI馬を輩出している。母との配合でスプリンターからステイヤーまで幅広く出しているが、この馬の牝系を考えればベストはやはり中距離だろう。

 サクセスブロッケンの父シンボリクリスエスは02年のダービー2着馬。ひと夏越して天皇賞・秋を制して、勢いそのままに有馬記念も制覇。4歳時にも天皇賞・秋、有馬記念を連覇した。ファーストクロップとなる現3歳世代からはこの馬の他に、ダンツキッスイ(アーリントンC)、ソーマジック(桜花賞3着)などが出ている。

 母サクセスビューティはサンデーサイレンスの産駒でフィリーズレビュー(1400メートル)の勝ち馬。近親にはダートの短距離重賞で6勝を挙げたブロードアピールがおり牝系はスピード色濃いが、祖母の父があのデピュティミニスター。この馬も本質的にはスピードが身上も、カネヒキリ同様、粘り強さが備わっているようだ。ダートなら2000メートルまでは不安はない。

 ボンネビルレコードの父アサティスは現役時代はGIジョッキークラブ大賞(2400メートル)など芝の長距離で活躍したが、産駒はメイショウテゾロ(シンザン記念)以外はウイングアロー(フェブラリーS、ジャパンCダート)、スマートボーイ(アンタレスS、平安S)とほとんどがダートでの活躍馬。若駒の時は気性の悪い馬が多く、どちらかと言えば古馬になって頭角を現すタイプだろう。この馬も初のGI制覇は5歳の帝王賞だった。牝系はこれといった馬が出ておらず、父の影響力が強いのだろう。実績通りダートの中距離がベスト。

 フリオーソの4代母は仏GIガネー賞(芝2100メートル)を勝ち、凱旋門賞でも2着した名牝。父ブライアンズタイムは芝、ダートを問わず多くの活躍馬を出している。この配合なら芝でもと思えるが、中央で挑戦した2度の重賞で大敗しているのだからやはりダート馬なのだろう。母の父がミスプロで一本調子な面が強く出たのかも。いずれにしても先行力を生かすレースになるだろう。(血統取材班)

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