2008年12月2日火曜日

内外とか

競馬 - 2008年12月02日(火曜日)
JCダート ヴァーミリアン 連覇へ向け視界良好

 再戦だ。今年から阪神競馬場に舞台を移し装い新たに行われる「第9回JCダート」(GI、ダ1800メートル、7日)。堂々と主役を張るのは連覇を狙うヴァーミリアンだ。休み明けのJBCクラシックで国内最強を誇示。これに食い下がった3歳馬サクセスブロッケンがリベンジを狙ってくる。王座防衛か、世代交代か。府中の芝にも増して、仁川の砂が熱くなる。

 絶対王者の座を簡単には譲らない。ヴァーミリアンがさらに調子を上げている。
 「前走後もきっちり乗っているから。具合はかなりいいよ」と古川助手は笑みを浮かべた。主戦の武豊騎手が右腕を骨折するアクシデント。これは実に痛かったが、すぐさま頼もしい代打が決まった。11月27日に行われた1週前追い切りには、その岩田騎手が騎乗した。
 栗東坂路。800メートル55秒7→41秒1→13秒7と時計はまったく目立たないが、これはいつものこと。実戦に備え、ケイコでは息をひそめるように動かない。
 それでも岩田はひと味違う感触を得たようだ。「乗り味はさすがですね。やっぱり、モノが違う感じ。さすがGIホースといった雰囲気でレースが楽しみになってきた」とうなずいた。たくましく筋肉の詰まった馬体は、名手を一瞬でとりこにした。

 古川助手も「もともと攻めは動かないから、ラスト1F13秒台なら上々。まったく心配ない」と言い切った。ドバイ遠征を経てJBCクラシック→JCダート→東京大賞典のローテーションは昨年と同じ。そして昨年はその3レースをすべて快勝したわけだが、今年は当時以上にデキがいいという。
 「去年はドバイの疲れが尾を引いて苦労した。あの状態で国内GIを3連勝したんだから、順調にきている今年はもちろん…」。陣営は苦い経験を生かし、工夫を重ねた。その結果、馬は精神、肉体ともに成長した。残ったJCダートと東京大賞典も勝つのは、まるで既定路線のようだ。

 強敵はいる。JBCで激闘を演じたサクセスブロッケン、米国帰りのカジノドライヴとイキのいい3歳馬だ。
 しかし、古川助手は「前走、サクセスとの着差はわずかだったけど、内容はウチの方がかなり余裕があった。小回りの園田より阪神の方が競馬はしやすいし、最近は風格も出てきたから」
 自分の競馬をすれば結果は出る。絶大な自信を胸に、仁川の砂を巻き上げる。



【JCダート】豊の代打・岩田「乗り味いい」
 「JCダート・G1」(7日、阪神)
 ヴァーミリアンには岩田が騎乗する。
 武豊の落馬骨折による代打として、これ以上ない頼もしい存在だ。岩田は107勝を挙げ、関西リーディング3位をキープ。中身に限れば、東西で首位といっていい濃さを誇る。ただひとりG1・3勝を記録。G2・3勝、G3・6勝と、重賞12勝(2位は横山典の9勝)を挙げている。大舞台での強さは断トツ。今年4つめのG1Vを目指し、現役最強のダートホース・ヴァーミリアンと、大仕事を狙う。
 先月の27日に栗東坂路で行われた1週前追い切りで、その感触をキャッチ。巧みな手綱さばきを見せ、4F55秒7-41秒1-13秒7で駆け上がった。「調教ではあまり動かないタイプと聞いていましたからね。数字的には、こんなものじゃないでしょうか。動きは良かったですよ」と、ファーストコンタクトの印象を話す岩田。トップジョッキーらしく、数字以上のものを感じ取ったのだろう。集中力あふれる走りに「さすがに乗り味がいいですね」と、背中の良さを強調。自身は2週続けて落馬というアクシデントがあったが、それを克服した精神力で、大仕事をエスコートする。

【JCダート】ヴァーミリアン、連覇へ爆進ダ
 向かうところ敵なし。国内G1・7連勝を狙うヴァーミリアン 「JCダート・G1」(7日、阪神)

 米国のG1馬2頭を加え、超豪華なメンバーが阪神競馬場に集結。出走予定馬16頭のうち、G1勝ち馬が9頭を数える華やかな大舞台となった。主役を演じるのは、国内G1・6連勝中のヴァーミリアン。年齢を重ねるごとにたくましさを増して、史上初のジャパンCダート連覇を目指す。

  ◇  ◇

 有力馬がひしめき合う各路線にあって、このダート戦線だけは別だ。他を圧倒するシルエットを誇るヴァーミリアンが、揺るぎない地位を築き上げている。統一ダートG1を4勝し、最優秀ダート馬に選出された昨年。今年もフェブラリーS、JBCクラシックを完勝して、国内では無敵のG1・6連勝を続けている。

 担当の久保助手が「絶好調と言ってもいい。状態に関して文句はない」と、太鼓判を押す。その言葉通り、前走後も順調に調教を消化。栗東坂路の1週前追い切りでも活発な動きを見せ、30日には平地コースの栗東DWを疾走。メリハリの利いたメニューを涼しい顔でこなし、陣営の青写真通りに上昇線を描く。

 前哨戦のJBCクラシックで、国内3歳最強のサクセスブロッケンを撃破。「実は一番心配していたのが、園田競馬場の前走だった。あんな大きい馬が、コーナーを回ることができるのかな、って」。海外を含め、9つのダートコースを経験済み。どんな競馬場でも崩れなかったヴァーミリアンだが、超小回りの園田の馬場に対応することはできるのか-。「武豊騎手とも話していたんだ。他の競馬場みたいに、何馬身も離して勝つのは難しい、とね」。実際に、わずか首差での勝利。それでも速やかに発馬を決め、レコードで制する横綱相撲だった。「砂が深くて、スピードとパワーが必要。広いコースのように楽には勝てなかったけど、内容的には圧勝だったと思う」と、久保助手は振り返った。

