カネヒキリ日本一ダ!ルメールでG1連勝…東京大賞典
ゴールと同時にカネヒキリのルメールは歓喜のガッツポーズ。右は2着ヴァーミリアン また、ルメールだ、カネヒキリだ。ダート実力日本一を決める第54回東京大賞典・G1(2000メートル)は29日、大井競馬場で強豪10頭(地方5、JRA5)が覇を争った。終始、3番手を進んだカネヒキリ(ルメール)が猛追した武豊・ヴアlミリアンを首差しのいで優勝。ジャパンCダートに続き、GI2連勝を飾った。3着もサクセスブロッケンが入り、中央勢が上位を独占した。地方勢はフリオーソの5着が最高だった。
夕闇となった大井競馬場に、激しい火花が飛び散った。最後の直線。3番手から抜け出したカネヒキリに圧倒的1番人気のヴァーミリアンが襲いかかる。互いに譲らない。
長い闘病期間を味わったぶん、勝負に対する執念が強かったのか。わずか首差。激闘をしのぎきったのはカネヒキリだった。繰り出した末脚は、芝並みの35秒1。復活Vを飾ったジャパンCダートに続き、暮れの大一番でも、国内無敵を誇っていた王者を競り負かした。
「ヴァーミリアンとのマッチレースを待っていた。並んでから最後まで頑張るのはわかっていたから。今日はカネヒキリの方が上だった」ルメールは自らの会心の騎乗と、パートナーの頑張りを誇らし気に話した。
プレゼンターのアニマル浜口(左)、浜口京子さん(右から2人目)父娘に祝福されるルメール。右端は金子真人オーナー ジャパンCダートで、見事によみがえってから3週間。スタッフは入念なケアを施した。「脚元が心配なので、一戦一戦が勝負」角居調教師は、再度のGI奪取にゴーサインを出した。27日の中山競馬では、同じ腱再生手術を受けたフラムドパシオンが右前浅屈けん不全断裂を発症したばかり。不安がよぎりながらの観戦となったが「往年の力を出せる状態になってきた。強い姿を見せることができた」と笑顔をのぞかせた。
再び海外への期待が高まるが、陣営はあくまで慎重だ。海外ではスパイクをはいたり、環境の違う場所でのトレーニングを余儀なくされることから、新年も国内に専念する予定だ。当面の目標はフェブラリーS(2月22日、東京)。「体調はいいし、メンタル面も。来年もいいシーズンになる」とルメール。史上2位タイのダートG16勝馬が、国内完全制圧に乗出す。
[優勝馬メモ]
◆性齢 牡6歳の栗毛。6歳馬は今年行われた古馬ダートG16勝目(9戦)。
◆血統 父フジキセキ、母ライフアウトゼア(父デピュティミニスター)。
◆戦績 17戦10勝(うち地方4戦3勝、海外1戦0勝)。7日のJCダートに続く連勝でG16勝目。
◆総収得賞金 6億9162万4700円(うち地方2億450万円、海外3532万5700円)。
◆C・ルメール騎手(29) 国内G15勝目(うち地方2勝)。
◆角居勝彦調教(44) 今年のG15勝目。
◆馬主 金子真人ホールディングス(株)。馬名は「ハワイの雷の精」の意。
◆生産者 北海道安平町のノーザンファーム。
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武2着「やはり相手強い」…東京大賞典
ダート実力日本一を決める第54回東京大賞典・G1(2000メートル)は29日、大井競馬場で強豪10頭(地方5、JRA5)が覇を争った。終始、3番手を進んだカネヒキリ(ルメール)が猛追した武豊・ヴアlミリアンを首差しのいで優勝。ジャパンCダートに続き、G1・2連勝を飾った。
1番人気のヴァーミリアンは道中、4番手。一つ前を行くカネヒキリを徹底マークした。武豊が仕掛けたのは、3コーナー過ぎ。4コーナーも、抜群の手応えで回った。「ペースが速かったが、うまく対応した」ここまでは思惑どおりだ。
直線はカネヒキリと壮絶な叩き合い。だが、ゴール寸前で力尽きて首差2着。ジャパンCダート(岩田騎乗で3着)に続き、今度も軍配は最強のライバルにあがった。「負ければあの馬だとは思っていた。どちらも力は出し切ったけど、やはり相手は強い」武は、素直に勝者を称えた。レースを終え、引き揚げるスーパースターは、小さな声でポツリと言った。「最後を勝ちたかったが…」
右腕骨折から驚異の回復力で復帰。先週から“一鞍入魂”で臨んだが、朝日杯FSが3着(ブレイクランアウト)。今週もラジオNIKKEI杯2歳S2着(リーチザクラウン)、有馬記念8着(メイショウサムソン)。そして、また…。勝利の女神はこの日も微笑むことはなかった。
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