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ジェンティル「今度が一番」/シーマC
【ドバイ(UAE)26日=平本果那】過去最高だ。29日メイダンのドバイ国際諸競走に挑む日本馬6頭が、現地で最終追い切りを行った。シーマC(G1、芝2410メートル)に出走する日本が誇る最強牝馬ジェンティルドンナ(牝5、石坂)は珍しい大雨の中、芝コースでラスト13秒台をマーク。調教後の公式会見で、石坂正調教師(63)は昨年以上の出来をアピールし、秋の目標にジャパンC3連覇を掲げた。また枠順が決まり、ジェンティルドンナは12番枠に入った。
水しぶきが舞う。雨でたっぷり水分をふくんだ芝コースで、バシャバシャと音をあげた。赤いメンコをびっしょりとぬらしたジェンティルドンナが大きなカーブを曲がる。徐々に加速すると、直線ではスムーズなフットワークを見せた。現地での最終追い切りはラスト1ハロン13秒2。「広いところでサッと無事に回ってきてくれた。時計的には推定通りだね」。スタンドで見守った石坂師が、笑顔を浮かべた。
1年前とは違う。現地時間の25日早朝、師はドバイに到着したが「去年と明らかに違う」。いい意味で愛馬に驚かされた。「去年は『ここ、どこなの?』と、よそ行きの感じだった。おとなしかったね」。再度の遠征となった今年は検疫所からカイバもしっかり食べて、メイダンの調教コースで物見をすることもなかった。「2回目で覚えているんだね。いい精神状態で覇気がある感じ。去年よりいいんじゃないか」。馬の賢さに、あらためて感心させられた。
過去最高の仕上がりだ。自信がある。この日の公式会見で、世界各国メディアの前でコメントした。「ジェンティルを今まで見てきたけど、今度が一番いいんじゃないかな。それが結果につながってほしい」。
そして秋の大目標も明かした。外国人記者に今後のことを問われると、カメラのフラッシュが一斉にたかれる。「今年いっぱいで引退して、牧場に帰ることになると思います。秋にはジャパンC3連覇が大きな目標のひとつになると思っています」。昨年JC史上初の連覇を成し遂げた。自らの記録は、自ら破ろうという壮大なプランだ。
その前に昨年2着に敗れたタイトルを奪う。もうカウントダウンが始まっている。何とか日本のファンに最高の報告を。ジェンティルならやってくれると信じている。【平本果那】
◆同一G1・3連覇 JRA平地G1では過去にない。天皇賞・春でメジロマックイーンが93年に挑むが、ライスシャワーの2着に敗れる。エリザベス女王杯で05年にアドマイヤグルーヴが挑むも3着。JCダートのトランセンドは12年16着。マイルCSでデュランダルは3歳時10着も、4歳時から連覇し、3連覇がかかった05年は8着に敗れた。テイエムオペラオーは「天皇賞」を00年春→秋→01年春と3連勝している。
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