 無理をさせない、石坂師流のローテーション。普段は、久保助手が課す日々の鍛錬にG1・6勝馬は応えてきた。旧戸山厩舎時代に、レガシーワールド(93年ジャパンC制覇)の調教を担当。持ち乗り助手として、当時の8歳まで活躍したフジヤマケンザン(95年香港C制覇)も手がけた。「レガシーには特殊な鞍を置き、80キロの負担重量で乗っていた。調教で手を抜くと駄目。我慢してついてこれる馬は強くなる。おれは負荷をかけるからね。ヴァーミリアンには今も、毛布をつけて乗ることがあるんだ」と、ベテランは話す。前へ、前へ。防衛戦に向け、王者は妥協のない日々を続けている。




【JCダート】ヴァーミリアンがトップ
2008.12.2 05:03
 *過去8年が対象

 《日本馬》

 ◆5歳有利 連対15頭中、5歳馬が半数近い7連対(1着4回)と活躍。連対のない7歳以上の馬は厳しい。3歳馬は3勝を挙げているが、優勝馬の最少キャリアはアロンダイトの8戦目で5戦目のカジノドライヴは割り引き。

 ◆重賞実績重要 連対15頭で 芝・ダート問わず重賞未勝利だったのは06年1着アロンダイトと07年2着フィールドルージュの2頭だけだが、フィールドは前年3着と能力は示していた。また過去1年未勝利の馬の連対はなく、有力馬ではカネヒキリ、サンライズバッカスが該当し、割り引き。ダート初出走の連対もなく、アドマイヤフジも厳しい。

 ◆JBC組が有力 コース・距離が変わるケースが多いJBCクラシックだが、中央の前哨戦に比べると相手関係や距離が似通っていることもあり、連対馬7頭を出している。今年も1870メートルと距離はほぼ同じ。有力ステップといえる。

 《外国馬》

 ◆苦戦 GIウイナーの凡走が目立つ一方、Gレース未勝利だったフリートストリートダンサーが優勝しているが、連対はこの1回のみ。ダートの質に大きな違いがあるうえ、今年から右回りの阪神に舞台が移ったのも、左回りのみの米国から来日する馬には大きな不利。

★結論

 国内GI7連勝を狙うヴァーミリアンが文句なしのトップ。3歳馬サクセスブロッケンは前走のJBCクラシックでヴァーミリアンとクビ差2着の接戦も、斤量1キロ増がどう出るか。得意の阪神なら巻き返し可能なワイルドワンダーが3番手。以下ワンダースピード、サンライズバッカス、ブルーコンコルドまで。(データ室)


怪物の勢い!ヴァーミリアン…JCダート

順調に調整をこなし、G1・7勝目へ自信を見せるヴァーミリアン 11月3日に園田で行われたJBCクラシックで、国内ダートG1・6連勝を飾ったヴァーミリアン。中間の調整は順調で、今回も不動の本命馬として君臨する。対するのは、3歳馬サクセスブロッケン。JBCクラシックは、果敢な先行策で首差の2着に粘った。ダートでは底を見せておらず、若さを武器に逆転を狙う。

 国内外から、豪華メンバーが集う戦い。それでも、ヴァーミリアンの存在感は、群を抜いている。「普通の状態を維持していれば十分。何の心配もないね」と久保助手。昨年、JBCクラシックを勝ったあと歩様が乱れるアクシデントがあっただけに、無事であることが何よりなのだ。

 前走のJBCクラシックは、圧巻だった。3月のドバイ・ワールドC以来のレースで、小回りコースの1870メートル。条件的に厳しく、久保助手は「園田の急なコーナーと深い砂がどうかな」と話していたが、それも杞憂(きゆう)に終わった。好スタートから3番手の外めですんなり流れに乗ると、直線入り口で2番手へ。前を行くサクセスブロッケンに、外から余裕たっぷりに並びかけ、きっちり首差かわした。

 その後の調整も、いたって順調だ。坂路での1週前の追い切りでは55秒2―13秒7。時計こそ目立たなかったが、もともと調教は走らないタイプ。黒鹿毛の馬体は、鮮やかな光沢を放っている。

 2度のドバイ遠征では敗れているが、国内では無敵。ダートG16連勝を含め、重賞10勝の数字は断然だ。このレースを勝てば、JRAのダートG1で歴代最多の3勝目に。G1は通算7勝目となり、シンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ブルーコンコルドが持つ、歴代最多記録に並ぶのだ。

 主戦の武豊が落馬負傷のため、岩田と初めてコンビを組むが、これまでもルメールで重賞2勝、一昨年のダイオライト記念は、初騎乗だった内田で6馬身差の圧勝を収めている。「鞍上の意のまま動ける馬だから、全く気にならない」と久保助手。その表情には、揺るぎのない自信が見て取れた。

 ◆JRAダートG1・2勝馬 ○…ウイングアロー(00年フェブラリーS、JCダート)、カネヒキリ(05年JCダート、06年フェブラリーS)、そしてヴァーミリアンの3頭。

 ◆JCダート2勝目を狙った馬 ○…ウイングアロー(00年《1》着→01年〈2〉着)、イーグルカフェ(02年《1》着→04年〈10〉着)、タイムパラドックス(04年《1》着→05年〈3〉着)。

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